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第95回日本学生選手権水泳競技大会
9月6日(金)~8日(日) 東京辰巳国際水泳場
(3日目・予選)
◆男子400m個人メドレー
5組
4着田中大4’24”28
→全体16位でB決勝進出
7組
田中万 DSQ
◆男子100m自由形
5組
2着川口51”43
8組
4着中村50”26
→全体9位でB決勝進出
8着勝岡51”05
◆男子100m背泳ぎ
9組
4着細川56”26
→全体12位でB決勝進出
10組
5着山本遥56”53
→全体16位、同着のためスイムオフ
9着渡辺皆56”96
◆男子200m平泳ぎ
3組
1着神田2’17”72
7組
9着辻田2’15”34
8組
3着花車2’12”47
→全体7位で決勝進出
◆男子4×200mフリーリレー
2組
2着東洋大7’22”60
(宝田-川口-森本-中村)
→全体3位で決勝進出
(3日目・スイムオフ)
◆男子100m背泳ぎ
2着山本遥56”49
(3日目・B決勝)
◆男子400m個人メドレー
6着田中大4’24”71
◆男子100m自由形
3着中村50”33
◆男子100m背泳ぎ
5着細川56”73
(3日目・決勝)
◆男子200m平泳ぎ
2位花車2’11”16
◆男子4×200mフリーリレー
4位東洋大7’20”36
(宝田-中村-川口-森本)
(男子総合成績)
1位 日大 432.0点
2位 明大 318.5点
3位 近大 303.0点
4位 中大 291.0点
5位 中京大 229.0点
6位 早大 220.0点
7位 東洋大 208.0点
8位 日体大 198.0点
あと0.11秒に涙した8継(左から中村、宝田、川口、森本)
アンカーの森本は最後まで粘る泳ぎを見せた
ラストに声援を送る(左から)宝田、中村、川口
花車は2年連続の準優勝
第95回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が最終日を迎えた。東洋大は男子総合5位以上の目標を掲げ、最終種目の4×200mフリーリレー(以下、8継)まで熱のこもったレースを展開。惜しくも表彰台は逃し、総合7位に終わったが最後まで全力を尽くした。
今年のスローガン「鉄魂〜We get to win〜」の応援幕を掲げて登場したのは宝田(法2=東福岡)、中村(文4=比叡山)、川口(法4=津田)、森本(国4=京都外大西)の4人。チームメートの声援に応えながら入場していく。 スタートすると会場全体からめいいっぱいの応援が。第1泳者の宝田は唯一の2年生ながらも予選で出したベストタイムをさらに上回る泳ぎを見せる。
4位で引き継いだのはエースの中村。これが今大会10レース目と疲労の色は隠せないが、200m自由形3位入賞者の実力を発揮。横一線に並ぶ勝負に競り勝ち、1位で同期の川口に引き継ぐ。
川口は「この1年間はそのことしか考えてなかった」と昨年逃した3位入賞への気持ちを中村と共にかみ締めてきた。100m自由形を制した関(日大)が猛スピードで迫り来るなか、懸命に食らいつく川口。1秒の差はつけられたものの、2位でアンカーの森本へ。
初めて8継に選出された森本はこれが人生最後のレース。「3人は全力を出し切ってくれている」と自らもチーム全員の期待に応えようとする。700mの時点では3位。「いける」そう思ったところに近大が迫り、会場の応援は最高潮に。そして、森本のタッチで電光掲示板に表示されたのは4という数字。わずか0.11の差で表彰台を逃した結果に各々「悔しい」という言葉しか出なかった。
個人種目では200m平泳ぎの花車(文2=丸亀)が昨年に引き続き準優勝を飾った。今大会100mで自己ベストを更新している花車は、目標には届かずに残念がったが、最低限ラインという表彰台はクリア。「切磋琢磨できる友達がいる。もっと強くなりたい」と、来年、再来年への期待が高まった。
目標の総合5位以上には届かなかったものの、若林主将(法4=法政第二)は「あとちょっとだった。いいレースが見れて良かった」と8継のレースを見て涙した。達成できなかった目標は次の新たな世代へ。全力を尽くした東洋大水泳部は、また気持ちを新たに目標へと突き進んでいく。
◾️コメント
・若林主将(済4=法政第二)
