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昇格後ワーストの5位に終わった秋季リーグ戦。偉大な先輩から受け継いだ王者のバトンをつなぐべく挑む来年度、チームをけん引する4人の幹部陣を紹介する。
第1週目は新主将・山崎基輝(営3=愛工大名電)。常にチームのことを考え、勝利に貢献するために熱心に練習に励んだ。そしてようやくつかんだレギュラーの座。春は指名打者として目標であったベストナインに輝き、優勝の立役者となる活躍を果たした。そんな努力家の男が思い描くチーム像とは。
例年の最上級生からの推薦という形とは異なり、3年生の話し合いで決まった幹部陣。同級生からすぐさま名前を挙げられ、満場一致でこの男が背番号1を背負うことに。「責任感が強いし、捕手だからよく指示も出してくれる」と下級生からも高評価。それに対し山崎は「みんなの気持ちに応えたい」と意を決した。すでに責任感も芽生え、新主将として前進する準備は万端だ。
「人一倍研究熱心で、人一倍練習熱心」。同じ捕手出身である杉本監督が山崎についてこう語る。試合の際の移動時間でさえも、自身の憧れである山田哲人選手(東京ヤクルト)の動画を見てイメージトレーニング。それを自らのバッティングフォームに取り入れるなど準備に余念がない。練習も積極的に行い、徹底的に自分を追い込み続けた。そして3年春、指名打者としてその名をとどろかせると、大学初本塁打を含む2本のアーチを神宮で描き、笑みを浮かべる一幕も。「チャンスで一本」という信条のもと、春はリーグ優勝にも打撃で貢献し見事ベストナインに選出。積み重ねてきた日々の努力は裏切らないことを証明して見せた。そんな姿に仲間たちはこの男にならついていきたいと胸を打たれたのだろう。「プレーでチームを引っ張っていけるような主将に」。言葉よりも自身が懸命に取り組む姿を見せ、結果を残すことでついてきてもらえたらと山崎は考えた。
来季は主将だけでなく、正捕手としてチームをリードする役目を担う。夏季オープン戦からマスクを被るようになり、指名打者とは違う難しさに苦悶の表情を浮かべる日も。しかし、捕手としてもチームを引っ張りたいという思いがあったからこそ、練習に励み続けた。試合中の死球により腕の痛みがある日もあったが、山崎は必死に食らいつきその力を尽くした。そんな試練を乗り越えた先には、きっと大輪の花が咲くだろう。千葉ロッテマリーンズに入団が決まった前主将の佐藤都(法4=聖光学院)のように、攻守で活躍する姿を見せてくれるに違いない。
「勝てるチームっていうより負けないチーム」。どれだけ劣勢になっても最後まで諦めずに、粘り勝てるように。そのために精神的な強さも鍛えると決心した。目指す場所は日本一。その栄光の頂に向かっていま新たなチームが一歩を踏み出す。
~掲載予定~
12月10日:諏訪賢吉副将
12月17日:村上頌樹副将
12月24日:山本拳輝副将
12月26日~12月31日(6日間連続掲載):”神宮に立つのは俺たちだ” スポトウ的来年度の注目選手紹介
◇秋季リーグ戦終了連続インタビュー◇
[硬式野球]~課題を見つけた実りの秋。再挑戦へ~15日間連続インタビュー
リンク先に掲載全選手分のURLが添付されています。ぜひ、併せてご覧ください
TEXT/PHOTO=谷口遥菜