Article

記事


2019.10.16
硬式野球

[硬式野球]逆境からの連覇へ スポーツ東洋中間展望

 開幕カードでは天気に恵まれず、全4試合(うち1試合雨天ノーゲーム)と苦しみながらも立正大から勝ち点を奪取。その後は3戦目までもつれる展開になるが、2カードで勝ち点を落とし獲得した勝ち点は1、勝率.444で3位に位置している。ここからの巻き返し優勝は可能なのか。負けられない試合のキーマンとともに今後のリーグ戦をスポトウ独自の目線で見ていく。


〜第2先発に注目〜

今後の快投に期待のかかる野木


 投手陣はここまでエース・村上(総3=智弁学園)が3勝2敗、その他の試合では1勝3敗と村上がマウンドを降りた後や第2戦での敗戦が目立っている。その一方では中継ぎ陣の最小失点で切り抜ける姿も見られ、成績ほど大荒れの試合は少ない。そんな中、投手陣の今後の注目は「村上に頼りきりにならないように」とシーズン前に語っていた野木(営4=九州国際大付)と内池(総3=桐生第一)だ。


 それぞれ先発登板が2試合ずつ。野木は中継ぎでの登板もあり、ブルペン待機もこなし大車輪の活躍と言っても過言ではない。今後の両投手に期待されるのは、より長いイニングの投球だ。内池は起用法から打者一巡限定登板となっており、最長3イニング。「1人1球が最高ですよね」と超省エネを掲げる左腕が指揮官の期待を超える投球を見せれば、より長いイニングを投げ投手陣の負担が軽減するのは間違いない。また野木も最長3回だが、ここまでの起用法からは打者一巡などの縛りは見受けられず。試合展開による継投と見受けられるだけに、流れを渡さない投球を披露できるか否かが起用の肝となっている。残りの2カードでの両投手の奮投に期待したい。


〜一発長打の一塁手求む〜

今後の廣岡に注目だ


 野手陣でここまでチームを牽引(けんいん)しているのは諏訪(総3=浦和学院)と小林(法3=八戸学院光星)だ。諏訪はチームトップの打率.364をマーク。守備面での活躍以外でも存在感を遺憾なく発揮している。また、守備でのイメージの強い小林も今季は打撃で猛アピールを見せており、「前半の打席は集中できている」とチームの特徴である前半での攻撃に一役買っている。


 ここの成績は良いものの今一つ勝ちきれない要因としては、長打力不足にある。今季は山田(総4=桐生第一)を欠く戦いとなっており、一発不足による得点力の低下は想定されていたが得点圏での一本に乏しい。直近5試合でわずかに3本と苦しい状況が続く。


 打線のテコ入れが必須だが、候補として上がるのは一塁手の起用変更だ。「シーズンインの前にどこでもやると伝えた」と諏訪が語っている以上、長打率の高い廣岡(総1=拓大紅陵)やパワーに定評のある酒巻(営3=成田)らを打線に組み込む構想も首脳陣にあるだろう。空き週を挟んだ国学大戦ではどのような顔ぶれで挑むのか注目だ。


〜優勝へ向けて〜

 ここまでわずかに勝ち点1だが優勝の可能性が完全消滅したわけではない。中大が第6週(以下、今カード)で勝ち点を逃した場合のみ優勝が可能となる。今カードで中大が連敗もしくは1勝2敗に関わらず勝ち点を落とし、東洋大が今カードで勝ち点を取り第7週の中大戦で連勝をすれば勝ち点3で並び勝率差で上回ることが可能である。


 一度は遠のいた頂きへの道のりもわずかに開いた。空き週でここまでの課題を克服したであろう選手たちが、国学大相手に力を発揮できるか。戦国東都の後半戦の動向にぜひ注目して欲しい。


TEXT=須之内海 PHOTO=谷口遥菜、川口朋珠