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2015.04.30
アイススケート

[ホッケー部門]早大に大差で制し3位 秋リーグで頂点誓う

秩父宮杯第63回関東大学アイスホッケー選手権大会

4月29日(水)ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大9-3早大


[ゴール・アシスト]

02:24 今村(今野、田中)

19:08 今野(武尾、飯島)

22:13 今野(田中)

27:06 今村

33:05 武尾(柴田、今野)

48:02 山田(中澤、柴田)

52:48  人里(出口、古川)

55:21 今村(長原、武尾)

56:30 笹川(阿部、田中)


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大会を通して抜群の安定感を誇ったFW今野主将


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FW今村はハットトリックを決め得点を稼いだ


 FW今村(社4・白樺学園)が先制点を決めると、その後も上級生を中心に得点を重ね、終わってみれば早大に9対3で快勝。目標にしていた優勝には届かなかったものの、今シーズン幕開けの春大会を3位で終えた。


 「ポテンシャルを感じた試合だった」。3冠を目標に掲げてきたチームが、春大会は準決勝で敗退。3位に終わったものの、鈴木監督は次の大会につながる兆しを語った。中でもチームを率いるFW今野主将(社4・清水)は傑出しており、高く評価している。今試合では1ピリ残り1分、華麗なドリブルでディフェンスを翻弄。すると放ったシュートが一度壁に当たるも、跳ね返ったパックが相手GKの体に触れ、運よくゴールが決まる。運さえも味方につける好調ぶりをアピールした。さらに2ピリのPP(パワープレー)の場面では、DF田中(国3・Rockridge Secondary School)から絶妙なパスを受け、そのままパックをゴールに押し込む。個の力はもちろん、コンビネーションでも魅せた彼のゴールに会場からは歓声が沸き起こった。またFW今野主将は今大会を総じて11得点をマークし、絶対的エースとして活躍した。

 監督がもう1人MVPとして挙げたのが、「精神的にもスキル的にも成長した」と太鼓判を押すGK脇本(社4・苫小牧工)だ。1対1で攻められても、独特な構えで相手を威圧し得点を与えない。今試合は2失点したものの、チームからの信頼は厚く、欠かせない存在である。

 1ピリで先制したFW今村はハットトリックを達成。2ピリではFW武尾(社4・八戸工大一)がリバウンドに反応しゴールに押し込むなど、シュート数は早大より20本以上も上回った。終止流れを渡すことなく攻撃し続け9点を奪い勝利し、今大会は3位で幕を閉じた。


 準決勝敗退からわずか3日、悔しさを抱えながらも6点差での勝利で底力を証明した。3位決定戦でチーム全体が今持てる力をすべて出し切り戦い抜いたことは価値あることだ。秋リーグこそ頂点へ。持ち越された優勝に懸ける思いは、チャレンジャーとして秋に爆発させてくれるに違いない。


■コメント

・鈴木監督

全体的には悪くなかった。ただ準決勝のことを考えると反省点はしっかり実行できていない。逆に、チームのポテンシャルは去年以上に感じているし、準決勝でも負けはしたがいい面は見られた。トーナメント全体を振り返ると、競ったときに精神的な甘さが出てしまい、自己犠牲を払って我慢するところ、チームのために体を張るところがいい判断ができておらず、個々の感情でプレーしていた。ペナルティだけでなく、もっとチームのために勝ちに貪欲にならなければならない。(プレーが良かったのは)常に波なく数字的にもチームを引っ張っていたキャプテンの今野。ゴールキーパーの脇本も昨シーズンから精神的にもスキル的にも成長を見せてくれている。この2人がチームのMVP。目標に挙げていたのは三冠だったがその一つは取れなかったが、日本一のタイトルはインカレ。今のチームはしばらくタイトルを取っていないので、まずは秋に全力を注いで、次のインカレに繋げていきたい。(秋リーグに向けて)この大会でいい部分もポテンシャルも見られた。だが精神的にも自分たちをコントロールできなかった弱さが出たので、そこを修正していきたい。


・FW今野主将(社4・清水)

中大戦での反省を生かして、反則しないように強く意識した。3位と4位では全然違うので、最後勝って終わろうという思いで挑んだ。(チームの得点力に関して)1年生がスキルの高い選手が多く、ゴールのセンスもある。それに負けないように先輩たちもゴールへの意識が高まった。(春大会全体を振り返って)反則への意識など、自分たちが直せる範囲での課題も見つかった。秋リーグにつなげるために、反省点を意識してこれまでの練習と同じように練習していきたい。(ポイントゲッターとして)FWとして、点数を取ってチームに流れを持ってくるのが仕事だと思うので、いつもゴールに向かう意識を高く持っている。僕だけの力ではないが、決められたのはよかった。(今後は)3位で終わってしまったので、気持ちを切り替えていかないといけない。秋リーグとインカレの二大会で優勝できるように、反省を生かして優勝に向けて頑張りたい。


・FW今村副将(社4・白樺学園)

(3位という結果について)準決勝勝てた試合だったと思うので、すごい悔しい3位。(今日のよかった点は)1回追いつかれそうになったが、そこで気持ちを切らさずにまた点差を放すことができたこと。(修正点)2ピリに気持ちが切れてしまって相手にノーマークで点を取られてしまった。(秋に向けて)去年自分たちの目の前で明治が優勝して悔しかったので、今度は逆に自分たちが優勝するところを見せつけられるようにしっかり夏の間に準備したい。


・FW梅野副将(社4・武修館)

新入生もチームに良い影響を与えてくれた。結果3位だったが、いろんなものを得れた。(ペナルティについて)個人個人前回の反省をいかせた。やはりペナルティが多いと厳しくなるので、少なくいこうとみんな思ってた。(大量得点出来た理由)フィニッシュチェックが多かったこと。僕が今日フィニッシュチェックのスコアをつけたが凄い多かったのでそれが良かった。(FW今野主将好調の理由)キャプテンという責任のある立場にあるので、僕たちの何十倍もの責任を感じてると思ので、それが結果にでてる。自分も負けたくないです。(次の大会は)サマーカップは自分はまだ間に合わないと思う。ゆっくりあせらずやっていきたいです。(次の大会に向けて)優勝してしっかりインカレに繋ぎたい。


・DF田中(国3・Rockridge Secondary School)

準決勝で悔しい思いしたので、その悔しい思いをぶつけてくれた。波のある試合だったがキーとなる部分ではしっかりやれたと思う。チームでも個人でも課題見える大会だったので、秋までしっかり修正したい。(敗戦からどうやって切り替えたか)やっぱり大会なので、結果が全て。勝つために自分がチームのために何をするのか、考えてやった。(ペナルティについて)チームでもスタッフとも一人一人話し合った。反則に対する意識を変えた。今日の試合で少しは良くなったかなと思う。(3点目のアシストについて)時間もあったので、トモも良いとこにいたので、パスを出せば決めてくれると思った。練習でやってることができた。(今野選手好調の理由)トモも去年秋リーグとか出場できなくて悔しい思いしてたのと、キャプテンとしての責任感でゴールだけじゃないとこでも結果がでている。(次の大会に向けて)この大会で見えた課題を修正して、合宿で一人一人レベルアップしていけばチームのレベルも上がると思う。切磋琢磨してやっていけばこのチームはもっと良いチームになると思う。


TEXT=酒井奈津子 PHOTO=坂口こよみ、星和典