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2019.10.23
硬式野球

[硬式野球]「来季に向けての布陣」初戦敗れるも初の1年生リレー披露

東都大学野球秋季1部リーグ戦・中大1回戦

10月23日(火) 神宮球場

●東洋大0-3中大


東洋大
中大×


(東洋大)

●松澤、羽田野、渡邊-山崎

三塁打:佐藤都(三回)


・打撃成績

打順守備名前
(右)佐藤都(法4=聖光学院)
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(左)矢吹(総1=聖光学院)

打三斎藤(法3=東洋大牛久)
(指)廣岡(総1=拓大紅陵)
(捕)山崎(営3=愛工大名電)
(二)諏訪(総3=浦和学院)
(一)芦名(総2=木更津総合)
(三)木村(総2=霞ヶ浦)

小川(法3=霞ヶ浦)
(遊)牧(法2=帝京三)

納(総3=智弁学園)


347



・投手成績

名前球数四死球三振失点
松澤(営1=帝京)89
羽田野(法1=汎愛)12
渡邊(総1=報徳学園)




5回1失点の好投を魅せた松澤

羽田野の今後に期待がかかる


マルチ安打を放った松本


 ついに迎えた秋季リーグ最終カード中大1回戦。松澤(営1=帝京)が今季初先発のマウンドに立つと、5回まで無失点に抑える。しかし六回に1点を失うと、初登板の羽田野(法1=汎愛)も2失点。野手陣も打撃で投手を援護することが出来ず、中大戦は0対3で敗戦を喫した。


 この日の先発は今年抑えとして起用されていた松澤。「先発でいくことは日曜から言われていた」と右腕は準備万端。初回から三者凡退の好スタートを切ると、四回には中軸を三者凡退に打ち取り、この日スタメンマスクを被る山崎(営3=愛工大名電)とハイタッチ。見事五回まで無失点の好投を魅せる。しかし六回、9番・坂巻(中大)に右中間二塁打を放たれ、場内に緊迫感が漂う。犠打を許し三塁へ進ませると、2番・五十幡(中大)の犠飛で1点を失った。「インコースが高めに入り、甘さが出てしまった」と天を仰ぎ猛省。6回を投げ切り、後続へと託した。


 「大砲のような球を投げるらしい」と選手間でも期待されていたルーキーがようやく頭角を表した。七回から羽田野がマウンドに上がる。入学後から怪我をしていたため、この日が初の実戦登板。先頭打者に安打を許し、さらに犠打で二塁へ。得点圏に走者を背負い一段とギアを上げると、電光掲示板に145㌔の数字が浮かび上がる。2死一、二塁となり打順が1番に戻ると、中川(中大)に走者一掃の適時二塁打を放たれ2失点。久しぶりの打者相手の投球に「厳しいところを攻めきれなかった」と肩を落とした。その一方で、「来年以降は自分たちの代で引っ張っていけるように」とすでにこの男は来春を見据えている。冬の間に鍛錬を重ね、さらにパワーアップする羽田野に目が離せない。


 打線は9回7安打と勢いがあと一本及ばなかった。三回、この日1番右翼手として出場の佐藤都(法4=聖光学院)が右線二塁打で出塁。つづく松本(営1=龍谷大平安)も中安を放ち二、三塁に。この好機で矢吹(総1=聖光学院)、廣岡(総1=拓大紅陵)が打席に立つも凡退。だが、八回に再び好機が訪れる。代打の斎藤(法3=東洋大牛久)が初球を捉え中前安打を放ち、つづく打者も連続安打で満塁に。しかし、今季好調の諏訪(総3=浦和学院)が三振に倒れ、得点に結びつかずスコアボードに0を並べた。


 来季を見据えたスタメンで挑んだ最終カード初戦。投手層に頭を抱えていたチームだったが、期待の新戦力が狼煙をあげた。「一日でも長く四年生と一緒に野球をやりたい」。そのためには明日、白星を上げることが必要不可欠だ。最上級生へ向けた感謝の気持ちを伝えるためにもチーム一丸となって戦ってほしい。