(最後の8継を見て)4年生が3人泳いでいたのでこの1年、去年も4番だったし3番を目標にしてやっていたので。宝田も相部屋だったのでどうしても3番入ってほしかったけど、もうあとちょっとだった。いいレースが見れて本当によかった。(レース前には)泣きそうになったので全然声掛けられなかった。掛けたけど全然言葉が出なくて。本当にかっこいいところ見られたなと思う。(応援も最高潮に盛り上がっていた)応援が少しでもレースの力になればなと思って必死にやっていた。(男子総合7位という結果)結構僅差20点くらいで。昨日、1日目から狙える位置にいたので本当にチーム全体で、5位絶対とれるっていう風に言い続けて。正直とれるって思ったが、僕とかが10番だったりとか、そういうちっちゃい取りこぼしが7位という結果になってしまって。めちゃめちゃ悔しいけど、本来ならシード取れるか取れないかと言われているなかで、みんなすごい頑張ってくれた。主将の僕が情けないレースをしてしまって申し訳ないが、このチームでやれてよかった。(これで引退)個人は本当にやり切れたし、本当に1〜3年生、これから入る選手たちには絶対、悔しい思いはあってもやり切って終わってもらいたいと思うし、毎年目標の順位を全然とれていないっていうのが例年なので、本当に来年こそは女子も男子も目標を達成できるようにやってもらいたいなと思う。
・川口(法4=津田)
悔しいけど、去年だったり3年前のインカレでこういう負け方をして、これが良くはないが東洋らしいというか、僅差で負けるというのが東洋なので、やっぱりそこを練習して隣に競ったときに負けないっていうのかやっぱり大事だと思った。(昨年は中村選手と悔しい思いをして、1年どうだったか)やっぱり4年生2人いて、その人たちと表彰台上りたいと思って頑張ってきたが結果が4番ですごい悔しかったのでやっぱりこの1年間はそのことしか考えていなかった。今年は同い年が3人と後輩1人で。絶対俺たちが後輩を引っ張って表彰台上るって話を1年間してきたので、それで0.1秒足りなかったのは本当に悔しい。(タイムとしては個人のレースよりも2秒じゃく速い)そうだが、タイムよりもリレーは勝負だなと思う。(ラストインカレを振り返って)悔しい思いの方が強いが、やっぱり最後入城の時だったりすごい仲間が応援してくれて、仲間の大切さをインカレ4回ですごく味わった。(後輩に向けて)この悔しい思いを来年、再来年と後輩が表彰台に上って晴らしてほしいなと思う。
・中村(文4=比叡山)
(1番思い入れがあった8継)自分の中でもやっぱり10レース目ということで疲労があって、うまく泳げたって感じはしないのでそれで4位にもなって悔しい気持ち。(個人のタイムは)47秒を狙っていたので。疲労はあったが、それでもやっていきたことがここで
出たなと思うので、それは今後につなげていきたい。(同期2人とリレーを組んで)先輩が抜けて厳しい戦いになるのはわかっていたので、自分がどうにかしてチームを引っ張ろうと思っていたが、それでもあまりいいタイムではないのでやってきたことがこれなのかなと思う。(昨年も8継を組んだ川口選手とは)僕がこの学年ではこのリレーを1番経験しているので、やっぱり1回目、2回目出るときは僕もめちゃくちゃ緊張したので。緊張する、タイム出ないという気持ちがめちゃくちゃ分かるので、そういう時に自分が支えないといけないなと思ってる。(ラストインカレを振り返って)去年初めて10レースして、吐くぐらいしんどかった。それは分かっていたのでそのために練習してきたが、それで100も200もベスト記録は更新できたので、そこはやってきたことは間違いではなかったと思う。(後輩たちへ)2年生3人と組んだのがメドレーリレーだが、それも最後表彰台に上らせてあげられなかった。3人はすごく頼もしいので、来年表彰台に乗ってほしいし、男子も総合7位だが全員が記録を更新して、来年こそは5位以上を目指してほしい。
・森本(国4=京都外大西)
悔しいっていうのが本音。本当に自分の中では4年として本当に水泳人生最後のレースが8継のアンカーだったので何も背負うものもなく、全力で最後の1かきまでいけたのでそこに関しては、本当に最後までやり切れたと思っている。でも最後700mターンしたときに2位か3位だったので、そこで僕はいける!と思っていて。最初はもう正直表彰台に乗るのはきついことだと思っていたが、1泳の(宝田)康平がベストできて、2泳の中村も350の時に1位になって、(川口)恭矢も650の時に1位という表示になったので。3人はもう全力ですごい出し切ってきてくれているので、チーム全員の期待に応えるしかないと思ってラストまで700ターンした時に、ラストいけるって思っていたが775mのところで近大が迫ってきているのが見えて。それでも自分の中で言葉では言えないようなもどかしさになって、気持ちではいけるいけるって思っていたのに、体がもう自分の中では動かないものになってしまって。無理矢理でもいいから最後までいこうという思いでいって、最後タッチする時に負けたっていうのが見えていたので、自分が全部やりきった!という反面に結果が4位というのがすごい悔しい終わり方だった。でも、終わってから後輩とかチームが「本当にいいレースでした。かっこよかったです」って言われて、僕もこの東洋大学水泳部に何か残せたんじゃないかなと思えたので、僕はもう泳ぐことはないが、この悔しさを来年以降また、チャンスはいっぱいあるので後輩たちに次につなげていってほしいと思っている。
・田中大(法3=呉港)
