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2019.09.12
陸上競技

[陸上競技]夏の3部門連続インタビュー〜第3弾・男子長距離部門〜

   春にも行ったこの企画。関東インカレなど大きな大会を終えて充実したシーズンを過ごした選手たちに、シーズンの振り返りをしてもらった。その模様を3部門連続でお届けする。


   この企画の最後となる第3弾は男子長距離部門。今や学生界トップランナーとしてその名をとどろかす相澤(済4=学法石川)の、現在の心境を語ってもらった。(取材日・8月7日、聞き手=長枝萌華)


ーーユニバーシアードを振り返っていかがでしたか。


ユニバーシアードに向けては大学に入って1つの目標でした。それに出場させていただいて、2年に一度の大会でなかなか出れるチャンスも2回しかないなかで今年4年生として初めて出場させていただいて優勝できたことはすごくうれしいことですし、今後につながる経験ができたかなと思います。


ーー暑さなどの対策は。


すごく朝から暑いのでしっかり帽子をかぶったりサングラスをかけたり直前まで氷のうを首元にあてたりという工夫はしていました。途中で給水もあるのですが、スタッフや試合が終わった選手にサポートしてもらったおかげで完走できたと思います。


ーー時差ボケなどはありましたか。


時差ボケは着いてからレースが遅くて、5日に着いてから試合が13日で1週間以上空いていたのであんまりなかったです。


ーー学生ハーフから意識していたことはありますか。


(学生ハーフで)1位になって選ばれたからにはもちろん金メダルを取るって思っていましたし、前回大会も団体優勝をしている種目だったので自分たちもそれに続けるようにしっかりコンディションを合わせていこうと思っていました。


ーーレース展開は似てたのでしょうか。


学生ハーフのときは自分が引っ張っていたんですが、逆に今回は暑かったですし、あまりハーフの練習をしていたわけではなかったのでついて行ってしっかりラストで切り替えて勝負に徹しました。


ーー優勝したお気持ちは。


優勝できたのはやっぱりうれしいですし、どんな状況でも勝ち切れたというのは自信になりました。


ーー海外の選手は意識しますか。


そんなに自己ベストが速い選手が出ていたわけではないのでハーフは前回大会も1、2、3位を取ってますし、3位以内に入るのは前提でそのなかで優勝を狙っていたので外国人選手はあまり気にならなかったです。中国の選手が少し強かったので若干ラストまで競っていたらどうかなっていうところはありましたけどしっかりラストになる前に離したのであまり気にせず走りました。


ーー同じ種目の中村大聖選手(駒大)、伊藤選手(東国大)とお話しはされましたか。


やはり団体優勝を目指していたので1、2、3位を取るっていうのは最低目標でしたし15kmまではペースを上げたりとかせずにそこからいける選手がいこうと話していました。


ーー世界の舞台で経験から得たものは。


いつもと違う環境、日本だとすごくコンディションを合わせやすいんですけど、海外だともちろん気候も違いますし、時差とか、レースの展開とかいろいろなものが違うなかで優勝できたというのは今後につながるかなと思います。


ーー観光する暇はありましたか。


ちょっと街に出かけたくらいであんまりなかったです。


ーー個人として今シーズンの前半を振り返っていかがですか。


結構たくさんレースに出たんですけど、予定していたレースは全て出れたことは自分のなかでは大きいかなと思っています。大きな故障もなく前期は終えることができたので良かったなと思います。日本選手権も2種目で入賞できたのは昨年より成長した部分かなと思うんですけど、まだまだ勝負できていないですし、関東インカレも優勝できなかったのはまだまだ実力不足だと思うので後期は見つかった課題を少しずつ克服していきたいなと思います。


ーーチームとしてはいかがですか。


前期のチームとしての目標は関東インカレのトラック優勝だったんですけど、それが達成できなくて、個人としても4年生的に良い結果が残せない結果が続いたというのがすごくチームとして良くないかなと思います。最上級生がしっかり走らないとチームはまとまっていかないと思うので後期はそういうところを克服していければと思います。


