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第25回関東大学女子駅伝対校選手権大会
9月29日 印西市千葉ニュータウン周回コース
総合5位 東洋大 1:41' 53(29.9km)
1区(4.8km)伊東明日香 16'25(11位通過・区間11位)
2区(3.3km)渡辺早紀 11'08(8位通過・区間9位)
3区(5.6km)田浦英理歌 18'36(6位通過・区間4位)
4区(3.9km)後藤藍子 13'27 (6位通過・区間6位)
5区(6.7km)和田美々里 22'39(4位通過・区間3位)
6区(5.6km)白川恵理菜 19'38(区間10位)
レース後、全日本5位入賞への抱負を語った。
第1中継所 1区・伊東(左)→2区・渡辺(右)
3人抜きの好走を見せた渡辺
安定した走りでチームを引っ張る田浦
第3中継所 3区・田浦(左)→4区・後藤(右)
第4中継所 4区・後藤(左)→5区・和田(右)
第5中継所 5区・和田(左)→6区・白川
ゴールテープを切った白川
厚い雲が覆う空の下、第25回関東大学女子駅伝対校選手権大会が開催された。10月に開催される第37回全日本大学女子大学駅伝対校選手権大会(以下、全日本)への出場権を懸けたレースに、東洋大は下級生が多いなか出場。初出場の選手が多いながらも、5位でゴールした。大きな経験値と全日本への出場権を同時に獲得した。
昨年に引き続き2年連続で1区を務めた伊東(食2=順天)は、スタートから先頭に立ち集団を引っ張った。後半に順位を落としてしまい11位となったが、積極的なレースでチームにタスキをつなぐ。これを受け、東洋大は怒涛の追い上げを見せる。2区を走る渡辺(食2=新潟中央)は大学初の駅伝出場にもかかわらず、今大会最短区間の3.3kmの間に3人を抜き去り順位を8位に上げる。続く3区の田浦(食2=ルーテル学院)も「駅伝初めての選手が2区と4区にいたので負担をかけないように自分が頑張ろうと思って走った」と話す通り、安定した走りで2人を抜き6位で4区へとつないだ。
4区を走ったのは出場メンバーで唯一の1年生、後藤(食1=須磨学園)だ。「どんな大会かイメージがつかなくて」と話した後藤だが、最後まで順調にペースを保ち前の東農大との差を16秒に縮める。そのタスキを受け取った5区の和田(食3=順天)は区間3位の会心の走りを見せる。2人を抜き、既にシードを獲得している3校を除きトップの4位へと浮上した。そしてアンカーを任された白川(食4=常総学院)は後ろを走る中大に抜かれるも「仙台につなぐ」という思いでゴールまでタスキを運び、全体5位でフィニッシュ。見事、7年連続7回目の全日本への切符を獲得した。
故障者が多いなかで臨んだ今大会を、永井監督は「前半から流れに乗らないとダメだと改めてわかったレース」と振り返る。駅伝初出場の下級生が経験を積んでいき厚くなった選手層、これを味方につけ全日本では5位入賞、3年ぶりシード獲得を目指す。
■コメント
・永井監督
1区2区は少し出遅れることは覚悟をしていたのでそれほど焦らなかったが、3区の田浦と5区の和田でどれほど貯金ができるかというレースになるだろうと。思っていたとおりの展開だったと思う。(区間配置のポイントは)本来は全然違う配置だったが、故障をしていて経験のある選手と、1・2年生で練習のできている選手とどちらを選ぶとなったらやはり元気な選手だと思った。4年生には控えに回ってもらって思いきって2年生と1年生で前半のオーダーは組んだ。後半は白川につなぐというオーダーを組んだ。(今後4年生の出場は)それほど大きい怪我ではなく練習もできていないわけではないので、本人の不安がなくなって練習が始められれば今日走った下級生と先輩と、層が厚くなって臨めるのかなと思う。怪我なので1日1日確認しながら丁寧にやっていければなと。(全日本に向けて)駅伝は前半から流れに乗らないとダメなんだなと改めてわかったレースだった。前半にしっかり良い選手を置いて後半で粘り切る、いうそういう駅伝ができるようなチームの創成をしっかり1ヶ月やって、3年ぶりのシード獲得を目指して頑張りたいと思う。
・1区伊東(食2=順天)
最後上がると思ったのでそこまではついて行って上がったところでどこまで着いて行けるかというレースプランだった。スタートしてからやっぱり誰も出なくて出される状態になってしまっていい感じで引っ張っていたが、曲がるときに後ろに行ってしまった。そのときに前が出て上手く対応出来ず実力不足が出てしまった。去年も1区でその経験を生かそうと思ったが去年は着いて行くだけで、それよりは前で引っ張って積極的なレースで成長できたかなとは思うが、最後対応できないのは実力不足だと思った。2区にたすきを渡すときに本当は「よろしく」と声をかけたかったが元気がなかった。(5位という結果について)全日本で5位という目標があって、まだまだ上に行かないといけないと思うので1カ月しっかりと調整して上を狙っていきたい。
・2区渡辺(食2=新潟中央)
