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2015.04.20
陸上競技

[陸上競技]桐生、悔しさ残る2位 ウォルシュは自己ベストで3位

日本GP第1戦 第49回織田幹雄記念国際陸上競技大会

兼 第15回世界陸上競技選手権大会(2015/北京)日本代表選手選考競技会

兼 第28回ユニバーシアード競技会(2015/光州)日本代表選手選考競技会

兼 2015ワールドレリーズ(2015/ナッソー)日本代表選手選考競技会

兼 第21回アジア陸上競技選手権大会(2015/武漢)日本代表選手選考競技会

兼 第9回世界ユース陸上競技選手権大会(2015/カリ)日本代表選手選考競技会

兼 第70回国民体育大会広島県代表選手選考競技会

4月18日(土)~19日(日) 広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)


 

◆2日目

男子100m予選

1組

1着 桐生 10″36※A決勝進出


 

男子100mA決勝

2位 桐生 10″40


 

男子400m決勝

3位 ウォルシュ 46″60


 

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強い雨の中決勝レースに臨んだ桐生

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ウォルシュは見事自己ベストを更新した


 

 織田記念2日目は、初日と一転して曇天の下行われた。注目の男子100mでは、桐生(法2・洛南)が優勝を狙って臨むも2位と不本意な結果となる。一方男子400m決勝に出場したウォルシュ(ラ1・東野)は自己ベストを更新する46秒60で、3位入賞を果たした。
 
 9秒台が大いに期待される中、男子100m予選に桐生が登場する。少し風が向かっていたものの、タイムは10秒36。ラスト20mを流し余裕を持って決勝に駒を進める。決勝は、一層雨が強くなる中で行われた。爆発力のあるスタートができず、50mを過ぎてもスピードにうまく乗ることができない。最後のゴール争いで、なんとか同着2位に食い込んだ。
 期待された9秒台だけでなく優勝も逃し、桐生は悔しさをにじませた。しかし、梶原監督が「けがせず2日間走ることができたのは一つの収穫」と話したように、試合でけがなく現状を把握できたことは、シーズンの始めとして及第点だろう。今後は関東インカレや日本選手権、その先に世界大会など外せない大会が控えている。今回のレースから修正し、その中で記録も狙っていきたいところだ。
  今大会最終種目となった男子400m決勝。ウォルシュは、昨日の予選同様スタートから積極的に飛ばしていく。ラスト100mを過ぎた辺りから苦しげな表情を見せ失速が目立ったが、それでも3位に滑り込んだ。
 ウォルシュは「今までの走りから前半飛ばす走りに切り替えられた」とレースを振り返る。これまでのレース展開を躊躇(ちゅうちょ)せずに変えた中で自己記録が出たことは、大きな収穫だろう。「潜在能力はまだまだ未知」と梶原監督も期待を寄せており、今後のさらなる活躍に注目だ。
 
 シーズン序盤ということでピーキングの難しさもあったが、今後さらに記録を狙っていく上では有意義なレースとなっただろう。今大会のレースを踏まえ、次の大会ではまた一段違った走りを見せてくれるはずだ。


 

■コメント

・梶原監督
桐生についてはテキサスで強い刺激が入りすぎて、それ以降少し落とした練習をしてきていたので、少しぴりっとした部分がなかったのかなと思う。故障もないのでそこをうまく修正していって、落ち着いて練習ができればいい。本人も負けたことはショックを受けていたが、慌てず腰を据えてこれからしっかりやっていければと思う。200mの悪い流れを引きずってしまったかなというところがある。けがせず2日間走ることができたのも一つの収穫。ウォルシュは、1レーンでベストが出たことが大きい。全体が速いレース展開だったので、ウォルシュも前半から飛ばしていったが、200mの通過は昨日より若干遅かった。昨日は力みがあったので、それをうまく修正して、動きも良く積極的にいけたところは良かった。ウォルシュのセンスが見られた部分だと思う。このコンディションでベストを出すことができたのは自信にもなっただろうし、レースとしても合格だった。潜在能力はまだまだ未知なので、これをきっかけにトップクラスの選手になれるように練習していきたい。(今後に向けて)桐生は世界リレーの方に行くので、ウォルシュと小林は疲労を抜いてから、静岡国際でより良いコンディションでもう一つ上の記録を狙いたい。

 

・桐生(法2・洛南)
優勝すらすることができなかったので悔しいという思いしかない。スタート時の爆発力のようなものが欠けていたので、それが敗因かなと思う。(予選から何か修正したことは)何もない。決勝は集中するだけだった。(プレッシャーは感じていたか)9秒台と言われる中でも自分は落ち着いていなくてはいけないと思っていた。結果的に9秒台は出なかったが4月の時点でこの状態ということを知れたので良かった。(今後について)体への負担も全然ないので、しっかり練習するだけだと思う。

 

・ウォルシュ(ラ1・東野)
1位を狙っていたので悔しい。決勝も突っ込んで入ったが、後半に失速する恐れがあったので予選より少しだけ抑えめにした。(自己ベストについては)出せたことは嬉しいが、それよりも1位を狙っていたので満足はしていない。ただ大学初戦にしては思っていたよりもいいかなと思う。(課題は)今までの走りから前半を飛ばす走りに切り替えられたのはいいが、後半の粘りがまだ足りない。(大学1年目はどういうシーズンにしたいか)常に調子を上げていき、今年中には45秒台を狙っていきたい。


 

TEXT=青野佳奈 PHOTO=青野佳奈、伊藤空夢