ーー春の取材でお聞きしたときから下級生の印象は変わっていますか。


3年生は真面目な学年で2年生もあんまり誰かが台頭してくる感じではなかったんですけど、宮下であったり蝦夷森が台頭してきて、2年生がチームのなかでも少しずつ存在が出てきているかなと思います。1年生もフレッシュさを出して練習してくれていて、上級生がなかなか結果が出ないときでも1年生は上級生と比べても練習ができているので1年生にも助けられているかなと思います。


ーー相澤選手から見てイチオシの選手はおられますか。


やっぱり宮下ですね。宮下が今一番、春、僕を除くと自分的にはちゃんと残しているかなと思います。でもまだ関東インカレで結果を残したに過ぎないので。でもひとつの成功体験が秋のレースに生きてくると思うので、今度駅伝で、3本ちゃんと走れれば本物になってくると思うので、本人にはチームの主力としての自覚を持って練習だったり、試合に臨んでほしいと思います。


ーーこの夏に取り組みたいことはありますか。


春は試合が多くてなかなかまとまったフィジカルであったり練習ができたわけではないので、この夏はフィジカルをメインに身体をつくって走り込みをした上で9月からスピードを入れて駅伝シーズンに合わせていければなと思います。


ーーチームとしてはありますか。


たくさん走ることはもちろんですけど、フィジカルをしっかり身につけていって出雲駅伝からできるチーム作りをするのが目標です。


ーー主将として取り組みたいことはありますか。


チームの雰囲気を良くするためにも危機感を持って一つ一つの練習をやっていけるようにしたいです。自分も今年の夏はチームにずっといるのでそういうのを伝えていければなと思います。


ーー全日本インカレの目標はありますか。


出場できるか分からないですけど、出場するからには日本人トップだけではなく留学生にも勝って優勝したいと思います。


ーーその他にも出場される記録会はありますか。


八王子ロングディスタンスが11月にあるんですけどそれには出場しようと思っています。出雲駅伝、全日本大学駅伝のあとでなかなか出ることは今までなかったんですけど、今年は駅伝がメインというよりは個人メインでやっていきたいと思っているのでそこに合わせて結果を残してそれをバネに駅伝も結果を残せればなと思います。


ーー駅伝シーズンの目標を教えてください。


チームとしてはもちろん優勝したいですが今のままでは優勝できる状態ではないので。まずは夏合宿をチーム全体でこなして、この合宿が全体でやるのは最後なんですけど、Aに分かれてもBに分かれてもやることをやって優勝できるチームづくりをして、夏休み終わって駅伝シーズン始まるときに3冠を掲げられるようにチームづくりをしていきたいです。個人としては4年生最後の大会になるので区間賞はもちろんキャプテンとして取らないといけないと思いますし、ただ区間賞取るだけじゃなくてエースとしての走りを後輩たちに見せていければと思います。


ーー相澤選手、ありがとうございました!



   続いて関東インカレではハーフマラソン日本人トップの2位に入り、周囲を驚かせた宮下(工2=富士河口湖)だ。あれ以来一気に有望株へと駆け上がった宮下は今何を感じているのか。(取材日・8月7日、聞き手=両角あずさ)


--今シーズン入って5000mで自己ベスト出されてますが。

昨年けがでチームにも迷惑かけてますし、自分たち2学年としても昨年の成績でみると鈴木しか結果が出ていなということだったので、2年目となる今年は勝負していかないといけないなということを学年の中で話し合いました。また話し合うだけでなく取り組みの面でもしっかり具体化して取り組んでいこうと決めていたので、そういった中で自分は今シーズン結果が出ているのかなって思います。


--関カレを経て心境の変化はありましたか。

今までレース前は弱気になっているっていう面があったんですけど、それ以降はやっぱり日本人1位ということだったので、自分がレースを作っていくだったり、誰にも負けないレースをしていきたいっていう思いが強くなっていきました。そういった強い気持ちを持って関カレ後の男鹿駅伝だったりに臨めたのかなって思います。