あんまタイムが上がらなくて。まだまだ実力が足りないなと思った。(呼吸を変えて調子が良かったフリーは)練習に比べてあんまりレースがうまくいかなかった。キックの入り具合が練習と違かった。(目標のA決勝進出には届かなかった)来年はラストシーズンなので、A決勝残れるように練習していきたい。(4年生の引退)自分たちが1番上になるので引っ張っていかないといけない。練習面とか生活面でも最上級生らしい行動をして、後輩たちが信頼してくれるとチームで戦う時にみんなが力を合わせて頑張ってくれると思うので最上級生らしい行動をしたい。
・山本遥(営3=豊川)
(スイムオフを終えて)みんなが応援してくれて、でも得点を取らなきゃいけない立場で落ちてしまったのは申し訳ないし悔しい。(予選よりタイムは良いが)ラストで自分の持ち味を出せずに失速してしまったのが悔しい。(来年は引っ張る立場で)今年は200m背泳ぎでA決勝に行けなかったけど、B決勝ですごく納得のいくレースとタイムが出せて自分の得意種目なので、来年は絶対に2分切って表彰台に上がるという目標を達成できるように持久力を鍛えて頑張りたい。
・宝田(国2=東福岡)
やっぱり表彰台を狙っていたので悔しい。(第1泳者として)いい順位でつなぐことだけを考えて泳いでいた。(タイムに関しては)予選でベストを出して、そこまでら上げられたので個人的には良かったんじゃないかと思う。(自分以外は4年生でプレッシャーは)3人とも4年生で、一緒にやる最後のレースだったので、本当に楽しんでいこうと思った。(来年に向けて)来年は僕が引っ張っていく立場になるのでしっかりと引っ張っていけるようにしたい。
・花車(文2=丸亀)
ベストとかインターとか目標が達成できなかったのはちょっと悔しいけど、最低限の表彰台がとれたことは疲れがあるなかでよかったんじゃないかと思う。(慶大の佐藤は世界ジュニア新記録)佐藤選手に付いていかなきゃ2分9秒台は出ないと思っていたが、僕が予選でちょっと速くなかったのでコースが離れてしまって、そういうところが自分のミスでもある。でも自分がいくら本調子でもさすがにちょっと追いつけない記録だったかなと思う。僕が高校生の時から中大の稲垣くんと法政の宮本くん、あと早稲田の大崎くんと4人でずっと戦ってきたので(宮本)一平の今日の400m個人メドレーの活躍も見て、(稲垣)大智2人で頑張ろうってなったし、また大智はいつも「年下には負けてらんねぇな」っていう、僕がレース前にちょっと弱気になっている時でもいいメッセージ掛けてくれたり。僕には切磋琢磨できる友達がいっぱいいるのでこれからももっと強くなりたいなと思う。(メドレーリレーは同期と引っ張っていく立場になる)来年はこのままいくと自由形も同期が泳ぐことになると思うので。僕らは水泳じゃない部分も含めるとまだまだ未熟な部分もある学年だけど、水泳だけじゃくていろんな面でしっかり東洋を引っ張っていけるような存在になりたいなと思う。(4年生がこれで引退)メドレーリレーの中村海渡さんにメダルをかけてあげたかったっていうのがあるが、4位だったからすごく悔しかったのもある。でも去年からここまで順位もタイムも上げることができたので「こいつら後輩ならあとは託せるな」という思いで見てもらえるように、来年からもっともっと頑張る、それだけだと思う。
・細川(営2=高松第一)
去年は2日目1レース、3日目1レースだけで今年は絶対に4レース全部泳ぎ切るっていう目標をたてて臨んでいたので、4レースとりあえず泳げたのは良かったが、全然タイムが振るわなかったのでまだまだだな自分はと思った。100mは1本は泳げるようにはなったが、1日2本、2日で4本泳げるようにならないと選手として一人前とは言えないので、まだまだだなと思った。(前日のメドレーリレーから一夜明けて)メドレーリレーは僕のせいで表彰台を逃したようなものなので、今日は個人でA決勝、最低でもB決勝に残ってチームに最後の最後勢いつけたいなと思っていたが、こんなタイム、こんな順位では何も変わらないので、何回も言うが自分はまだまだだった。(4年生の引退)今の4年生の方には入学した頃からお世話になるばかりで迷惑ばっかりかけてきたが、最後の最後泳ぎ切れてはないが4レース泳いだのでちょっとは成長した姿を見せられたのではないかと思う。本当にありがとうございましたと言いたい。
・神田(済1=芝浦工大付)
(3秒ベストだが)今回はしっかり思い切ったレースをすればいけるんではないかと思って泳いだ。しっかりした練習ができていたので自信をもってここに来れて良かった。(大学での練習は)選手を信頼してくれる先生方がいて僕らも先生のことを信頼していて、信頼関係ができている環境だからこそみんないい結果できているんじゃないかなって。(インカレの雰囲気は)熱くて水泳がさらに好きになりました。来年は2回泳げるように頑張りたい。
TEXT=越塚日南 PHOTO=伊藤なぎさ、牧田のどか