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2021.08.01
硬式野球

[硬式野球] 〜試練を与えられた春。ここからが勝負〜14日間連続インタビュー第1日目・杉本泰彦監督

2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。

       (写真提供:東都ベースボールWeb)


第1日目は杉本泰彦監督。チーム全体の調子が上がらず2部降格で終えたチームを指揮官はどのように捉えていたのか。思いがけない無観客試合への戸惑いや選手の起用方法を明かした。(取材日・7月17日、聞き手=宮谷美涼)


ーー春リーグ戦を振り返っていかがでしょう

2部に落ちてしまったんで、リーグ戦中盤というか折り返し地点の時までは4勝2敗だったんですけど、そこから6連敗ということで、本当にそこのところについてはガソリン切れなのかどうなのかというところですかね。


ーー2部落ちの原因は

これは完全に守り負けというところだと思います。エラーの数が極端に多いというところと、ピッチャーがなかなか踏ん張れなかったというのもあるんですけど、総失点と自責点の数が21かな?僕が今まで野球やっててそういうチームで野球したことがないので、びっくりしてます。


ーー試合後のインタビューで「オープン戦が少ない中で春リーグ戦に入った」と話していましたが

それはたぶん言い訳にしちゃいけない所だと思いますけどね。試合数というか、コロナとの戦いの中で感染リスクを減らした大学の指示が僕にとっては非常にありがたかったので、現場にそういう風にして投げかけるんじゃなくて、ちゃんと大学の方が責任をもって指示をしてくれたことについてはすごく感謝をしています。そこのところは仕方ないのかなというところと、そこは監督の力が足りなかったということなんじゃないですかね。


ーー春リーグ戦の先発は松澤投手(営3=帝京)と細野投手(総2=東亜学園)の2枚看板でした

好不調というのがあるので2人とも最初は良かったんですけど、途中からガソリンが切れてしまったという、これは練習不足などの投げ込み不足等々があると思います現実的に。本当は投手の量といいますか、うちには色々なピッチャーがいますので。ただ、そのピッチャーたちも使いきれなかった。調子が上がらなかったというのと、やはり1年生は3月の半ばくらいから一緒に練習を始めたので使えずじまいていう部分で、そこのところについては期待していた1年生がいたもんですから、戦力的にそこはマイナス要因かなと思います。


ーー細野投手が初先発でしたがどのような評価をしていますか

持っているポテンシャル的にはすごく高いと思いますけど、まだ全然出来上がってないので。実際に球数も放れないでしょうし、バランス的なところもそうだし、フォームもまだ固まってないので本当にここからだと思います。


ーー試合終盤では投手の継投が多かったように思いますが

実際そこのところについては、投手の投げ込み不足があるので、一人のピッチャーに対して負荷をかけるるとケガとかいうこともあり得るので、そこのところについては考えながらしっかり投手交代をしたつもりですけど。


ーー羽田野投手(法3=汎愛)の好投が目立ち、監督も甲斐野(H30年度営卒=福岡ソフトバンクホークス)よりポテンシャルがあるとおっしゃっていました

素晴らしいポテンシャルとチームの中で一番練習するので、意識もやっぱり上のステージでやりたいと思って彼は東洋大学に入ってきているので、練習量は一番あるんじゃないかと思うんですけど。その通りに伸びてきていると思います。


ーー中継ぎとして八、九回で登板していたましが

そこまでで勝っていたらいいんですけどね。そこのところであまり勝ってなかったんで登板する機会が少なかったのかなという感じがしますけどね。


ーーリーグ戦前に投手陣のテーマは「ボールを放り切る」ことだと仰っていましたが、実際に四死球の多さがみえました

そこは守備との兼ね合いもあると思うんですよね。守備がエラーを15もしたことを考えると何とか自分たちで抑えなきゃいけないというところでコントロールを乱したのと、打たれるということに関してて恐怖を感じすぎたのかなとという感じがします。


