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2019.10.18
硬式野球

[硬式野球]河北連投もなんのその 5回無失点で先発初勝利挙げる

東都大学野球秋季1部リーグ戦・国学大3回戦

10月18日(金) 神宮球場

◯東洋大7-2国学大


国学大
東洋大×


(東洋大)

河北、山下雅、村上-佐藤都

二塁打:小林直(一回)、津田(四回)

本塁打:佐藤都(八回)


・打撃成績

打順守備名前
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(二)小林直(法3=八戸学院光星)
(左)小峰(営4=帝京)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山崎(営3=愛工大名電)
(右)諏訪(総3=浦和学院)
(一)酒巻(営3=成田)
(遊)木村(総2=霞ヶ浦)
(三)津田(総4=浦和学院)


29


・投手成績


球数四死球三振失点
河北(総1=浦和学院)92
山下雅(営4=東邦)27
村上(総3=智弁学園)33


先発初勝利を飾った河北


小峰の打棒が光った


適時打でチームを鼓舞する諏訪


 勝ち点をかけた国学大3戦目。スタメンを告げるアナウンスの最後に呼ばれたのは、先発の河北(営1=浦和学院)。2戦連続で先発のマウンドに上がると、この日も5回無失点と好投を披露し勝ち投手に。打線も応え、得点を重ね7対2で勝利を収めた。


 「思ってたより朝の身体の状態は良かった」と自身初の公式戦先発のマウンドから一夜明け、再び先発投手として登板した河北は語った。この日は前日の試合と一変して打たせてとる投球を披露。その中で軸になったのは「スライダーとツーシーム」だ。小さな変化をつけ、早いカウントから打たせることで対戦打者21人中6人を3球以内で調理した。ピンチらしいピンチが訪れたのは勝ち投手の権利をかけ登った五回。先頭を切るも高本(国学大)に中安を浴びる。続く、小川龍(国学大)も右安かと思われたが、打球が走者に当たり、走者が入れ替わる形に。その後、連続四球で2死満塁とするも、最後は渾身の一球を投じ中飛に抑えるとマウンドを降りた。その後は3番手で登板した村上(総3=智弁学園)が被弾するものの、最後の打者を三振で仕留めゲームセット。国学大から勝ち点を奪取し、入れ替え戦の可能性を完全に消した。


 この2戦での先発は決して苦肉の策ではなかった。今季は日程の関係で空き週が2週発生しており、その2週間でチームは社会人相手にオープン戦を決行。この2戦で先発として5回を投げ抜き、試合を作っていたのが河北だったのだ。「やらせてもらえるからには結果を残したい」と以前から胸に誓っていたこの男の想いが実った。


 先発へ転向することで「小さく動かしたり、緩急をより使ったり」と投球の幅も広がった。今春の活躍が大きく、忘れられがちだがまだまだ大学1年目。河北の先発経験はチームにとって大きな収穫の秋となるだろう。


 「2部だけは嫌だった。嬉しい」(津田)。第6週まで4チームに入れ替え戦の可能性が残されていた今季だったが、ようやく入れ替え戦候補から離脱した。残りの中大戦は村上を起用せず、来季以降を見据えた起用にすることを杉本監督は明言しており、どのような布陣で挑むのか注目したい。


■コメント

・杉本監督

入替戦が無くなった。これでゆっくりできます。村上を抑えで使いましたが、勝ったら中大戦は外すから頑張れと伝えました。4年生の気持ちが見えた。山田にいい知らせができる。笑い話にできましたね。最下位になってたらこの4年間、十字架を背負っちゃいますよね。それぐらい厳しいところで試合をしているので、残れてよかったです。春は出来過ぎで、リーグ戦に入る時に、この一年はしのがなきゃいけないと思っていた。それが言い形になって完全優勝。戦力は何も変わっていない、しのがなきゃいけない戦力なので。来春は違った東洋大学で帰ってこれればと。自分の中で来年のことも考えている。国学大と中大が強いと思っていたので、春はその二つが最初で、そこに全勢力を傾けたのがいい形になった。今回は最初の立正亜細亜駒澤で2つ取らなきゃいけないと考えていたところを1つで。危機感はあった。駒澤、亜細亜に負けた時が一番悶々とした。国学大戦になって開き直れたので。今の4年は下位争いしたことがない。こちらがいくら言っても経験しないとダメなので。そういう意味ではいい勉強になったと思います。


・河北(営1=浦和学院)

2戦連続の先発だったけど、今日の朝は想定よりも疲れは残ってなかったですね。全くないわけではないですけど、身体のコンディションとしては良かったと思います。今日の良かった球はスライダーとツーシーム。小さく動かして少ない球数で打ち取れたり、スライダーで変化球を取れたり。有効的に使えたと思います。試合の中でポイントとなったのは初回。昨日と同じでしっかり0で入ること、三者凡退で入ることを意識していたから抑えられてよかったし乗っていけたと思う。佐藤さんのドラフト会議は昨日、先輩たちと見ていた。個人的にはバッテリーを組ませていただいてますし、心の底から嬉しかったです。昨日は決まる前の佐藤さんと組んでて、今日は決まった後に投げさせてもらえたのは何かの縁ですかね(笑)。自分自身は初先発よりも気持ち的に落ち着いてました。今後は次のカードも先発するかは分からないですけど、するなら良い投球をしたい。これからに向けては来年の自分のポジションがどうなるか分からないけど、村上さん1人に頼らなくて良いようにしっかりとチームに貢献したい。1年生全体としては来年はもっと主力でやっていくことになると思うので、自分たちの代でもチームを盛り上げていけるようにしたい。


・津田(総4=浦和学院)

(入替戦回避)2部だけは嫌だったのでとりあえず嬉しいです。(昨日から5打席連続出塁)ボールは見えてます。調子がいいですね。出塁できてるということはチームに貢献してるということなのでよかったです。4年生で勝てました。ラストシーズンなので他の学年より気持ちは入ってると思います。昨日も、4年の最後の意地を見せてやろうという気持ちだったので。都志也のホームラン、すごかったですね。ベンチで、狙っていいんじゃないかなって言ってたら直後に飛んで行きました。狙ってホームランを打てるあたり、さすがだなと。河北はよくゲームを作ってくれました。村上に負担がかなりかかっているので、河北のような先発が出てくると助かると思う。欲を言えば3人目が欲しい。先発がひとカードに一回で済むように。中大戦がラストなので、いい野球、東洋らしい野球で勝ちに行きます。


・小峰(営4=帝京)

昨日とかは調子あんまりだったけど、今日色々と修正したらいい方向にいきました。スタンスを変えたり、肘が上がる傾向だったのを絞るようにしたり。都志也のホームランでマルチもかき消されちゃいましたね(笑)。でもいい感じにつなげられたのでよかったです。とりあえず入れ替え戦を回避できたのは大きいし、ほっとしました。次戦までの練習で、今回変えた部分を確実なものにできるように。最終戦は勝って勝ち点とって終わりたいです。


TEXT=須之内海 PHOTO=谷口遥菜、齋藤洋