--男鹿駅伝はアップダウンがあるコースだったと思いますがアップダウンは得意ですか。

自分の中ではアップダウンが得意だなって思っていますし、それが自分の持ち味を発揮できるところかなって思います。


--インスタグラムに上がっていた試合を想定した練習とはどのような練習ですか。

チーム内でユニバーシアードに出てた相澤さんだったりは走らなかったんですけど、それ以外のメンバーで5000mのタイムトライアルをやりました。途中までは設定ペースがあったんですけど、途中からフリーになってそこから勝負を意識した練習でした。正直調子良くないかなって思ってたんですけど、前田だったり児玉だったり勢いのある1年生が多くて先輩として負けられないっていう思いもあったので、できる限りの調整をして臨めたかなって思います。


--夏合宿ではどのような練習をしていきますか。

最終的な目標としては箱根駅伝総合優勝ですし、自分としても区間賞取りたいと思っていますので、箱根駅伝の20km以上の距離に対応できるようにまだまだ自分の中でスタミナが足りないと思ってるので、スタミナをつけるための走り込みもやりますし、その反対に出雲駅伝や全日本では距離が短くなって自分に足りないスピード、特にスピードの方が足りないんですけど、距離を踏みつつもしっかりとスピードをつけて、スタミナとスピードを融合して三代駅伝全てで勝負できるようにしていきたいです。


--次のレースの予定はありますか。

今のところないんですけど、自分自身としては5000mとハーフマラソンの2つで今シーズン結果がそこそこ出たので、あとは10000mのタイムがまだ高校時代のベストのままなので、希望としては10000mでタイム出して、数字の方でも強さを見せていけたらなと思っています。


--今後駅伝シーズンをどのように臨んでいきますか。

この前のインスタグラムに上がった練習では自分がチーム内でトップだったんですけど、勝負するのは他大学さんになるので、チーム内での争いも当然ですし、他大学さんも意識して練習やって、それが駅伝では結果につながると思うので、そういったことを意識してやっていきたいです。


--他の2年生の調子はいかがですか。

蝦夷森は一緒にハーフマラソン走って入賞して、冬から順調にきてますし、鈴木は故障で春先走れてなくて今は徐々に戻ってきて駅伝までには間に合わせると本人も話していますし、その3人で走っていくのももちろんですけど、他の選手も自分たちが引っ張っていくって思って学年全体でレベルアップしていければ、将来的には自分たちが4年生になった時にもチームを引っ張れると思うのでそういったところを目標にしてやっていきたいと思います。


--監督から言われていることはありますか。

ハーフマラソンで結果が出たことは褒めていただいたんですけど、やっぱり上を見る意識、自分は特に「向上心を持ってやっていけ」って言われていて、箱根駅伝でも10人の争いだけではなくてその中での主要区間を任せられるような選手になるように言われています。


--今後の意気込みをお願いします。

まず夏合宿でしっかり脚作りをして故障せずに乗り切って、秋の出雲駅伝からしっかりとメンバー争いに入るのも当然ですし、その中でも主要区間争いに入っていけるようにこの夏を乗り切って頑張っていきたいかなって思っています。


ーー宮下選手、ありがとうございました!



   さらに、競歩ブロックの柱を担う池田(済3=浜松日体)にも話を聞いた。世界陸上の代表に選ばれ、東京五輪への道も見えてきた池田に、今後の意気込みを語ってもらった。(取材日・8月7日、聞き手=水越里奈)


--今年度前期を振り返っていかがでしたか?

今年度は1番大きな試合としてユニバーシアードがあってそれに向けて取り組んでいって、ユニバーシアードを優勝することで世界陸上に弾みをつけたいというのがひとつのテーマだったので、それを達成出来たのは良かったかなと思っています。


--ユニバーシアードは振り返ってみていかがでしたか?

環境が全然違って、暑いなかだったり海外独特の雰囲気など日本の大会ではないプラスになるものを味わえたので、世界陸上につなげられたかなと思います。そこで自分のレースができて勝ちきれたというのは自信に変えて良いと思うので、プラスになったかなと。


--ユニバーシアードが行われたイタリアと日本では具体的にどのような違いがありましたか?

