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2021.04.01
硬式野球

[硬式野球]松澤好投、1点差で逃げ切り今季初勝利 青学大2回戦

東都大学野球春季1部リーグ戦・青学大2回戦

3月31日(水) 神宮球場

○東洋大2×-1青学大


青学大
東洋大×


二塁打:山本翔(三回)、小口(四回)、水谷(五回)


○松澤(1勝)、細野-廣岡


・打者成績

打順守備名前
(左)松本渉(営3=龍谷大平安)
(三)瀬川(総4=聖光学院)
(右)佐々木(営4=帝京)
(指)矢吹(総3=聖光学院)

打指水谷(営2=龍谷大平安)
(遊)木村(総4=霞ヶ浦)
(一)小口(総3=智弁学園)
(中)宮本(総2=大阪桐蔭)

打中橋本吏(総2=花咲徳栄)
(捕)廣岡(総3=拓大紅陵)
(二)山本翔(営2=成田)


3110


・投手成績

名前球数四死球三振
松澤(営3=帝京)7 2/394
細野(総2=東亜学園)1 1/329



安定した投球で試合を作った松澤


適時打を放ちベンチに向かってガッツポーズを見せた橋本吏


(写真提供:東都ベースボールWeb)


痛恨のサヨナラ負けから一夜明け、迎えた青学大2回戦。先発の松澤(営3=帝京)が7回3分の2を無失点で投げ抜き試合を作る。すると打線は三回、四回に瀬川(総4=聖光学院)と橋本吏(総2=花咲徳栄)の適時打で1点ずつ奪い松澤を援護。八回に1点を返されたが2対1で逃げ切り今季初白星を挙げた。


 先発の松澤は初回先頭打者に左前打を許したもののその後はテンポよくアウトを積み重ねる上々の立ち上がり。二回から四回までを三者凡退に抑える。八回、この日初の四球でランナーを出すとその後、2死まで粘りの投球を見せるが小鷹(青学大)に四球を出したところで交代。「完投も見据えていた」と言うが足がつりマウンドを降りた。


 攻撃は三回、山本翔(営2=成田)が左越二塁打で出塁し、松本(営3=龍谷大平安)の二ゴロの間に三塁に進塁する。チャンスで打席が回ってきた瀬川は青学大先発仲澤の球を弾き返し中前適時打。山本翔が生還し先制に成功した。続く四回、木村(総4=霞ヶ浦)と小口(法3=智弁学園)の連打で作った1死二、三塁の場面で杉本監督が代打に送ったのは橋本吏。今季初打席も臆することなくバットを振り抜き左前適時打で木村がホームイン。続いて本塁を狙った小口はタッチアウトで3点目とはならなかったが、大きな追加点となった。


 松澤の後を託されたのは昨日先発を務めた細野(総2=東亜学園)。2死一、二塁から四球で満塁のピンチを招くと片山(青学大)に死球を与えてしまい押し出しで1点を返される。終盤の苦しい展開に前日の逆転負けがよぎったが、続く中島(青学大)を空振り三振。1点のリードを守り踏みとどまった。


 橋本吏は八回、走者木村を二塁に置いた場面でも打席へ。遊撃への当たりに快足を飛ばしてセーフをもぎ取るなど2安打1盗塁。宮本(総2=大阪桐蔭)とのスタメン争いを過熱させる活躍を見せた。「調子はあまりよくない」と語っていた木村も3安打猛打賞。五回には四球を選び全打席出塁と好調の兆しを窺わせた。


 実戦が十分に行えない中での開幕。足がつるハプニングはあったものの2戦連続で先発が機能した好ゲームとなった。「スイングが強くなっている」と杉本監督が語る打撃陣も二桁安打を記録し上り調子だ。勢いそのままに連勝へ。空き週を挟んで立正大を迎え撃つ。