終わった後考えると頭が真っ白で覚えていないが、(伊東)明日香からもらったタスキを少しでも早く(田浦)瑛理歌につなげるように頑張って走った。(大学初の駅伝になったが)前日はすごく緊張していて、当日はそこまで緊張していなくてスタート前またピークがきたが、(タスキを)もらってからもう行くしかないという感じで冷静にいけたかなと思う。(レースプランは)1番短い区間なので他の区間に比べたら全力でいくことだけを考えていて、入りは早く入りすぎないようには気をつけていたが、後はもう全力でいった。(全日本に向けて)全日本もまだ選ばれるかどうかわからないが、もし選んでいただけたら去年よりも良い順位でシードを取れるように走り切れればなと思う。
・3区田浦(食2=ルーテル学院)
1秒でも早く前にたすきを渡して後半の選手につなげられるように走った。前半落ち着いていけたのでよかった。駅伝初めての選手が2区と4区にいたので負担をかけないように自分が頑張ろうと思って走った。1区の伊東とは2区の渡辺は初めてなので駅伝経験者として負担をかけないようにしようと話していた。(5位という結果について)途中で故障者がたくさん出ていたので、チーム的にはピンチだったが次につなげれる走りができたと思うので頑張りたい。(全日本へ向けて)チーム目標の5位を突破できるようにこれからも1秒でも前にたすきを渡せるようにこれからも頑張りたい。
・4区後藤(食1=須磨学園)
初めての駅伝で今までの映像とか色々見たんですけど、実際にはどんな大会なのかっていまいちイメージがつかなくて、とりあえず一km一kmを大切に自分でタイムを測りながら自分のペースでいこうと思った。(レース展開は)前と後ろが10秒20秒開いていて、冷静に走れたのはよかったけど、次の人につないだりチームのことを考えたり、区間のタイムを見ても前半から攻めた走りができなくてあまりチームには貢献できなかったので悔しい。(大学に入って初めての駅伝だったが)走る前から自分がどのくらい他の選手と戦えてどのくらいチームに貢献できるかっていうのが楽しみな気持ちと、初めてで緊張する気持ちが半々くらいだったけど、付き添いの先輩であったり前で走ってくれる先輩だったり、沿道で応援してくれてる先輩や同期がいて、色々な方に応援していただいて楽しく走れた。自分の結果は悪かったけど、全日本につなげることができて良かった。(全日本へ向けて)初めてなので前年度の駅伝と比較することができなくて今の状況で全日本へ向けてどうなっていくかとかもいまいちわかんないけど、このままでは全日本で5位というのは今の状態では難しいと感じたので、自分自身今回を反省して次走らせてもらえたら、チームに貢献できるようにあと1カ月でもう一度気を引き締めて頑張っていきたい。
・5区和田(食3=順天)
今日はとにかくチーム状況も良くなかったので、全日本にしっかりとつなげようと思って走った。(レースプランは)とにかくどんな順位でもらっても前を追って、少しでも順位を上げるというのを目標にしていた。(今日のコンディションは)絶好調というわけではないがそんなに悪くもなかったので、前に追いつける範囲に違うチームがいたので焦らずに少しずつ詰めていこうと思って走った。(チーム全体を振り返って)監督からもあったが、故障者が多いなかであまり良い状況ではなかったからこそ自分がしっかりみんながつなげてきてくれたものを、さらに順位を上げてアンカーにつなげられたらいいなと思っていた。(全日本に向けて)全日本駅伝ではしっかりチーム全員が調子を合わせて、応援してくれた方へ結果で恩返しができるようにしたい。
・6区白川(食4=常総学院)
(今大会までにどんな練習をしてきたか)関東インカレのあたりからけがが長引いてしまっていた。8月とかも全然思うような練習が積めていなくて、9月になってやっとみんなと一緒にスピード練習に入れるようになった。急ピッチで仕上げて、試合も今回の駅伝を走るかどうかということを言われていた。おとといに走るということが決まって準備もバタバタした。準備不足というかまだまだけがの期間も長かったし急ピッチで仕上げたというところで全然自分の納得のいく走りはできなかった。とりあえず仙台につなぐという思いと後輩たちから受け取ったタスキをゴールへ運ぶということを思って最後まで走った。(レースを振り返って)すごくきつくて、レースも全然出てなかったのでこれを機にしっかり全日本で自分の納得いく走りができるようにしていきたい。(6区を任されたが)けが人がどうしても出てしまって、同い年の山口も駅伝ギリギリになって足が痛いということで変わるということになった。本来だったらもっと違う区間だったかもしれないが、6区アンカーということで自分の中では5.6kmというのはレースをしてなかったのでとても長く感じた。これをきっかけに全日本につなげられたらいいと思う。(全日本5位に向けて)チーム目標が5位であるのでそれに向けてやっていきたい。関東予選で5位から全日本で5位というのはすごく難しいと言われると思うが、目標は高く持ってしっかりチーム全体で底上げしていい結果を出していきたい。
TEXT=水越里奈 PHOTO=稲村真織、小島敦希、両角あずさ、長枝萌華