日が出てる時間が長く夜の8時半にならないと日が落ちなくて、そのときの日本よりも高い気温だったり、日本のレースの方が飲み物や氷の事前の準備に融通が効いたりするので、日頃からの臨機応変な対応が身についていたから良かったかなと思います。レースに関わる環境の違いがたくさんありました。


--9月の世界陸上に向けての目標を教えてください。

世界陸上のレースで日本人1位をとって3位までのメダルを獲得すれば東京オリンピックの内定をもらえるので、そこをチャンスと思ってしっかり内定をつかめるようにしたいです。


--この夏で克服したいことや、練習のポイントなどは何ですか?

河口湖から合宿が複数あるなかで、1個1個目的が変わっていって、「この時期はスタミナ強化をする」「この時期はスピード持久力をつける」「この時期はレースに向けて仕上げる」といった目的があるので、それを持って練習に取り組み、決められた練習をこなして達成できるようにしていきたいと思っています。


--最後に改めて意気込みをお願いします。

2020年の東京オリンピックを狙っていく上で選考が続くので、この夏合宿からレベルアップして、まずは1つ目の選考である世界陸上にしっかり決められるようにしていきたいと思います。


ーー池田選手、ありがとうございました!



   最後に池田とライバル関係にあり、4月の輪島競歩では50km競歩の日本記録を破った川野(総3=御殿場南)だ。川野も東京五輪を目指しており、今後の選考レースが重要となる。(取材日・8月7日、聞き手=稲村真織)


ーー今シーズンを振り返って。

輪島とかで50km競歩があって、自分が50kmで東京オリンピックを目指しているなかで2位で記録を塗り替えたということでは、自信になったレースかなと思います。関東インカレやユニバーシアードはうまくいかないときもありましたが、少しづつ修正しながらやってこれたなと思います。


ーー輪島競歩でオリンピックへの道筋が見えましたか。

そうですね。50kmの選手は強い選手がたくさんいるので、そのなかで自分の力はどうなのかなと思っていましたが、練習していくなかで少しわかったレースかなと思います。


ーーオリンピックを目指そうと思ったのはいつ頃ですか。

高校の時から思っていて、高校2年生3年生で全国大会とかに出るようになって、将来東京でオリンピックがやるというのを知ってからこのチャンスを逃したくないなというか、出たいなという気持ちがありました。


ーー50km競歩に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。

高校の時から顧問の先生がもともと50kmの選手をやっていて、かなりスタミナの練習というか結構力を入れてトレーニングできたので、高校の時から長い距離でも勝負できるようにはしていました。


ーー川野選手が考えるご自身の持ち味は何ですか。

スタミナももちろんですが、ほかの50kmの選手と比べて20kmでのタイムも早い方なので、スピードとスタミナが自分の持ち味かなと思います。


ーーライバルの池田選手と練習を共にして刺激を受けることはありますか。

自分にないものを池田は持っていて、練習に対しての姿勢であったり他の誰よりもしっかり準備していたりとか、いろいろ学ぶことがあってそういう選手がすぐ近くにいるというのが本当にありがたいなと思います。そのおかげで自分も成長できますしライバル関係ではありますがすごく仲もいいので、ご飯とかも一緒に行っていますし学食とか近くの食堂に週に3、4回くらいは2人で行っていますね。本当にいいパートナーだと思います。


ーー東京五輪の選考レースとなる高畠競歩に出場されるとのことですが。

タイムを切って優勝すればその場で即内定なのでしっかり優勝、勝ちにこだわりたいと思います。


ーー最後に今後に向けて意気込みをお願いします。

東京オリンピックというのは自分が高校のときから憧れていた目標で、東京オリンピックは今まで高校の先生だったりずっと応援してくれている人だったり監督だったり、いろんな人たちに恩返しができる1番大きい舞台なのでまず出場して金メダルを取れるように頑張っていきたいです。


ーー川野選手、ありがとうございました!



本日から全日本インカレが開催され、その後には駅伝シーズンが始まります!東洋大陸上競技部の選手の皆さんへの応援をよろしくお願いいたします。


◆夏の3部門連続インタビュー・一覧

第1弾:短距離部門

第2弾:女子長距離部門

第3弾:男子長距離部門

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第95回関東学生陸上競技対校選手権大会
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