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2015.04.13
硬式野球

[硬式野球]勝負の4年目原 開幕完封白星スタート

平成27年度東都大学野球春季2部リーグ戦・立正大戦1回戦

4月12日(日) 東洋大グラウンド

 

東洋大1-0立正大

(イニングスコア)

東洋大000 001 000=1

立正大000 000 000=0

(東洋大)

○原(1勝)-後藤田


       打安点

(6)阿 部 400

(9)木 村 300

(4) 林  410

(7)笹 川 210

(D)中 川 410

(3)鳥 居 300

  3 久 保 100

(8)安 西 100

  8 大 川 200

(5)冨 澤 310

(2)後藤田 310

     計 3050


     回 打安責

○ 原   9 3240


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119球の熱投で完封勝利を挙げた原


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最後の打者を打ち取り、ぐっとこぶしをにぎりしめた。


 春季リーグ戦が開幕した。六回1死一塁から敵失によって挙げた1点を、開幕投手を務めた原(営4・東洋大姫路)が9回を被安打4自責点0に抑える完璧な投球で守り抜き白星発進を飾った。


 まったく相手を寄せつけなかった。「今年は自分がやらなければならないという自覚がある。だから今日は本当に勝ちたかった」。2死から連打で招いた最終回一打サヨナラのピンチにも、堂々と最後の打者を三ゴロに仕留め完封勝利。大学4年目、勝負の1年を最高の形でスタートした。

 150㌔超えを連発する立正大先発・黒木との一歩も譲らぬ投手戦。均衡が破れたのは六回だった。2番木村(営4・愛工大名電)が必死に食らい付き転がすと、三塁手が悪送球。送球がファウルグラウンドを転々とする間に、一走の後藤田(営4・東洋大姫路)が激走し一気に本塁へ。最後は頭から滑り込み虎の子の1点をもぎ取った。「じーんときましたね。みんながこれだけ頑張っているので絶対負けられないと思いました」。高校時代からバッテリーを組む恋女房がみせた勝利へのどん欲な姿勢に、原はさらにギアを上げた。

 1点リードの七回2死一、二塁のピンチでは高橋監督がマウンドへ。「一言です、頑張れと」。全てを託されたエースは次打者へ強気の内角攻め。にぶい当たりの右飛に打ち取ると「自然に感情が出てきた」というド派手なガッツポーズが飛び出した。

 「完投は自分の力でどうにかできるけど、完封は自分一人じゃできない」。今季手応えをつかんでいるシュートを生かした投球で、27個のアウトのうち15個が内野ゴロ。八回には左翼線際の飛球に笹川(営3・浦和学院)が飛びつきスーパーキャッチで盛り立てた。「気持ちのこもっていない投手では野手がリズムに乗りづらい。やっとマウンドで気持ちが出てきた」という巨人の藤本茂喜スカウトをはじめ、視察した国内4球団のスカウトにも成長した姿をアピールした。

 5季ぶりの1部復帰。2年間待ち焦がれた悲願の瞬間へ、主将としてエースとして、東洋大の看板を背負った男の戦いが始まった。

 

■コメント

・高橋監督

原のピッチングに尽きる。よく投げましたよ。(119球の完封は)まだちょっと投げ過ぎかな。七回の4番打者との対戦した場面でスライダーで三振が取れていればもう少し(球数を)少なくできたね。

 

・原(営4・東洋大姫路)

雨で延びるだろうと思っていたので、問題なく開幕を迎えられた。去年と違って今年は自分がやらなければならないという自覚がある。だから今日は本当に勝ちたかった。これまでは自分の投球のことで精一杯だったが、今は相手と勝負できる余裕がある。

球数を少なくするために、全てストライク付近のボールで勝負しようと思った。7回まで87球という少ない数で抑えられたので良かった。シュートは、オープン戦終盤は悪かったがしっかり修正できた。

完投は自分の力でどうにかできるけど、完封は自分1人じゃできない。自分の投球としては及第点ですが、みんなの力で100点。とにかく勝てたので良かった。

 

・藤本スカウト(読売ジャイアンツ)

やっとマウンドで気持ちが出てきた。最終的にはそういう所が大事。気持ちのこもっていない投手では野手がリズムに乗りづらい。ようやくプロを狙える段階まできた。ここから1年、彼がどう過ごすのかを見ていきたい。

 

・岩舘スカウト(北海道日本ハムファイターズ)

去年から見てきた中で一番いいピッチング。ストレートの走り、球速もそうですが、状況を考えて投球している印象を受けた。本来すごい投手なので、やっとスタートラインに立ったかなという思い。


TEXT=浜浦日向 PHOTO=千野翔汰郎、伊藤拓巳