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2021.04.18
硬式野球

[硬式野球]大学初アーチに決勝のホームイン、橋本吏の活躍で勝利 立正大2回戦

東都大学野球春季1部リーグ戦・立正大2回戦

4月16日(金) 神宮球場

○東洋大4-3立正大


東洋大
立正大


二塁打:小口(七回)

本塁打:橋本吏(七回)


細野、大宮、○松澤(2勝)、羽田野ー廣岡


・打者成績

打順守備名前
(左)松本渉(営3=龍谷大平安)
(三)瀬川(総4=聖光学院)
(右)佐々木(営4=帝京)
(一)小口(法3=智弁学園)
(遊)木村(総4=霞ヶ浦)
(指)岡崎(営4=帝京)
(中)宮本(総2=大阪桐蔭)

打中橋本吏(総2=花咲徳栄)
(捕)廣岡(総3=拓大紅陵)
(二)加藤響(総1=東海大相模)


29


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総2=東亜学園)52/38833511
大宮(法4=鳥取城北)1/3500100
松澤(営3=帝京)24750122
羽田野(法3=汎愛)1900100


逆転の3点本塁打を放った橋本吏


この日は最速147㌔を記録し九回を抑えた羽田野


(写真提供:東都ベースボールWeb)


1回戦目を落とし、負け先行で迎えた立正大2回戦。両先発が好調な立ち上がりを見せゼロ行進のゲームは四回、奈良間(立正大)の一発で均衡が破られる。追いつき追い越したいところだが、なかなかチャンスを作ることができない。厳しい展開の中、粘る投手陣を救ったのは橋本吏(総2=花咲徳栄)。七回に代打で3点本塁打、一時は同点に持ち込まれるも九回、暴投の間に本塁に還り4対3で競り勝った。


 先発の細野(総2=東亜学園)は三回までに5奪三振と落ち着いた投球を披露。しかし四回、先頭の奈良間に初球を痛打される。左翼の松本渉(営3=龍谷大平安)がフェンスを駆け上がりながら追った打球は無情にもその上を越えた。1点で粘りその後五回2死までマウンドに立ったが初勝利はまたもお預けとなった。


 待ちに待ったチャンスは七回に訪れる。先頭の小口(法3=智弁学園)、続く木村(総4=霞ヶ浦)が二塁打と四球で無死一、二塁を演出する。岡崎(営4=帝京)が倒れ1死のところで立正大は投手交代。左の山本(立正大)に対し杉本監督が「右の橋本」と代打橋本吏を送り出す。「タイミングだけをしっかり合わせること」と狙いすましてストレートを捉えた打球は神宮の空にアーチを描きレフトスタンドへ。興奮した様子で走り出し、二塁を回ったところで力強くガッツポーズ。「しっかりと逆転することができてよかった」と価値ある3ランで大学初本塁打を決めた。


 七回、八回に1点ずつ返され同点で迎えた九回表。この日2度目の打席に立った橋本吏が先頭で死球を選び出塁。廣岡(総3=拓大紅陵)が送り松本渉、瀬川(総4=聖光学院)も四球で2死満塁の好機を迎える。勝ち越しの期待が高まる場面で佐々木に投じられた田中裕(立正大)の4球目は暴投となりその間に三塁の橋本吏がホームイン。これが決勝点となった。


 「ブルペンで準備しているピッチャーを見てタイミングを合わせていた」と橋本吏。万全の体制で来るチャンスに備える。代打で結果を残し続ける橋本吏に杉本監督も「考えます」と起用法再考を示唆。スタメンに名前を連ねることとなるか。続く相手は全勝で首位をひた走る中大。この勢いを止めるにはさらなる打線のつながりが不可欠だ。



■コメント

・杉本監督

左の宮本(総2=大阪桐蔭)、右の橋本っていうように右左で変えていこうっていう感じだったんですけど、左のピッチャーがあまり東都にはいないので彼自身、打てる機会がなくて。ですからずっと我慢していた部分もあったと思うんですね。非常にここにきていい仕事をしてくれたと思います。羽田野は持ってるポテンシャルは特別なやつなので。本人的には高校での実績や成功体験がないのであとはそれだけだったんですけど、今日ああいうふうなところで抑えてくれてすごく自信になったと思います。持ってるポテンシャルは僕は甲斐野(H30年度営卒=福岡ソフトバンクホークス)よりもあると思っていますから。今日は147、148㌔くらいでしたけどブルペンでは150㌔超えているので。(使い方としてはリリーフ?)そうですね。そういうふうになると思います。

 

・橋本吏(総2=花咲徳栄)

(打席に向かうときの思い)1点差で負けていて、左投手なら代打と言われていたので、1球でしとめることだけを考えて入りました。(そんなに体が大きい方ではないが飛距離に自信は)パンチ力には結構自信があるんですけど、そんなに力まずしっかりと入れたので。真っ直ぐのコースはほぼ真ん中からちょっと外ぐらいです。(代打でいくときに大事にしていることは)自分は余計なことを考えてしまう癖があるので、タイミングだけをしっかり合わせること、シンプルな考えを求めて打席に立つようにしています。(チャンスの場面は)好きとかではなく、しっかり仕事をしようという感じです。(真っ直ぐは狙っていたのか)そうですね。真っ直ぐは基本で。(神宮出の本塁打は)初めてです。(神宮で本塁打を打って)結果的にホームランになったので最高なんですけど、しっかりと逆転することができたのがとてもよかったと思います。(飛距離が出たのはどんな練習の成果か)インパクトを強くっていうのを意識してスイングスピードっていうのは自主練習だったり、全体練習でできなかった課題をおさえているので飛距離が出てきたかなと最近は感じています。(右投手は打ちにくいなどは)どちらかといったら左の方が得意なんですけど、今日打席に立った時は右ピッチャーでもしっかり見えていたので特にはないです。(出番が来るまでの間はどういう目で試合を見ているか)いつでもいける準備はできているので。代打っていうのはいつチャンスが来るかわからないのでしっかり集中して、ブルペンで準備しているピッチャーをみてタイミング合わせたりとかはしています。(今日もブルペン見ていた?)はい、見てました。(山本投手はどんなイメージか)自分には癖がないように見えていたのと、真っ直ぐはちょっとシュート気味という感じで、そんなに余計なことは考えずに打席に立ちました。

 

・羽田野(法3=汎愛)

(今日は思い通りのピッチングができたか)そうですね。自分の持ち味である真っ直ぐがしっかり決まっていたので思い通りになりました。(監督が甲斐野以上の存在だと、どこに自信があるか)自分はまだ全然甲斐野さんには及ばないんですけど、これから自分の持ち味である真っ直ぐを磨いていって、甲斐野さんを超えるような存在になっていきたいです。(ブルペンではもっとすごい球が投げられると)そうですね、マウンドに合わないこともあるんですけど、今日はそういう感触はなくいつも通りに投げられたと思います。(先発とリリーフどちらがいいか)今はリリーフでやっているのでこれからも自分の与えられた場面でしっかりやっていきたいと思います。(ブルペンでは何㌔ぐらい)151㌔までは出ました。高校の時は147㌔がMAXです。(順調に上がってきたが)今年になってから結構上がってきたかなと思います。主にこの冬ウエイトトレーニングに励んだのでその成果が出てきているかなと思います。


TEXT=小林夏実