◾️コメント

・杉本監督

(勝利ののポイントは)松澤の頑張りですね。松澤には試合が始まる3日前に去年と同じような形で申し訳ないけど、10戦3勝というところでと。申し訳ないけど連敗しないような形で、お前(松澤)はエースだから2戦目に出すように伝えてきました。まあ、また昨日ああいう負け方でサヨナラやられて青学大さんの方に勢いがつく場面で激突して勝ったと言うのは非常にありがたい。まあ、ただ昨日の細野もそうだったんですけど、うちはコロナの影響でオープン戦は3月8日からやってたんですが、試合数がすごく限られていて試合で投げ込むことができず、準備不足だったらしいです。今日も八回で投げて、足つってますという話が出たので、変わったというところになる。まあ1週間空きますので、しっかり調整させていただきます。今シーズンは長丁場になりますから、1週空いて5連戦なんで、その部分についても1試合のスタミナ、それから頭数というのは計算してやっているつもりなんです。1週間しっかり調整させていただいて1勝1敗、今の現状なので昨日は負けましたけど、とりあえずタイブレーク負けなのでそういう意味では(昨日の負けは)無視と監督としては思っています。(先行、後攻、打つ手が全て当たったか)いや、そういうこともないですけど、バッターの方は自分たちで春来て、バッティングのスイングが強くなっているので150㌔くらいもうそんなに振り遅れない。いや、遅れているんですけど、振り負けという感じではなく勢いがあったので後ろにファールになったり。全然スピード負けしている感じではない、だからそこのところについては非常にいいんです。サイン出さない方がいいんですよ。出しちゃうといつもゲッツー取られるんです(笑)。僕のサインは出さない方がいいですね。選手任せの方がいいのかなと思います。(大きな一勝となったが)テレビでというか、配信していただいててどのくらいなのかというのが、肉眼で見て初めて相手のチームのバッターのスイングの強さとか分かるんですよ。テレビとかだとわからないんですよね。今日来て、見させていただいて、こういう風にやってるんだっていう感じだったんで、本当に自分たちがやっていることについては間違いではないかなという気がします。まあ、本当はねもっと援護してあげたいんですけどね。試練を与えて(笑)。(松澤投手の成長は)こんなこと言っちゃなんですけどいっつもトレーニング場にいますよ。本当に。寝てる時、飯食ってる時、風呂入ってる時、寮に上がったらほとんどいるよね。僕らの時代の人間には全く分からない感じですね。監督がいなくなるとか練習後とか、よしってなるんですけどね。トレーニングやってるっていうのは彼の目標っていうか、僕は聞いたことないですけど、きっと目指しているものっていうのは高い目標設定しているのだと思いますね。他にも2、3人いるんですよ、そういうやつ。ピッチャーとかいい線がまた育ってきていて東洋としてはそういう相乗効果を狙っているので、本当にありがたい存在です。投げるだけ、抑えるだけではなく、練習の態度とか、野球に対する姿勢というのは、良すぎるくらいです。


・松澤(営3=帝京)

(今日のピッチング振り返って)今日はまっすぐが走って、青学大は引っ張りのバッターが多かったので、あえてインコースを突いていこうと話をしていてました。それでしっかりカウントもファールも稼げて無事投げることができて、試合前に話していたピッチングができたと思います。(完投できそうな勢いだったが、足りなかったところは)そうですね。本当は完投をちゃんと見据えてたんですけど、まだまだ自分の体力が足りなかったです。目標としてはやはり完封することなんで、そこを目指して頑張ります。(初回先頭打者出したところのメンタルは)今日、試合に入る時に昨日サヨナラ負けして、向こうは流れに乗っていて、初回が1番大事だなと思っているところで、先頭に打たれてしまったんですけど、飯田選手(青学大)が当たっていたんで仕方ないことだと割り切ってあとの場面で打ち取れば大丈夫だという考えでできたので、そこは良かったと思います。(トレーニングについて)トレーニングすることが好きで、本当にそういうことが好きで、去年の秋が終わってから自分が中心になってやっていくしかないって思って。みんなに見られている立場なんで、自分が言うためには必要以上にやらなければいけないと思っているので、責任感とか、そういうものがあってやってるんです。でも別に責任感だけでなくて、普通にトレーニング自体が好きなだけです。


TEXT=小林夏実