ーー国学大戦から無観客試合はどう捉えていましたか

無観客試合がどうのこうのじゃなくて、自身が試合をすることに関してあまり納得していませんでした。緊急事態宣言が出た瞬間に、学生野球って無観客でやらないといけないのっていうことを連盟に打診したんですけど、連盟は予定通りという話だったんで納得せずに。そこのところは学生野球なので学生とかその周りの人たちの危険とかを考えたときに緊急事態宣言が出たのならば2、3週間休んだとしてもスケジュール的には全然OKだったんです。それはどうなんですかという話をしたんですけど、計画通りに進めるという話だったので、まあ、そんなもんだろうなと思いましたけどね。


ーー加藤響選手(総1=東海大相模)がセカンドで出場されました

彼はかわいそうというか、非常に期待している選手なので、ただ彼も練習不足。オープン戦も2試合くらいしか出てなかったんですけど、そこで見切り発車しちゃったんでそこはかわいそうだったかなと思いました。


ーー捕手は前半は廣岡選手(総3=拓大紅陵)、後半は後藤聖選手(法2=京都学園)の起用でした

去年の秋の実績から見て廣岡を使ってたんですけど、配球とかリードとかそういうところを見て負けが積んでいったので、チームの打開策としてキャッチャー変えた方がいいかなという結論に達したので後藤を出しました。


ーー後藤聖選手の評価は

後藤はまあまあいいキャッチャーだと思いますよ。まだまだ経験が少ないので、これから辛抱して使っていけばいいキャッチャーになっていくと思います。


ーー試合終盤に差し掛かると打撃不振が目立ちましたが考えはありましたか

どういった形でとか指示を出したんですけど、それが功を奏さなかったというか、継続ができなかったことは確かにありますよね。そこだけについていうと、みんな理解はしてくれたんでしょうけど、理解できるのとやれることが常にイコールなわけではないので、そこについては課題が浮き彫りになったのかなというところはあります。


ーー入替戦まで1か月ありましたが

練習1か月あったので、きっちり練習できたつもりです。僕の方もしっかりと相手のチームのピッチャー、打線も研究して準備万端だったんですけど、それを上回るピッチャーの力がありました。


ーー入替戦初戦の日大の印象は

日大はピッチャーの赤星くんは打てない、攻略できないだろうなと思っていました。実際、戦っていていいピッチャーだと思いました。コントロールが良かったですよね。


ーー入替戦も打撃不振から脱せませんでした

そうなんですよね。相手のピッチャーのパターンとか何を狙ってどういうふうにしてやるっていうことに関して指示はできていたので、指示したとおりにできるかできないかただそれだけだったんですけど、実際できなかったんで力がなかったというところだと思うんですけど。


ーー2部降格となり、秋は1部復帰が目標となってくると思います

今はもうやっているんですけど、徹底的に自分たちができなかったことは課題として抽出されているのでそれに対してやっていくというところ。今の4年生も僕もそうなんですけど、入替戦も最下位も経験したことないチームだったので、2部に降格して、言い方おかしいですけど、3年生以下の選手にとっては糧になるのではないかと思います。3年生以下の戦力はたぶん他の大学よりもあると思いますんで、彼らがそのようにして2部の苦しい環境を経験することは非常に良いことだと思います。チームにとってはね。


ーー秋への意気込みをお願いします

秋はもう絶対に1シーズンで1部に上がるというところですね。4年生にとっては最後のシーズンですし、でも、4年生に頼るのではなくて、3年生以下は秋上がらないと来年神宮で試合が出来ないわけですので、自分たちで神宮でプレーする権利を勝ち取るんだぐらいの気持ちで秋を戦ってほしいなと思います。



※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。

※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。



◇連続インタビュー一覧◇

8月2日加藤響内野手

8月3日橋本吏功外野手

8月4日後藤聖輝捕手

8月5日細野晴希投手

8月6日廣岡隆成捕手

8月7日松澤海渡投手

8月8日羽田野温生投手

8月9日松本渉外野手

8月10日小口仁太郎内野手

8月11日大宮隆寛投手

8月12日瀬川航騎内野手

8月13日木村翔大内野手

8月14日佐々木俊輔外野手