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東都大学野球春季１部リーグ戦・駒大１回戦
5月10日（月） 神宮球場
●東洋大４－５×駒大
| １ | ２ | ３ | ４ | ５ | ６ | ７ | ８ | ９ | 10 | 計 | |
| 東洋大 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ２ | ４ |
| 駒大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | ３× | ５ |
（10回より延長タイブレーク）
三塁打：小口（一回）
細野、石上祐、●松澤（３敗）ー後藤聖、廣岡
・打者成績
| 打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
| １ | （左） | 松本渉（営３＝龍谷大平安） | ２ | １ | ０ |
| 左 | 宮本（総２＝大阪桐蔭） | １ | ０ | ０ | |
| 打 | 牧（法４＝帝京第三） | ０ | ０ | ０ | |
| 左 | 水谷（営２＝龍谷大平安） | ０ | ０ | ０ | |
| ２ | （三） | 瀬川（総４＝聖光学院） | ３ | ０ | １ |
| ３ | （右） | 佐々木（営４＝帝京） | ５ | １ | １ |
| ４ | （一） | 小口（法３＝智弁学園） | ５ | １ | １ |
| ５ | （遊） | 木村（総４＝霞ヶ浦） | ４ | ２ | １ |
| ６ | （指） | 岡崎（営４＝帝京） | ４ | ２ | ０ |
| ７ | （中） | 橋本吏（総２＝花咲徳栄） | ３ | １ | ０ |
| ８ | （二） | 加藤響（総１＝東海大相模） | ２ | ０ | ０ |
| 打 | 矢吹（総３＝聖光学院） | １ | ０ | ０ | |
| 二 | 松本憲（営１＝成田） | ０ | ０ | ０ | |
| 走二 | 森川（総４＝浦和学院） | ０ | ０ | ０ | |
| ９ | （捕） | 後藤聖（法２＝京都学園） | ３ | １ | ０ |
| 打 | 山下（総３＝関大北陽） | １ | ０ | ０ | |
| 捕 | 廣岡（総３＝拓大紅陵） | ０ | ０ | ０ | |
| 計 | 34 | ９ | ４ |
・投手成績
| 名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
| 細野（総２＝東亜学園） | ３ 1/3 | 50 | ２ | １ | ３ | ０ | １ |
| 石上祐（法２＝東洋大牛久） | ２ | 40 | １ | ４ | ３ | １ | １ |
| 松澤（営３＝帝京） | ４ | 64 | ７ | ０ | ４ | ４ | １ |
打球が手を直撃しマウンドに座り込んだ細野
初回から三塁打を放ちチームを勢いづけた小口
十回左安を放ち、喜びを爆発させる佐々木
（写真提供：東都ベースボールWeb）
４連敗を喫し、５位で迎えた最終週は、駒大との直接対決で入替戦を占う試合形式に。駒大を一発で仕留め入替戦回避を狙う東洋大の選手たちはどれだけ出塁してもそれほど喜ぶことはなく、いつになく真剣な表情で試合を見つめていた。
初回、松本渉（営３＝龍谷大平安）が初球から出塁。その後の小口（法３＝智弁学園）の右中間を破る当たりで先制点を獲得する。小口は必死に走り三塁に到達。思わず雄叫びをあげ勝利への執念を爆発させる。続く木村（総４＝霞ヶ浦）も内野安打で小口が生還し２点目を獲得。４安打と好スタートを切った。
先発の細野（総２＝東亜学園）も好調の立ち上がりを見せる。出塁した走者を２度、けん制で撃退。見事、三者凡退に抑え東洋大優位の試合を作り出す。
四回裏、アクシデントが東洋大を襲う。佐藤勇（駒大）が放ったピッチャーライナーが細野の左手の甲に直撃。細野はマウンド上に蹲（うずくま）った。仲間たちが心配そうに駆け寄るもなかなか立ち上がることができず一時治療へ。再び姿を現したがマウンドに挨拶をし、無念の降板。それでも仲間たちに笑顔を残し最後まで気丈に振る舞った。
