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東都大学野球春季1部リーグ戦・中大1回戦
4月20日(火) 神宮球場
○東洋大10ー2中大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
中大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 |
東洋大 | 1 | 1 | 1 | 0 | 4 | 3 | 0 | 0 | × | 10 |
二塁打:小口(一回)、岡崎(二回)
本塁打:橋本吏(五回)
○松澤(3勝)、河北ー廣岡
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (左) | 松本渉(営3=龍谷大平安) | 4 | 1 | 0 |
2 | (三) | 瀬川(総4=聖光学院) | 4 | 2 | 0 |
3 | (右) | 佐々木(営4=帝京) | 3 | 1 | 0 |
4 | (一) | 小口(法3=智弁学園) | 5 | 3 | 1 |
5 | (遊) | 木村(総4=霞ヶ浦) | 4 | 1 | 1 |
6 | (指) | 岡崎(営4=帝京) | 4 | 2 | 1 |
打指 | 上野(営3=浦和学院) | 1 | 0 | 0 | |
7 | (中) | 橋本吏(総2=花咲徳栄) | 4 | 1 | 4 |
8 | (捕) | 廣岡(総3=拓大紅陵) | 2 | 0 | 1 |
9 | (二) | 加藤響(総1=東海大相模) | 4 | 0 | 0 |
計 | 35 | 11 | 8 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
松澤(営3=帝京) | 7 | 108 | 6 | 1 | 3 | 2 | 1 |
河北(営3=浦和学院) | 2 | 21 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
橋本吏は2試合連続本塁打を放ちチームを勢いづけた
先発した松澤は安定した投球で3勝目をマークした
(写真提供:東都ベースボールWeb)
確実に勝利を手にしたい5戦目の相手は現在首位を独走中の中大。試合は初回から動き、小口(法3=智弁学園)の適時二塁打で先制に成功する。さらに、五回には橋本吏(総2=花咲徳栄)が2試合連続本塁打を放つなど打線が爆発。投げては先発の松澤(営3=帝京)が好投を披露し、見事10対2で勝利を飾った。
先発のマウンドを任されたのは今季4試合目の登板となる松澤。立ち上がりの初回を難なく切り抜け上々の滑り出し。だが、五回に先頭打者の中田(中大)に三塁打を浴び、失点を喫(きっ)す。松澤は七回まで投げ抜き、被安打6、2失点の投球で3勝目を挙げた。
この日は打線が本領を発揮した。初回、先頭の松本渉(営3=龍谷大平安)が四球で出塁し、2番瀬川(総4=聖光学院)の犠打により、二塁へ進塁。2死二塁の場面で打席に立った小口が右翼戦への二塁打を放ち、松本が生還する。二回には岡崎(営4=帝京)が指名打者としての役割を全うし、チャンスメイク。続く橋本吏が中前(中大)の失策により出塁すると、その間に岡崎が本塁を踏み、すぐさま2点目を奪取した。
まだまだ勢いは加速する。三回に木村(総4=霞ヶ浦)の左前適時打により1点を追加。3対1で迎えた五回、試合を決定づける出来事が起こる。先頭の瀬川が右前打で出塁すると、打線が面白いようにつながり、初回に適時二塁打を放った小口が石田裕(中大)をうまくとらえた。続く木村が四球を選び、得点圏へ。2死満塁、ここで打順が回ってきたのは橋本吏。「前の打席の分を取り返す」そんな思いで打席に立った。身長168㌢と小柄な体格ながら、真っ直ぐを力強く振り抜き、打球は中堅方向へ。中田(中大)が追うも、打球はグラブを弾いた。その間に自慢の脚を生かして激走し、本塁へ目がけてヘッドスライディング。勝利を大きく引き寄せる満塁本塁打となった。一挙4得点を挙げ、東洋大ベンチは歓喜に湧いた。立正大2回戦に続き、2試合連続本塁打を放ち絶好調の橋本吏。今後もこの男が打のキーマンとなるに違いない。
六回表に櫻井(中大)の二塁打で1点を返される。しかし、その裏の攻撃では高橋(中大)の暴投と失策が絡み、2桁得点の大台に乗せ、10対2とする。
松澤に代わり、続くマウンドには河北(営3=浦和学院)があがった。八回を三者凡退で抑えると最終回も危なげない投球を披露し、試合終了。
