記事
平成27年度東都大学準硬式野球春季2部リーグ戦・駒大1回戦
4月28日(火) 新座市総合運動公園野球場
東洋大21-8駒大(七回コールド)
今泉は初回の満塁本塁打でチームを勢い付けた
長打を放ちチームメイトと喜び合う高田(右)
初回、先制を許すもその裏に今泉(ラ3・磐城)の満塁本塁打などで5点を奪い、すぐさま逆転に成功する。打線の勢いは止まらず、六回までに21点を挙げコールド勝ちを収めた。
「ベンチのみんなが打たせてくれた」。試合後、今泉に満塁本塁打について尋ねると、真っ先にこの一言が返ってきた。初回、荻原主将(営3・宇都宮北)、そして今季初スタメンの高田(法3・東亜学園)の連打などで巡ってきた無死満塁の大チャンス。「チャンスで回ってきたのではなく、回してくれたという思いがある」と話す今泉が放った打球は、右翼手の頭を越えスタンドへ突き刺さった。その後の打席でも右方向へ快音を響かせ、5打数4安打6打点の大暴れ。常に謙虚に、そしてチームメイトのことを考える主砲が、打線が売りの東洋大の中でも一際存在感を放つ。
そして、この日もう一人存在感を放ったのが高田だ。今季はここまで引地(法3・都立井草)が全試合でスタメン出場を続けていたが、3連敗と低迷するチームの流れを変えるべく2番・遊撃手に抜てきされた。高田は初回から持ち味を発揮する。無死2塁の場面でバントを試みると、これが内野安打となりチャンスを拡大。今泉の満塁本塁打へとつながった。一死3塁のチャンスで迎えた第5打席では、初球を振りぬくと打球は右翼手の後方へ。快足を飛ばしダイヤモンドを駆け抜け、一気に3塁まで到達した。そんなもう1人のヒーローは「エラーもしてしまったし納得はできていない」と反省も忘れない。
主軸を担う今泉と、限られたチャンスをつかんだ高田。立場は違えど、見据える先は一緒だ。強力打撃陣は高い競争力を保ち、さらなる高みを目指す。
■コメント
・荻原主将(営3・宇都宮北)
勝てたのは良かったが、8失点を改善していかないと次の試合では厳しくなってくると思う。(打線の調子が良かったが)土日にしっかり打撃練習ができたので、それが大きかったと思う。(次の試合に向けて)帝京を止めないと優勝はないので、全力で今日のように戦っていきたい。
・高田(法3・東亜学園)
久しぶりに試合に出て、ちょっとは打てたがエラーもしてしまったし納得はできていない。(三塁打については)嬉しかった。続けていければと思う。(チームの良かった点)最近全然打ててなかったので、打線がつながったこと。連敗していたので、みんな危機感を持ってしっかりバットが振れていた。(次の試合に向けて)今日のような8失点している試合だと勝てないと思うので、しっかり気を引き締めて挑戦者の気持ちでやっていきたい。
・今泉(ラ3・磐城)
(初回の本塁打について)ベンチのみんなが打たせてくれた。チャンスだったので最低でも2点、2塁走者を還したいと思っていたが、でき過ぎた結果。(今日は4安打)1試合1本打てれば良いという気持ちでやっているが、その1本がここぞという場面で打てるように常にやっている。チャンスで回ってきたのではなく、回してくれたという思いがあるので、期待に応えたいというのがある。(次の試合に向けて)自分たちしか(帝京大に)黒星をつけるチームは無いと思う。帝京大とは毎回乱打戦になるが、自分たちが勝ちたい。
・三部(文2・福島成蹊)
初めてで、制球が定まらなかったが、(登板が)あるというのは常にイメージしていたので、練習から準備していたことを思い出して、途中から気持ちを切り替えてやることができた。自分の持ち味である緩急が使い切れなかったのが反省。打者のタイミングを外すなど、自分は投球術を武器にやっていこうと思う。次に登板機会があれば、緩急を使って、打者のタイミングをずらすような投球ができたらいい。(2番手以降の投手が課題だが)やはり制球。スピードが無い分制球や緩急で勝負していかないと通用しないというのは、今日初めて登板して感じているので、今後チャンスがあった時に、その持ち味を生かせるように。勝ち点が取れていない状況なので、そこは自分だけではなく、投手陣全員が奮起してチームを支えていこうと思う。
TEXT=當麻彰紘 PHOTO=中田有香