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第273回日本体育大学長距離競技会
10月6日(日) 日本体育大学健志台陸上競技場
男子5000m
20組
10着 大澤 14'04"39
12着 定方 14'08"81
13着 児玉 14'13"59
14着 西山 14'13"82
18着 古川 14'15"95
20着 今西 14'17"40
24着 前田 14'23"55
32着 中村 14'54"32
33着 荒生 14'57"40
35着 飯島 15'28"12
DNS 渡邊
DNS 鈴木
DNS 蝦夷森
21組
11着 相澤 13'50"19
20組でチームトップでゴールした大澤
定方は自己ベストを大幅に更新した
13分50秒と予定通りの走りをした相澤
第31回出雲全日本大学選抜駅伝競走(以下、出雲)前最後のレースである日体大記録会が行われた。エース相澤(済4=学法石川)を始め、5000mに出雲エントリーメンバーが多数出場。その中でも20組でチームトップの走りを見せた大澤(済3=山形中央)、チーム2着となった定方(工4=川棚)が自己ベストを大幅に更新した。
5000m20組ではスタートと同時に西山(総3=東農大二)が先頭に立ちレースを引っ張る。その後ろに大澤、定方、今西(済4=小林)、児玉(済1=東北)など出雲メンバーが続く。そんな中、1000m付近で大澤が転倒するというアクシデントが起きた。それでも大澤は「きつくなったが落ち着いて走ることができた」と集中力を切らさない。2000m付近では、先頭が西山から定方に変わり先頭集団を引っ張る。定方はこの夏、チームを離れ別のところで合宿をし、走り込みを行っていた。「しっかり押していけるという手応えはあった」という言葉通り定方は、積極的に前へ出てレースを作っていく。3000mを過ぎると帝京大の集団がペースを上げ、東洋大の選手たちはそれを追う展開となる。「3000m以降はペースアップできていなかった」と谷川コーチは課題を挙げた。それでも東洋大らしい粘りの走りを見せ、大澤と定方は設定タイムの14分10秒を切る自己ベストをたたき出した。
21組にはエースの相澤が出場。「(スタート時)内側だったので前の方に行くと先頭を引っ張らなければいけないのであえて後ろから行った」とレース序盤は後方から様子をうかがう。徐々にペースを上げていき10着でゴール。タイムは予定通りの13分50秒で狙い通りのレースを展開した。相澤は「出雲では区間賞を取れていないのでキャプテンとして、エースとして取りたい」と意気込みを語った。
出雲まで1週間を切りいよいよ駅伝シーズンが開幕する。駅伝3冠を狙う東洋大がまずは出雲優勝を狙う。
▪️コメント
・谷川コーチ
(レースの位置付けは)出雲メンバーが主に出た。出雲に向けて1つのステップとして、走って体が動いてくれれば、体調が上がってきてくれればいいと思っていた。メンバー選考も多少兼ねていた。(実際のレースを振り返って)3000m以降が思ったより押せていなくて、ペースアップできていなかった。まだ疲労もあるし、今レース追い込んだことにより、より押せるようなレースになっていければいいと思う。(大澤選手、定方選手について)大澤は前半にこけて背中を打っていたがその中ではよく立て直して走れたと思う。定方もペースが落ちたところでペースメイクをしながら抑えた方だと思うが、もう少し最後上がってほしかった。(相澤選手について)相澤は本人も13分50くらいで無理せずにいきたいということだった。プラン的には出雲を考えるとちょうどいい走りだったと思う。(出雲に向けて)ここから体調が上がると思う。今レースの結果で危機感を持ってやれると思うので、出雲に向けてはこれから状態を上げていきたい。
・相澤(済4=学法石川)
今レースは出雲の調整ということで13分50秒から55秒あたりを狙って走った。内側だったので前の方に行くと先頭を引っ張ってしまうと思ったので最初はあえて後ろからいって徐々に上げて行けばよいと思っていた。思った通りに走れた。涼しかったので走りやすかった。思ったより集団のペースが速かったが終始余裕をもって走れたのでよかった。(日本選手権以来の5000mだが)その時よりは練習がしっかりできていた。日本選手権のときはいっぱいいっぱいだったが足のスタミナもあのペースでも余裕があった。タイムは自分が思っていた通りで走れたのでよかった。(夏合宿では)走り込みもそうだがフィジカルに特に力を入れてやってきたのでその成果が出たと思う。(出雲へ向けて)個人としてはまだ出雲駅伝で区間賞を取れていないのでまずはキャプテンとして、エースとして区間賞を取りたい。チームとしてはやはり優勝を狙っているので、全員が区間賞を狙う気持ちで1区からいい位置で走りたい。駅伝はやはり流れが大事だと思うので序盤から攻めの走りが出来ればよいと思う。
・定方(工4=川棚)
(今レースに向けての準備は)この夏は最後の夏だったのでしっかり走り込もうと思い、夏休みにチームから離れて別のところで合宿をしていた。その間チームのみんなにも自分が不在で迷惑をかけたり監督も快く送り出してくれたりしたので、その時にお世話になった方々のためにもしっかり結果で恩返ししたいなと思っていた。チームに戻っても、結果を出すためにだいぶ走り込みや補強などを中心にだいぶやってきたので、しっかり結果をだして出雲に出たい思う。(レースプランは)練習だと400mを67~68秒くらいでしっかり押していけるという手応えはあったので、先頭で引っ張ってくれなければ自分が前に出てしっかりレースをつくっていこうと思っていた。(自己ベストについて)本来ならば東洋の記録として13分台は出さないといけないと思っていたが、ようやく14分10秒を切ったということで、なんとか駅伝メンバーに絡めるかなと手応えはある。(収穫は)自分でレースをつくれたということと、ベストが出せたということ。(課題は)最後の2周でだいぶ3年生の大澤に離されてしまったので、そこの追い込みが課題だなと思う。(出雲に向けて)東洋は出雲優勝を狙っているので、メンバーとして貢献できるように1週間調子を上げて優勝目指して頑張っていきたい。
・大澤(済3=山形中央)
14分10秒の設定タイムだったので、それに合わせられるようなレースとそのなかでも少し余力を持てるように走ることを意識した。最初は余裕をもって走っていたが途中の1000m付近で転倒があってきつくなってしまった。しかしそこから落ち着いて集中して走れたので後半上げることができた。(自己ベストだが)高3のときのベストなので更新しないといけないと思っていた。出さないといけない、出すのが前提で臨んでいたので良かった。(夏合宿で意識していたことは)今年は距離というよりは距離とスピードの両立をやってきている。30kmはあまりやらなかったがダウンとかの距離を稼ぎながらもポイントを2分50秒を切るとか、速いペースでの練習もしてきた。レースを想定したところも上がってきたと思う。(出雲へ向けて)これから自分の体はチームの体というふうにもっと敏感になってくる部分もある。また応援してくださる人たちの期待の部分も大きいので、その部分も汲み取ってしっかり走って出雲で勝って、その後の全日本、箱根へと弾みをつけていきたい。
TEXT=小島敦希 PHOTO=長枝萌華、水越里奈