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第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第5節 4月26日(日) 東洋大学朝霞グラウンド
東洋大4-0日大
<得点者>
3分 池田
13分 遊馬
55分 遊馬
93分 勝野
<警告>
86 分 髙橋
<出場メンバー>
▽GK
沖野泰斗(国4・幕張総合)
▽DF
石坂元気(国4・広島Y)
郡司昌弥(国4・柏U-18)
浦上仁騎(国1・大宮Y)
池田稔樹(国4・桐生第一)73分→DF今井裕基(国4・埼玉栄)
▽MF
小山北斗(国4・帝京)
小島正之介(ラ4・常総アイデンティU-18)79分→FW杉山丈一郎(国4・市立船橋)
仙頭啓矢(国3・京都橘)
高橋宏季(国1・FC東京U-18) 87分→MF勝野瑛(国1・浦和Y)
▽FW
小山大貴(国4・大宮Y)
遊馬将也(国4・武南)
先制点を決めた池田は攻守でサイドを制圧した
毎試合途中出場で安定した存在感を放つ勝野
エース遊馬は2点を挙げ今節もチームを牽引した
1年生2人をスタメンに送り込んだ今節。前半開始早々にコーナーキックから池田が先制すると、遊馬がヘッドで追加点。後半も、日大の攻撃をしのぎながら再び遊馬が頭でネットを揺らしリードを広げる。試合終了直前には、途中出場の1年生勝野が目の覚めるようなシュートを放ち、4-0で圧巻のゴールショーに幕を下ろした。期待の新星の活躍が、今季ここまで負けなしのチームをさらに加速させる。
5節目にして初めてスタメンに名を連ねた浦上。1年生らしからぬ体のサイズと風格はまさに規格外。最後列から相手の攻撃を跳ね返し続けた。まだまだ荒削りな印象も受けるが、最上級生の多い守備陣に期待のニューフェイスが登場した。今季、開幕からスタメンに名を連ねるのは1年生のボランチ高橋。的確なパスと柔らかなボールタッチはこの日も健在で、チームの中心でイニシアチブを発揮する。さらに、激しい守備で相手の攻撃の芽を摘み、守から攻へ始点として試合を通して動き続けた。
試合は、3分にコーナーキックの混戦から池田がヘディングでゴール。13分には、遊馬がクロスに高い打点で合わせ、追加点を奪う。その後も30分にはロングパスに遊馬が抜け出しキーパーと一対一に。32分には仙頭のフリーキックがバーに直撃。続けて、ゴール前の細かい崩しから小山大が右足を振り抜くもわずかに枠の外。前半45分間、日大が空けた中盤のスぺースを両サイドや2ボランチがうまく突き、波状攻撃を仕掛け続けた。後半、勢いをかけて出てきた日大を激しい前からのプレスで潰すと、ゴールへ素早い攻撃を披露。55分には、相手陣地でボールを奪うと右サイド先頭のクロスにフリーの遊馬がドンピシャで合わせ3点目。その後は初夏のような気温の下、試合はオープンな展開に。日大にゴール前へ侵入されるも最上級生郡司と1年生浦上の年の差コンビが最後のところで体を張る。GK沖野もビックセーブを連発し、ゴールマウスを死守。無失点という最高の結果で試合も終了に差し掛かった93分。イエローを受けた高橋に変わって入ったもう一人の1年生ボランチ勝野が挨拶代わりの一撃を見舞った。
ゴールまで約20メートルのところで振り抜いたキックは、ボールの中心を捉え直線を描きながらゴールに突き刺さった。奇しくも4年生が繋いだ圧巻のゴールショーを締めくくったのは新進気鋭の1年生だった。さらに印象的だったのは、ゴールを決めた勝野のところへ真っ先にエース遊馬が寄り添い、新星のゴールを祝福していたこと。学年関係なくチームは一丸となり、一つの方向へ進んでいることを象徴する場面だった。チームはリーグ後半に強豪との対戦を控え、そこまで一戦も落とせる試合はない。「我々は一戦一戦戦うだけ」と古川監督。一戦一戦、新星たちの成長がチームと融合していけば、2部の頂点はすぐそこまで見えてくるはずだ。まずは、次節の朝鮮大戦。誰が出てもベストメンバーの東洋大に怖いものなんてない。
■コメント
・古川監督
