記事
第95回関東大学バスケットボールリーグ戦
9月28日(土) 駒澤大学玉川キャンパス
東洋大88-82明星大
22|1Q|25
24|2Q|13
11|3Q|29
31|4Q|15
輝きを放ったラシード
栁澤も司令塔としてチームを牽引
秋の気配が感じられる気候の中、駒大玉川キャンパスで行われた明星大戦。東洋大は接戦となったこの試合を6点差で勝ち切った。
流れを掴むため、大事な1Qは互いに得点を奪い合う一進一退の展開となった。東洋大はラシードの連続スリーポイントなどで22点を奪うも、持ち味のディフェンスが思うように機能せず、3点ビハインドで2Qに向かう。
2Qでは逆転し8点のリードを奪う。「リザーブの選手がいい味を出してくれた」と佐藤ヘッドコーチが語るように、背番号51の伊東(済2=飛龍)が3ポイントシュートを確実に沈めると、上甲(済2=幕張総合)も負けじと3ポイントシュートを重ねる。「今日はびっくりするぐらい入りましたね」と佐藤ヘッドコーチも驚きを隠せないほどの確実性を見せ、試合は3Qへ。
「良くも悪くも選手たちが自分たちでやってくれた」という言葉が凝縮されたのが後半戦だ。ハーフタイムを挟んで迎えた3Q。いきなり5連続ゴールを奪われる。「ミスで流れが向こうに行ってしまった」と栁澤(済4=桐光学園)。攻守に圧倒され、気づけば5点のビハインドで3Qは終了した。
そして迎える4Q。開始前に「悪い時に声を出せるかが大事だぞ」というヘッドコーチの檄(げき)が選手たちに向けられた。それに発奮した選手たちが躍動。終始安定していた3ポイント、さらにインサイドに切り込む攻撃で攻めまくる。ラシードの3ポイントで逆転に成功すると、その後も怒涛の連続得点で突き放し、4Qだけで31得点をあげた。最終スコアは88ー82。悪くなりかけた流れをチーム全体で取り戻し、全員で奪った勝利だった。
「こういう試合に勝ち切れたのは大きい」と佐藤ヘッドコーチ。3位から9位までが同じ勝率で並ぶ混戦なだけに、もう一戦も落とせない。一部昇格へ向け「選手が試合を通して成長してくれれば」とキーポイントをあげた。持ち味のディフェンスから試合をつくるバスケで勝ち続け、昇格を掴み取れるか。今後も躍動から目が離せない。
◾︎コメント
・佐藤ヘッドコーチ
いい時も自分たち、悪い時も自分たち。こういうゲームを今まで落としていたけど取れた。強みのディフェンスでリズムを掴めたのは大きい。3〜9位で並んでる状態なので内容はともかく勝ちきれてよかった。良くも悪くも選手たちが自分たちでやってくれた。今日はびっくりするぐらいスリーポイントが入った。明星大がゾーンで守ってくるということで練習した成果を出してくれた。ただ3Q。ガードから崩れてしまった。今日の唯一の課題。そこは反省して、司令塔がミスすると崩れてしまう。それでも周りが頑張ってカバーしてくれた。2Qはリザーブから出た伊藤や庄司が流れを作ってくれたのでよかった。4Qも波があって、自分たちが悪いときにどれだけチームを鼓舞できるか。いい時は誰でもできる。悪いときに試されるよという話をタイムアウトの時にして、彼らが実行してくれた。そういった意味ではこの勝利は大きい。もっと力を使わなくても勝てる内容だったが、詰め、ゲームの運びがまだまだ。ゲームを通じて選手が成長してくれれば。上2つが突き抜けているから、もう落とせるゲームはない。得失点も頭に入れなければならない。ただ、気にしないように勝つというのが大事。今は2番目の失点の少なさ。失点を今まで通り抑えて得点できれば理想だが、そうは上手くいかない。オフェンスのチームで、シュート入らなければだめというチームにはしたくない。守りから作っていきたい。
・栁澤(済4=桐光学園)
今日の試合は監督もおっしゃっていたように自分たちで流れを壊してしまって、自分も後半入りの2個のミスで流れがあっちに行ってしまった。自分たちのせいで苦しい試合をしてしまったのは反省点かなと思う。でも最後の部分で頭を出せて勝てることはできたので、それは良かった。(4Q前に心掛けたこと)喋れてないというのはすごく言われていた。3Qと4Qを比べたらやっぱり4Qの方が声が出ていて、DFのミスも少なかった。自分たちがいい時は声が出ているが、だめな時に下がってしまうので、そこは課題かなと思う。(前節から10日空いたが)前の2試合を上位2校とやって、監督のプラン通りにできてあと一歩で勝ちというところだったが、その2試合を一回忘れて、また今週の試合で自分たちのやることをやるというのをずっとやってきた。今日のゾーン対策もずっとやってきた。いいシュートも打てていたので、練習の成果が出たのかなと思う。(明日に向けて)明日も勝率が同じくらいのチームで負けられない戦いが続くと思うので、また勝てればなと思う。
・ラシード(済4=越谷西)
今日は2ピリまでの前半戦は相手の好きなことをさせてしまって、相手にスリーポイント決められたりとか点を取られてしまっていて、自分たちのオフェンスができてなかった。でも、3ピリ、4ピリから入っていって徐々に相手の得点が止まって、自分たちの得点が伸びていった。(前節からの間に取り組んだこと)相手がずっとツースリーというゾーンをやってくるとわかっていたので、そのゾーンに対してどうやって点を取るかっていうのをずっとやっていた。(4ピリは)接戦になると思った。最初にガード陣が前から当たってくれてイージーに点を取ってくれた。最後のフリースローはファールが来ると思ったので、三本もらったら三本決めるっていう感じで詰めていった。(明日に向けて)明日も絶対落とせない試合なので明日も勝って、上の入れ替え戦だったりとか1部に昇格することを考えて、ほんとに明日はワンプレーワンプレーを考えてやりたい。
TEXT=齋藤洋 PHOTO=渡部穂乃花、風間紫穂