11安打と打線が猛威をふるい、中大の開幕連勝を6で止めた。3時間に迫るゲームながら「非常にいい集中力をしていた」と杉本監督は振り返る。勢いそのままに、2戦目も勝利の女神は微笑むか。ここから東洋大ナインの快進撃が始まる。
◼︎コメント
・杉本監督
(今日は6連勝してる相手に快勝しましたが)いや、今日もう勝たないと(中央大は)走っちゃうわけですから、それは阻止しないと。非常にいい集中力をしていたと思います。自分自身も。(中大の)ピッチャーが非常にいいので、いいっていう部分については言い方おかしいですけど、分かりやすいので、そこは徹底的でいいかなって思ってます。古賀君の配球というのがピッタリこちらの考えに合ったんじゃないかなと思いますけどね。反応で打てるようなピッチャーじゃないので。コースを決めて投げてくるので、そこにポトッと来て結果的に。それに関してはよかったかなと思います。(杉本監督にしては手堅く一回から三回は送った感じがしますけど)いや、そんなことはないですよ。本当はあの、技術のないやつがたくさんいるので。そこのところについては送りにならざるを得なかったんじゃないかと思いますね。向こうは6連勝で来ているので、通常の形で流れというものは崩せないはずなので思いっきりやっていこうかなと思っていたんですけど、僕のほうが先走っていたかなと思います。選手は今日はもう本当に集中力があったって言えば攻撃の方は良かったんですけどね。守りの方は4つもエラーして。隣の松澤が嫌な顔をしてましたけどね(笑)。そりゃそうですよね、だって自責点ないんじゃないんですかね、1つついた?
ーー松澤
はい、スリーベースされましたね。
ーー杉本監督
そりゃね、センター(橋本吏)が捕らなかったからね、捕ってたらそんなことなかったのに(笑)。でも今度はお返ししてもらいましたね。4倍返しですよ。今日はそういう意味では東洋大学の日だったと思いますね。(満塁ランニングホームランって見たことあったか)いや、ないですね。初めて見ました。記録にない変なことやるんですよね。ホームベース踏み忘れとか、そういうことやるんですよね(笑)。話題になろうと思ってやっているわけじゃないんですけどね(笑)。(明日が大事な試合となると思いますが)今日はこういう形で勝ちましたけど、明日の戦いも勝たないと中央さんにチャレンジ失敗という形になるので、明日、しっかり集中して、僕自身も久しぶりにいい集中していたので、そこのところは仕留めていきたいと思います。
・橋本吏(総2=花咲徳栄)
(どんな思いでランニングホームランを打ったか)前の打席で簡単にチャンスをつぶしてしまっていて、さらに満塁だったので前の打席の分を取り返す気で打たせてもらいました。(打ったのは)真っ直ぐです。(感触は)結構よかったと思います。(自信は)入ったとは思わなかったです。(どのくらいでいけると思ったか)一塁回ったぐらいのとき、センターが取れてなかったのが見えて、三塁コーチが腕回していたのでいけると思っていきました。(ベンチに戻った時のパフォーマンスのようなものでみんなで喜んでいたが一体何をやっていたのか)試合前、全員集まった時に打った時に何かやろうみたいな話があったので。(どういう動きか)横になんかこうやってる(動き実践する、結構楽しそうな感じで)そうです。あれでまとまった感じがしました。
ーー杉本監督
それで、調子だってエラー4つですよ(笑)
ーー橋本吏
(高校の時のホームラン数は)30です。(ランニングホームラン数は)0(生涯初めてか)いや、少年野球以来(笑)。(満塁ホームラン打ったことあるか)いや、初めてだと思います。
ーー杉本監督いや、すごいよね。この前3ランホームラン打って、打点王だよ(笑)。
・松澤(営3=帝京)
(大量リードがあったといえ、相手は6連勝のチームであり、その中で自分のピッチングはどうだったか)前回からそんなに調子はよくなかったんですけど、その中で前回は力いっぱい投げるというということをしてしまって。高めに浮いた球を打たれてしまったという反省を生かして、今日は抑え目で低く投げようということを考えていて。その中で森下(中大)選手や高橋(中大)選手というしっかり長打のあるバッターを抑えにいくという徹底していたことができたのでそれはよかったかなと思います。(古賀選手は)古賀選手も結構調子がよかったので、キャッチャーとミーティングしていたことはある程度できたのかなと思います。でもまあ、2安打されているのでまだ古賀選手の方が上だったのかなと思います。
TEXT=浅野琴美