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第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第2節 4月12日(日) 駒沢オリンピック公園総合運動場第二球技場
東洋大1-1東学大
<得点者>
85 分 仙頭
<出場メンバー>
▽GK
沖野泰斗(国4・幕張総合)
▽DF
石坂元気(国4・広島Y)
郡司昌弥(国4・柏U-18)
瀧澤修平(ラ4・東洋大牛久)
今井裕基(国4・埼玉栄)73 分 →DF長谷川優希(国4・帝京)
▽MF
飯島樹生(国3・流経大柏)69 分 →MF小山北斗(国4・帝京)
小島正之介(ラ4・常総アイデンティU-18)
仙頭啓矢(国3・京都橘)
高橋宏季(国1・FC東京U-18)
▽FW
小山大貴(国4・大宮Y)83 分→FW杉山丈一郎(国4・市立船橋)
遊馬将也(国4・武南)
仙頭は土壇場で同点ゴールを見せ、今節の活躍選手にも選ばれた
瀧澤の正確なラインコントロールは守備を堅くした
開幕2連勝を狙い東学大と対戦した。試合序盤に先制を許すも、試合終了間際に仙頭が試合を振り出しに戻すゴールを決め、勝ち点1を手にした。
立ち上がり早々、シンプルにロングパスを蹴り込んでくる東学大の攻撃に苦しめられた。セカンドボールへのチェイシングが早く、ボールを保持できない時間が続く。9分にFKを起点とし、ゴール正面からヘディングシュートを打たれる。これは、沖野が右手一本でボールを弾き、事なきを得た。しかし、13分に郡司がクリアしたボールをPA手前で拾われ、強烈なミドルシュートを決められる。早い時間で追いかける展開となったが、右サイドの小島、仙頭を中心にゲームの流れをつかみだす。チャンスが訪れたのは36分、小島の仕掛けからボールを受けた高橋宏がPA手前で倒され絶好の位置でFKを得た。キッカーは仙頭。壁の頭上を越え、ゴール左隅を狙うも枠を超えてしまう。前半はこのまま終了し1点ビハインドで後半に臨んだ。
後半開始直後から素早いプレッシングでゲームの主導権を握る東洋大。守備でも郡司、瀧澤を中心に正確なラインコントロールを行い、相手の攻撃パターンを封じる。左サイドから攻撃の活路を見出そうとするも、組織的な守備を前に決定機を作れない。ここで古川監督が動く。「全ては攻撃のための交代だった」と語ったように、攻撃的なプレーに長所を持つ選手を投入する。すると、81分、途中出場の小山北が絶妙なタイミングで裏に抜け出した石坂にロングパスを供給する。しかし、相手GKの素晴らしい飛び出しにあいゴールを割ることができない。攻め続ける東洋大に歓喜が訪れたのは、試合終了5分前。杉山がPA内右サイドに位置する遊馬に浮き球のパスを供給する。ドリブルを仕掛け相手GKをひきつけると、ゴール中央で待つ仙頭にグラウンダーのパスを出す。最後は仙頭が冷静にシュートを決め、ついに試合を振り出しに戻した。直後の86分にも仙頭がシュートを放つもポストを直撃する。そのこぼれ球を拾った杉山からのパスを受け石坂がゴールを狙うも、これまたバーに阻まれる。結局、勝ち越しゴールを決められないまま試合は終了し、勝ち点1を分け合った。
「先制を許した試合でそのまま負けなかったことが今年のチームの成長」と古川監督が語るように、昨年は先制ゴールを決められた全12試合中敗れたのが8試合。主導権を握られると勝ち点に結び付けられないのが課題だった。しかし、今節では理想とするパスサッカーを展開させながら同点に追い付く成長ぶりを見せた。次戦はこの引き分けを無駄にしないためにも勝ち点3を奪いにいく。
■コメント
・古川監督