リーグ戦の日程を考えると後半に昇格のライバルとなりうるだろう相手と対戦が多いから、前半は勝ち点を取りこぼせないということを選手たちにも話した。そういったところをうまく選手たちが体現してくれた。(選手全員の守備への意識が強くなったように感じるが)選手全員が球際の部分で戦ってくれている。ディフェンスラインが開幕から毎試合メンバーが変わっているが、意図しているわけではなく試合ごとにいい選手を選択していく中でこういった構成になっている。開幕から失点0で試合を終われるかということをテーマにしている。(攻撃の手応え)今日は相手が前から来なかったからボールを持つことはできた。ただ、スペースがなく崩して点を取るとが難しい中でセットプレーとクロスからのヘッドという形で早い時間帯に点が取れてよかった。後半はある程度パスで崩す攻撃もできていたと思う。攻撃陣はよくやってくれているが、まだ点を決めきるという部分では伸びしろもある。(次節へ向けて)次節も勝ち点3は必須。我々は変わらず一戦一戦いい準備をしていくだけ。
・遊馬将也(国4・武南)ゲームキャプテン
毎試合失点しているので、全員で守備から失点0というところを目標にしてやっていた試合なので、それが結果的に0という形で終われたので良かったと思う。(自身も2得点記録したが)FWとして1試合1点はとれるような選手になっていかないと上では通用しないと最近自分の中でも思っているのでそこを自分でどうやって修正できるかということをこれからやっていきたい。(1得点目はGKからのプレッシャーもあったが)最初はファールになるかもしれないと思ったが、ヘディングは自信があったので先に飛んだ結果ボールに先に触れられたので良かったと思う。(2得点目は)ハーフタイムの時に監督からも2対0じゃ危ないと指示されていた中で、前線からプレッシャーをかけて(ボールを)取れた。そこから啓矢がいいクロスをくれたので当てるだけだった。あいつのおかげかな。(今のチームの状況は)ずっといい状況で練習をやっていて、試合にも挑めているので、前期をどうやって全員でいい形で持っていくかというのが課題にもなってくると思う。ここからどんどん上位のチームとの戦いが待っているので、そこでどうやって勝っていくのかというところをみんなで話し合っていきたいと思う。(次節に向けて)朝鮮大は自分自身の印象ではガツガツ来るイメージがある。そこを自分たちのパスサッカーでどうやって崩していくかというのが見ている人たちにも楽しんでもらえるようなサッカーをやっていきたいと思う。もう一回全員でリフレッシュして次に向けてやっていきたい。
・池田稔樹(国4・桐生第一)
前節、前々節と足をつってしまって90分持たなかった。火曜日の練習では前節のスタメン組は1000mを5本にタイムを落としてゆっくり走った。だが、自分は足をつってしまって走ることができなかったので、タイムを気にせず早めに走った。練習が終わった後も10~20分ランニングを毎日して1試合を走り切れるように意識してきた。その結果、完走でき、点も取れて良かった。(ゴールを振り返って)毎試合サイドバックだが、点もアシストも狙って試合に臨んでいる。その結果が出て良かった。(次節に向けて)1週間空くが、今節のように守備を無失点で抑えて、大量得点を取って勝ちたい。
・浦上仁騎(国1・大宮Y)
すごく緊張した。だが、早い段階で1点が入ったので少しリラックスしてできた。(先輩とは)チームの先輩方は優しくて、練習中から声を掛けてくれた。試合前もキャプテンの遊馬君をはじめ、みんな声を掛けてくれて嬉しかった。(次節に向けて)次節もまたホームの試合なので、そこでしっかり勝って昇格に向けて頑張りたい。
・勝野瑛(国1・浦和Y)
(初ゴールを振り返って)ラスト5分ぐらいで入って、試合をしっかり終わらせるようにと監督に言われた。たまたま自分のところにロングボールが上がってきて、最初はコントロールが浮いたと思ったが、うまくゴールに収めることができたので良かった。(3試合連続出場だが)最初は緊張していたが、今日はうまくリラックスしてできた。(次に向けて)試合にスタメンで出られるように。チームに貢献したい。
TEXT=吉本一生 PHOTO=横山恵美、村田真奈美、當麻彰紘
[次節試合予定]
第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第6節 5月2日(土) 対朝鮮大 東洋大朝霞グラウンドにて 13:50Kick off