マウンドに残された思いを受け継いだのは同学年の石上祐（法２＝東洋大牛久）。しかし、細野の突然の降板に動揺したのか制球が定まらず１点を献上してしまう。その後は駒大に傾きかけた流れを必死に阻止すべく三振をもぎ取った。
なんとしてでも勝利したい東洋大は六回無死一、二塁の場面でエースの松澤（営３＝帝京）が登板。しかし、駒大打線を完全に食い止めることはできず１点返され、状況はなお２死満塁。この危機的状況に小口と後藤聖（営２＝京都学園）が併殺で対応し、なんとか１失点に抑えこの回を終えた。
両者一歩も譲らず２対２の同点で迎えた十回延長タイブレーク。今季初戦以来のタイブレークとなった東洋大はまたもや先行の不利な状態。瀬川（総４＝聖光学院）の犠飛、佐々木（営４＝帝京）の左安で２点を追加する。佐々木は力強いガッツポーズを決め、キャプテンとして最後までめげない姿をチームメイトに見せた。
２点をなんとか守り切りたい十回裏。極度の緊張感が神宮を覆う。この極限状態に松澤は耐え忍ぶことはできず、与倉（駒大）に二塁打を放たれ１点差に。続く鵜飼（駒大）にも左安を許しその間に２人生還。サヨナラ負けを喫し、入替戦への行方は最終日に持ち込まれた。
「最終戦、応援もありますし自分たちも応援があってこそ勝ってきたと思っている」と語った佐々木キャプテン。思い返せば、東洋大が連敗するようになったのは無観客開催になってから。声援が彼らの活気を後押ししていたのだ。最終戦は応援団の声が神宮に戻ってくる。観客そして應援指導部の声援を背に東洋大の戦士たちは運命の一戦に挑む。
◼︎コメント
・杉本監督
（２点取ってその裏、タイブレークの難しさだと思いますが守りはどんな戦略で）あのセンターのところの徹底ができてなかったかなと思いますね。あの頭抜かれたやつは同点っていうところでそれでちょっと前へ。最後の鵜飼君のところは勝負勝負っていうところで、あそこで満塁策っていうのはあるんでしょうけど、そこは難しいところだと思います。
（細野のアクシデント、現状ではどんな状態なのか）痺れは取れてきているんですけど。打撲ですね。骨折はしていないです。甲ですね。
（松澤が頑張って投げたが、疲れか）そうですね。あそこはやっぱりエースに。
（まさかこんなことになるとはという試合が続いてますが、ついに14日の最後に向けて）今日もそういうふうな話、「14日なんか無い。今日の試合だ」と話はしてたので。だから、選手のほうはすごく集中して、向こう（駒大）もそれだけ集中してますのでお互い様っていう感じで。これで逆に向こうに完全に勢いがついたので、それに対してこっちはどうやっていくか。（細野が14日いける可能性は）それはまだちょっと確認してないです。
（また福山の可能性もあるが、攻略は）あの、もう攻略の仕方や徹底は分かっているので。それは何も変えずに。
・佐々木（営４＝帝京）
（いいところでいいヒットが出て１点取れたが、あのヒットはどんな感じだったか）今までずっと抑えられてきたので、何も考えずに思い切りいこうと。
（入れ替え戦回避をかけて、あと１試合になりましたが最終戦に向けて）最終戦、応援もありますし自分たちも応援があってこそ勝ってきたと思っているので、そういう面では心強いなって思いますし、やっぱりもうやるだけなので、そこはチームで徹底することを徹底して、やり切るだけだと思っているので。それに結果がついてくればいい。全力でやっていきたいと思います。
（どういった攻撃を）内容的には悪くないと思いますし、今日も先制攻撃できた。後半が少し攻撃できなかったところが課題なので、そこをもっとしっかり後半ベンチでやれることをやろうと声かけたいです。
（細野のアクシデントがあって、その分みたいな思いは）細野はチームの柱でもあるので、その分ピッチャー陣が頑張ってくれると思っていますし、野手陣も今まで細野が頑張ってきてくれたからこそ、ここに立ててるので、最後の試合は勝って一緒に喜びたいと思います。
TEXT＝宮谷美涼