◼️コメント

・杉本監督

何も言うことはないですね。来季に向けて、といったところ。普段出番がない選手に機会を与えました。結果を出してみろ、と。結果が出ないにしろ、経験ですから。打てなかった経験、例えば直球に負けたのなら強く打ち返す練習をしなきゃいけないですよね。そういう意味です。客観的に自分を見れる機会ですね。(羽田野の初登板)経験ですね。この経験を彼がどう生かすかです。松澤かあれぐらい投げられるのは分かっていることだし、河北もそう、渡邊もしかり。明日も新しい一年生投手をメンバーに入れます。同じような形で、機会を与えてみたいと思います。


・斎藤(法3=東洋大牛久)

代打の一振りで結果を出せてよかった。初球から振ることというよりかは直球狙いで打席に入って、狙い球が来たから振った。今季は残り2試合だけど、そこでもしっかり自分に与えられた役割や機会を生かしてチームに貢献していきたい。


・芦名(総2=木更津総合)

正直チーム成績に関してはノープレッシャーだったので、いかに自分の結果を出すかというた所でした。一本出てよかったです。ただ、最後の三振もそうですが、速い直球に負けてしまう。負けないようにと力んで打てない。チームのミーティングでもあったけど、速い球をいかに打つかですね。研究していきたいです。(打撃フォームについて)落合博満さんは意識してます。自分のクセである下からバットが出ることの矯正として取り組みました。監督からのアドバイスです。間の取り方は出来てきましたがまだまだです。これから自分に落とし込んで、自分に合うことを取り入れたい。そうしたら今日のライトへのファールもフェアゾーンに飛んでくれるかなと。右に打てるのは自分のストロングポイントなので。三冠王を3回取ったすごい打者なのでこれからも参考にはしていきたい。明日は何としても後藤(中大)から一点取ります。散々迷惑をかけてきた村上さんに最優秀防御率のタイトルをプレゼントしたいです。


・羽田野(法1=汎愛)

入学後からちょっと怪我をしてて、大学入ってからは実戦は初めて。1年ぶりとかですかね。久しぶりに打者を相手に投げたのでコーナーを突く感覚とかが鈍っていた。厳しいところを攻めきれなかったのが今日打たれた原因です。今までの自己最速が147㌔なので、今日の最速145㌔は現段階のマックスに近い。基本的にはストレートを軸に、スライダーやフォークを使って組み立てるのが自分のスタイル。今後は冬の間にしっかりとトレーニングを積んで、直球の質を高めて空振りが取れるようにしたい。来年以降は自分たちの代で引っ張って行けるようにならないといけないから頑張りたい。


・松澤(営1=帝京)

先発で行くっていうのは日曜日から言われてました。調子自体はあんまりよくはなかったけど、全体的に低めに集められたかなと。先発として初めて6回を投げ切ったけど、疲れもそんなになかったですね。基本的に自分は打たせてとるタイプなので。あまり三振数は気にしていなかったんですけど、二者連続で三振をとった時点で三者連続も行けるかなとは思っていました。中軸に対してインコースのまっすぐでいけと監督からも言われていて。いつもは外から内で勝負だったんですけど、今日は強気で攻めました。犠飛もインコースが高めに入ってしまって、そこで甘さが出てしまいました。あれがなければ完璧に抑えられてたんですけど。冬で基礎体力をつけて、三振とれる球種を増やしたいと思います。


・渡邊(総1=報徳学園)

1イニング限定だったけど、しっかりと抑えられて良かった。これといって意識をしたことは特になかったけど、とにかく腕を振ろうと思ってた。復帰初登板でいい結果が出たのは今後に活かせると思う。この冬で今まで以上にしっかりとトレーニングを積みたい。正直、今年は自分の本来の姿とは言えないので。直球も高校時代の最速より落ちてますし。冬の過ごし方をしっかり考えていって、来年の春になったら誰が見ても変わったなって言われるようにしたい。化けるって言うと大げさかもしれないですけどそれくらいになれるような練習を冬にやっていきたい。


TEXT=谷口遥菜 PHOTO=須之内海、谷口遥菜