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2019.10.02
硬式野球

[硬式野球]優勝へ早くも黄色信号 タイブレーク3戦目にして初敗戦で勝ち点はお預けに

東都大学野球秋季1部リーグ戦・駒大2回戦

10月2日(水) 神宮球場

●東洋大3-4駒大(延長十回よりタイブレーク)



10
駒大
東洋大


(東洋大)

野木、河北、松澤、●山下雅(1敗)-佐藤都


・打撃成績

打順守備名前
(中)
松本(営1=龍谷大平安)
(二)
小林直(法3=八戸学院光星)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山﨑基(営3=愛工大名電)

山本(法3=作新学院)
(左)小峰(営4=帝京)
(一)諏訪(総3=浦和学院)
(右)納(総3=智弁学園)
(遊)木村(総2=霞ヶ浦)

佐々木(営2=帝京)

小川(法3=霞ヶ浦)
(三)津田(総4=浦和学院)


3611


・投手成績


球数四死球三振失点
野木(営4=九州国際大付)58
河北(総1=浦和学院)2 2/356
松澤(営1=帝京)2 1/327
山下雅(営4=東邦)25



先発のマウンドに上がった野木


松本はマルチ安打を記録した


九回の猛攻に湧くベンチ


 自力優勝には連勝での勝ち点奪取が必須条件のチームだったが、先発の野木(営4=九州国際大付)が初回に失点。その後、マウンドに上がった投手陣もそれぞれ1失点と終盤までビハインドのゲーム展開に。試合は九回に連打で追いつくも、2戦連続のタイブレークの末に3対4で敗れた。


 チームの命運をかけたマウンドには野木。「調子自体があんまり良くなかった」の言葉通り、2番・林琢(駒大)と菅(駒大)に連続四球を与え、2死一、二塁で平野(駒大)を迎える。野木が投じた5球目、「打たれたのはスライダー。自分で首を絞めてしまったし、余計な1点だった」と悔いる痛恨の1点を与えてしまう。その後は落ち着きを取り戻し、3回1失点でマウンドを降りた。続いてマウンドにあがったのはこれまで終盤での登板が多かった河北。「四球が良くない」とこちらも野木と同じく制球面の課題を挙げ、2・2/3回1失点でマウンドを降りる。


 試合終盤に向け失点の許されない場面で松澤(営1=帝京)がマウンドに上がる。六回途中からの登板すると「今季で1番調子が良かった」と言う言葉の通り、得意のツーシームを低めに制球する持ち前の投球術でアウトを積み重ねる。快投に球場が安心の眼差しを向けた八回、駒大の主砲が火を噴く。菅を三振に打ち取り迎えたのは鵜飼(駒大)。「リーチがあるから届いたんだと思います」と沈んだ表情で語った一球は弾丸ライナーでバックスクリーン横へ。小さく動く球が持ち味の松澤が、カットボールを運ばれる悔しい結果となった。最終回には新守護神として杉本監督から名前が挙がった山下雅(営4=東邦)が三者連続三振に。タイブレークで1点を失うものの、4年生投手陣で一番マウンド経験を積んでいる男がこの日の投手陣でも存在感を放った。


 山下雅の好リリーフから流れを得た打線は九回に同点に追いつくも、その後続かず。延長十回には竹本(駒大)の牽制悪送球で一時は無死一、三塁の好機に。サヨナラ勝ちまで持ち込めるかと思われたが、最後は納(総3=智弁学園)の左飛の間にスタートを切った二塁走者が、三走の山本(法3=作新学院)の生還より早く刺殺され生還が認められず。紙一重で同点の好機を逃すとともに、初のタイブレーク敗戦となった。


 この日の敗戦により開幕から3カード連続3回戦と他チームよりも多い試合数に。自力優勝の可能性が消滅した今、連覇へ向け敗戦は許されない。次戦は序盤から終止駒大を圧倒する王者の貫禄ある試合展開を期待したい。


