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2019.09.10
硬式野球

[硬式野球]エース・村上が立正大を圧倒 130球を投げ抜き開幕完封勝利

東都大学野球秋季1部リーグ戦・立正大1回戦

9月10日(火) 神宮球場

◯東洋大1-0立正大


東洋大
立正大


(東洋大)

村上(1勝)-佐藤都

二塁打:津田(二回)


・打撃成績

打順守備名前
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(左)小峰(営4=帝京)
(右)山田(総4=桐生第一)
(指)山崎基(営3=愛工大名電)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(遊)木村(総2=霞ヶ浦)
(二)諏訪(総3=浦和学院)
(一)酒巻(営3=成田)
(三)津田(総4=浦和学院)


30


・投手成績

名前球数四死球三振
村上(総3=智弁学園)13012


130球の熱投を見せた村上


エースの次回登板にも期待したい


松本が先制の足がかりを作った


 雲ひとつない青空の下行われた東都大学野球一部秋季リーグ戦開幕試合。日本一に向けての大事な初戦は初回に手堅く先制すると、村上が奪三振ショーを披露。そのまま逃げ切り1対0のスミ1勝利を収めた。


 「状態はそんなに良くなかった」と開口一番に口にしたのは昨季に続き開幕投手を務めたエース・村上(総3=智弁学園)。30度を超える猛暑の中で鉄腕が腕を振り続けた。最初に迎えたピンチは三回。1死を簡単に奪ってから連打を浴び、一、二塁に。「直球はそんなに走ってなかったけど変化球を拾われるよりは」と日本代表壮行試合の記憶もあってか直球勝負を挑む。立正大の1・2番を相手にボール球を使わず。2者連続三振でピンチを脱してみせた。


 四回には投手直撃の安打を食らうも、うまくグラブに当て難を逃れると五回以降は走者を許さない圧巻の投球を披露。球場の誰もがこのまま試合終了すると思った矢先の出来事だった。最終回のマウンドに上がると一死から主将・根本(立正大)が執念のヘッドスライディングを見せ、出塁を許し相性の悪い相手だけに不穏な空気が流れ始める。続く3番・平田(立正大)を2球で追い込むと変化球で三振に打ち取り2死にこぎつける。最後は二飛に打ち取り試合終了。開幕試合を130球完封勝利で収めた。


 エースは今夏でさらなる進化を遂げていた。「スライダーの握りを変えて。代表で山﨑(東海大)に教えてもらって」と日本代表で吸収してきた技術をすぐに実戦に移した。今季はこのスライダーに磨きをかけ、戦国を駆け抜ける。


 灼熱の中、エースの奮投で挙げた1勝目。完全優勝に向けて幸先の良いスタートとなったが、オープン戦で好調だった打線に陰りが見え始めた。ここから投打の噛み合う試合を展開できるか。打の東洋らしい試合展開を期待したい。



■コメント

・杉本監督

今日の気候と違くて、寒い寒い。むっちゃ寒い。村上は調子悪かったけど六回ぐらいから彼本来のピッチングになった。ブルペンで見てても、あちゃーって感じだった。佐藤にも、こだわらずに主になるボールを見つけてそれを中心に組み立ててと伝えた。それで抑えてくれたので、本当に成長したと思う。初回、タイムリー打ちましたけど、全てのボールを打ちたがる。山田もそう。一発のあるバッターには相手バッテリーも戦々恐々なので、初球から打つこともいいが、ホームランを打てるボールを狙えという話をした。特に山田はヒットはいらないので。帰って練習します。今日は異常な暑さ。立正さんも熊谷だから暑いと思うけど。消耗戦みたいになってしまった。まあ、初戦はこんなもんかなという感じ。村上は悪いなりに投げてくれた。もっと点を取っていたら、こちらも取られていたかも。味方が取ってくれないから、余計に丁寧に投げられた。制球もいつもより悪い。6回ぐらいから良くなった。それまではダメ。1ー0でも勝てたので大きい。村上が成長したのは、生意気になったこと。表情を出すところ。遠慮してた部分があるし、本当は、メンタルをこちらから抑えなければいけない投手。でも、それを隠してニコニコやってる。調子悪いとぶぜんとしてベンチに帰ってくる。僕はそれでいいと思います。それがチームに対して無言のプレッシャーになると思う。それぐらいのプレッシャーと戦わないと。そこで力出せないと楽しくなんてできない。佐藤は守備も打撃も両方成長した。スローイングも安定してきた。バランスも良くなった。一年半でここまで伸びたのはポテンシャルが高い。チームとしては、この夏、打撃が良かったはず。ひょっとしたら明日から全然違うスイングを見せてくれるかも。それぐらいの期待は持てる。今日は相手先発が予想していた糸川君や渡部君ではなかった。それも打てなかった要因。


