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2019.09.09
硬式野球

[硬式野球]奪還第2章 東都大学野球秋季リーグ戦・スポーツ東洋大展望

 勝ち点5つと他を寄せ付けない成績で勝ち抜いた昨季リーグ戦から3ヶ月。まだ見ぬ日本一の頂を目指すチームの行く末をスポーツ東洋が独自の目線でひも解く。


リーグ連覇を目指し戦いに挑む


~安打製造機の100安打への道はいかに~

100安打の大台に挑む佐藤都


廣岡の躍動に期待したい


 昨季は“打の東洋”の復活を予感させる打線で好投手の多い戦国東都を勝ち抜いた。夏季オープン戦でも例年のオープン戦に比べ得点が重ねられていることからも、選手の調子の良さがうかがえる。中でも注目は佐藤都(法4=聖光学院)と廣岡(総1=拓大紅陵)だ。


 主将の佐藤都はついにラストシーズンとなった。日本代表にも選出される東洋の安打製造機にかかる期待は今岡氏(現千葉ロッテ二軍監督)以来となる東洋大からの100安打ヒッターの誕生だ。現在、80安打と少し苦しい状況ではあるが、2年春に19安打を放った実力を考えれば決して叶わない数字ではない。チームメートからも「あいつは神宮の申し子」「神宮なら何でもヒット」と言わしめる天才打者の活躍がチームの順位を大きく左右するだろう。


 続く注目は廣岡。今春の亜大2戦目に代打で初出場を果たすと初打席での初安打が初本塁打と初物ずくしに。そんなラッキーボーイは今夏のオープン戦から一塁手にも挑戦し始めた。本職の捕手としては関西遠征で実力不足を実感。「自分のやりたいことや投手の良いところを出せていない」と悔いが残る形に。佐藤都がそうであったように偉大な先輩の技術を盗む機会を得たルーキー。打の東洋の今後を担うこの男が今季も自慢の打棒で大暴れする。


~盤石のリリーフ陣~

背番号18を背負う神田


安定感が持ち味の松澤


  エース村上(総3=智弁学園)を筆頭に戦い抜いた今春が終わった頃、選手からは「頼り過ぎてしまった」という声が多く聞かれた。そんな中、行われた夏季リーグ戦では多くの投手が登板。各々が自らの力を存分に発揮してきた。注目は神田(営3=大商大堺)と松澤(営1=帝京)だ。


 春季リーグ戦での登板もあった神田は関西遠征で登板するも、打ち込まれた。しかし、その後のオープン戦では安定感を取り戻しつつあり、リーグ戦を戦い抜く上での重要な役割を担う予感。188cmと恵まれた体格の背中にあるのはエースナンバー18だ。プロの世界で活躍している梅津(H30年度営卒=中日)を彷彿(ほうふつ)とさせる姿が神宮のマウンドで躍動する日はすぐそこだ。


 続いて2人目の注目投手は松澤。今春は同じくルーキーで守護神の河北(営1=浦和学院)の前を投げるセットアッパーとしての役割を担い、リーグ戦終盤には先発のマウンドも経験した頼れる右腕だ。今夏のオープン戦でも先発のマウンドには上がったが結果が出ず。リーグ戦ではリリーフ待機が濃厚だ。これには本人も「先発向いてないのかな。中継ぎでは1失点だけなんで」と苦笑い。「中継ぎとしてなら調整は十分です」とリーグ戦に照準を早くから向けていた。今季もこの男が東洋大ブルペンを支える。


 「全てが山場」と選手が口にするほどの激戦の様相を呈する東都大学野球1部リーグ戦。これまで活躍を続けた4年生はTOYOのユニフォームに袖を通す最後の機会となる。1日でも長くプレーをするために明日、9月10日から長く険しいリーグ戦が始まる。


TEXT=須之内海 PHOTO=川口朋珠、谷口遥菜