■コメント

・杉本監督

なんであそこでセカンドランナーがスタートしなければいけないのか。行きたい気持ちはあるけど、あの場面は点に関係ないですよね。結果的にはスライディングしとけばねって話ですよね。よく追いついた。いいところだけは明日に残していければ。インコースを攻められて打たせられてしまった。内側から入ってくるインスラにやられた。明日の投手陣もつないでつないで。打者が打たないといけない。だからこそ最後のつながりは良かったかなと思う。でも4番5番がさっぱりなので打順をいじることも考える。明日もまたもつれそう。タイブレークは初めて負けたと思います。結構打ってることには打ってるんですけど。とにかく切り替えて明日頑張ります。


・津田(総4=浦和学院)

勝てる試合でしたね。そういうのを落としたのは痛いというか…。そういう中でも最終回の粘りは良かった。明日は初回からそういう攻撃をやっていけたらと思う。九回の打席で打ったのは直球。特徴的なピッチャー以外は直球を狙ってますね。そこから変化球にシフトしていくくらいの感覚なんですけど、今日はしっかり反応ができていたと思います。明日に向けては、とりあえず今日の追いつく時の雰囲気は良かったので寮に帰ってからみんなでしっかり考えて明日に繋げたいと思う。


・小峰(営4=帝京)

全部自分のせいです。タッチアップしかり、打てなかったことしかり。外野手の体勢が悪かったので行けると思ったんですが。もう明日打って返すしかない。


・野木(営4=九州国際大付)

調子自体はそんなによくない感じでした。立ち上がりから二者連続で四球出してしまって。その後の打者にスライダーを打たれて、余計な1点につながってしまった。とくに力みとかはなかったですね。今日勝ちたいっていう思いが強くて。それが自分で自分の首を絞める結果になってしまったのかなと。今日は全体的にフォークでカウントとったり、決め球としても使ったりしてました。1戦目は村上が頑張ってとってくれてるけど、2戦目を落としてしまって3試合までいく悪い流れになってますね。


・山下雅(営4=東邦)

(143キロ)を計測昨日休んだので肩が軽かっただけです。明日はこんなに球速は出ないと思います。また明日あるので。勝つしかないです。


・小林直(法3=八戸学院光星)

前半は結果が出なかったけど、打撃内容は悪くなかった。チャンスで一本出ないところなどチームとして治すべきことはたくさんあるけど、とりあえず明日勝つしかないから切り替えが大事だと思う。打線が打てないのはもちろん事実だけど、継投で出てきた投手がいきなり四球スタートになってしまうと厳しい。明日も打つしかない。いつも3点とか4点だからあともうひと押し。5、6点取りたい。


・河北(営1=浦和学院)

無駄なところで四球を出してテンポが悪くなったのが反省点。直球は割と良かった。その中で、変化球でリズムを作ってやっていきたかったのにそれができなかった。次の登板ではそういうところをしっかりとやっていきたいと思う。


・松本(営1=龍谷大平安)

リーグ戦入ってからあまり打ててなかったのがここに来て上がってきた。これまではチャンスであまり打てなかったけど、良い場面で打てたと思う。空き週などで逆方向に打っていく練習をしていて、両方ともレフト前だったので成果が出たと思う。チームの雰囲気は最終回には良い雰囲気で追いつけた。でも、そこでもう一押し行けなかったのが欠点。少し沈んで来てると思うので切り替えが大事だと思う。明日はもっと打って、チームの勝利、勝ち点を取れるように戦っていきたい。


・松澤(営1=帝京)

今シーズンのなかで一番といっていいぐらい、調子自体はよかった。簡単に2ストライクを取りに行こうとしてしまったのが良くなかったですね。ホームランを打たれたのはカットボール。相手打者が一番体が大きくて、腕も長くて届いてしまった感じですね。1戦目で村上さんが頑張ってとってくれてのに、申し訳ない気持ちです。明日投げる機会があったら、ゼロで抑えたい。


TEXT=須之内海 PHOTO=齋藤洋、谷口遥菜、須之内海