・井上コーチ

倉田の先発は、私の中ではある程度予想していた。見ての通り、打てていない。アドバイスは日頃からしていて、それを実行してくれればどんな投手も打てるはず。根気が必要。結果が出ないとすぐ変えてしまう。継続は力なり。基本通りやってほしい。メンタルの問題。


・村上(総3=智弁学園)

状態はそんなに良くなかった。なんでってわけじゃないんですけどね。昨日とかもブルペン入ったんですけど、同じような感覚でした。今日は直球が全然走らなくて。それでもピンチで直球で行ったのは腕振って投げていけばある程度相手が嫌がってくれるかなっていうのと、変化球で拾われるよりは自分的にいいかなって思ったので。今日のテーマというか心がけてたこととしては四球を出さないこと。野手も守りづらくなりますし、四球で出すならヒット打たれた方がマシくらいに思ってました。今年は代表に行かせてもらって、同世代がたくさん投げてるのを見てたくさん学べました。今日のスライダーも山﨑(東海大)から教わったんですよ。曲がりが大きくて気になったので自分で聞きました。スライダーが変わって投球の幅が広がりましたね。これからリーグ戦がどんどん進んでいって、チームはもちろん連覇と日本一を目指しているので自分もそれに貢献できるようにやっていきたいです。


・津田(総4=浦和学院)

最後のシーズンなのでずっと楽しみにしていた。やってやるぞって気持ちで臨んだ。(後半は)あまり打線がつながらなかった。そこは明日の反省。ポジショニングや守備の面ではいいところが出たと思う。内容は勝つことができたのでよかった。(二塁打)外のまっすぐを打った。狙った通りに打つことができた。(相手の先発について)スライダーが良くていいピッチャーだと思う。(次戦に向けて)明日でしっかりとまとめたい。今日は村上が頑張ってくれたので明日は野手で打ち勝つ。


・山崎基(営3=愛工大名電)

投手が頑張ってたから援護してあげたい気持ちで。それが結果として内野安打になってよかったと思う。低いのは振らない意識だった。相手の先発が倉田だったっていうのは正直あまり予想してなかったかな。明日また切り替えてチームに貢献できるように。自分は任されたところで打つだけなんで。リーグ通してチャンスで一本打てるように打点を稼ぐのを目標に頑張ります。


・酒巻(営3=成田)

ここ3日間ぐらい打撃の調子が良かったからスタメン抜擢(ばってき)という形だと思う。倉田は直球かスライダー、どちらかを狙う形で打席に入った。感じは悪くなかったので、明日も出場できたら打てると思う。


・松本(営1=龍谷大平安)

開幕初戦で自分が第1打席だったから「打つぞ」という気持ちで挑みました。まず最初にヒットが出て良かったです。3回以降みんな打ててないっていうのが課題ですかね。低めは振らずに途中からゾーンをあげることを頭に入れて打席迎えました。秋は春よりもっと打てるように頑張りたいです。


TEXT=須之内海 PHOTO=須之内海、谷口遥菜、川口朋珠