昨季も手堅いチームで難しい相手だと感じていたが、今日もそういう試合になってしまった。ただ、昨年は追いかける形のゲームのところで中々追い付けなかった。先に取られた時の勝率が格段に悪かったがこういう風に追い付けて勝ち点1を取れたのは、我々にとって次につながるゲームだったと思う。(交代選手が得点のきっかけを作ったが)基本的には負けてる状況での投入だったので、ある程度リスクをかけてでも取りにいかないとというメンバー交代だった。全て、ゴールのためにどういった配置が良いかという采配だった。(スタメンが3選手変わったが)関東リーグ2部を勝ち抜チームの配置だったりバランスということで多少の微調整で交代した。サブ組の選手の調子が非常に良く、スタメンにそん色ないような選手が出てきてくれているので対戦相手によったり、連戦の中で入れ替えたりできるようになっている。(次節に向けて)次の試合を引き分けや負けとして落としてしまうと2試合で勝ち点を4、5点落とすことになる。次のゲームを取れば今日の勝ち点2のロスよりも勝ち点1の積み上げになると思うので非常に大事な試合になってくる。あとはコンディショニングを整えることが第一になる。
・沖野泰斗(国4・幕張総合)
早い時間に先制点を取られた中で、勝ち点1取れたのは大きいけど今日の試合展開なら勝ち点3を取れた方が良かった。(何度かビックセーブを見せていたが)いつも、日頃の練習から試合をイメージしてやっているので、そんなにセーブした感覚は無いが、チームに貢献したいという意識がこういう結果につながっていると思う。(DFラインが前節とは変わったが)特徴が大きく変わったが、その選手に合わせながら上手く動かしながら自分がプレーできるようにした。(相手のロングボールの対策は)DFラインに高さのある郡司と瀧澤が居たので、自分はキーパーが100%キャッチできるボールしか出る必要しかなかった。(次節に向けて)2部リーグは前期が大事で、前期でどれだけ勝ち点とれるかが後期につながってくると思う。連戦になると思うが勝ち点3を目指しつつ、今日のような展開になったら勝ち点1でも取れるように頑張りたい。
・郡司昌弥(国4・柏U-18)
先制された展開で追い付けたのは大きいと思う。前節よりも東洋大らしいサッカーができてきているのでその点では良かったと思う。(相手のロングボールへの対応は)スカウティングの時点で相手の持ち味はわかっていたので、対応することができた。(ラインコントロールをしていたが)向こうはロングボールを多用してくるので、裏を取られないためにも粘って、意識的にラインを上げようとしていた。(DFラインの顔ぶれが変わったが)星は星で良いところがあるし、瀧澤は瀧澤の良いところがあるので、それを上手く生かしてあげられればと思ってやっている。(次節に向けて)中2日での試合になるのでまずはコンディション回復に努め、良いサッカーができると良いと思う。
・小山大貴(国4・大宮Y)
開幕戦で出場できなかったのは悔しかった。昨年、一昨年と結果が出せなかったので、スタメンで出させてもらい、勝ちたいと思っていた。だが、勝ちきれなかったのは残念だ。(コンディションは)悪くなかった。あとは結果を出したい。(次節に向けて)今節は相手のスーパーゴールで失点してしまった。自分にはゴールに貪欲性がなかった。しかし勝ち点1を取れたので、次節は勝ち点3を取れるようにアシストゴールを狙って頑張りたい。
・仙頭啓矢(国3・京都橘)
先制されて苦しかった。だが、ディフェンス陣も粘ってくれたおかげで勝ち点が取れて良かった。「ゴールを振り返って」あそこの位置にいれば何かが起こると思っていた。結果、遊馬くんからのパスが来たのでゴールにつながったので良かった。(引き分けについて)先制されて、負けてもおかしくなかったが、そこでしっかりと同点で勝ち点を取れた。これからリーグ戦が長い中で大きな勝ち点だった。(欠点は)シュートの回数は増えてきたが、欠点力をもっと上げていかないとチームを勝たせることができない。個人の能力をもっと上げていかないといけないと思った。(次節に向けて)期間が短い中で3連戦があるので、けがなどに注意しながらコンディションを整えて望みたい。
TEXT=村田真奈美 PHOTO=横山恵美
[次節試合予定]
第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第3節 4月15日(水) 対東海大 筑波大学第一サッカー場にて 16:00kick off