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2年ぶりに開催された春季リーグ戦。前半は4勝2敗と春4連覇の兆しが見えたが後半失速し6位で終えた。負の連鎖は入替戦でも断ち切ることはできず2部降格。神宮を去ることになった。監督、選手とも初めての経験に何を思い、どう立ち向かうのか。それぞれの心境を14日間にわたりお届けする。
(写真提供:東都ベースボールWeb)
第2日目は1年生ながらスタメンに名を連ねた加藤響内野手(総1=東海大相模)。大学野球のスタートを切ったルーキーに厳しい戦いとなった今季やチームについて伺った。(取材日・7月17日、聞き手=小林夏実)
ーーシーズンを振り返っていかがでしたか
自分は1年生で先輩たちの分もやらなくちゃいけなくて、うまくいかないこともたくさんあったんですけど、そんな中でも先輩たちが自分がやりやすくなるように気を使ってくれました。そこは感謝しなくちゃいけないところですし、その期待に応えなきゃいけないっていうのもあります。なので秋は2部に落ちてしまったんですけど、2部でも活躍してチームに貢献して1部に上がれればなと思います。
ーースタメン出場を告げられたのはいつでしたか
リーグ戦が始まるちょっと前くらいですね。最後の練習試合があってその試合に出てしっかり結果を残して、そのあと監督さんに「リーグ戦スタメンで出すから」と言われました。
ーーその時の気持ちは
コロナもあって入寮とかも遅れて、練習試合とかもしっかりできていなかったので緊張とか不安がたくさんあったんですけど、1年生なので思い切ってやれればなと自分では思っていました。
ーー神宮球場でプレーするのは初めてでしたか
中学校の全国大会で何度か試合をしたことはあるんですけど、それとはまた違った緊張感でした。
ーーリーグ戦の結果を受けていかがですか
自分のバッティングができなかったりとか、リーグ戦前も練習試合の経験が少ない中でのいきなりリーグ戦でスタメンで不安とかもあって準備ができてなかった部分もありました。でもリーグ戦中に修正ができなかったというのが一番の自分の課題だと思ってます。秋のリーグ戦も2部で違う球場だとは思うんですけど、自分ができることはしっかりやらないといけないと思っています。自分はバッティングが売りなのでバッティングでまずはチームに貢献して、その中で結果を残していければなと思います。
ーー守備に関して先輩からアドバイスはありましたか
木村さん(総4=霞ヶ浦)にはリーグ戦の時は「思い切ってやれ」というふうに言われて。「気を使わなくていいからちょっとわからないことがあったら何でも聞いて」というふうに言ってもらったのでそこはうまく声を掛け合いながらできたかなと思います。
――バッティングの面でのアドバイスは
ずっと監督さんからはアドバイスをいただいていたんですけど、自分の中で修正できないことがあってリーグ戦で結果が出ないっていうことがありました。リーグ戦中ずっと「思い切っていけ」というふうに言われていたので、それは秋のリーグ戦で思い切った自分のバッティングをしたいです。
――無観客と有観客で違いは感じましたか
やっぱり観客がいた方が見られているなっていう緊張感があるというか、自分がそこでやるんだっていうわくわく感もあるので。無観客になると自分たちの声しか聞こえないのでちょっと寂しいなというのはあったんで、観客がいた時の方が1球にみんなが盛り上がって一喜一憂している感じがしたかなと思います。
ーー入替戦までの期間に取り組んだことはありますか
やっぱりバッティングがダメだったっていうのがあるので、春のリーグ戦よりも数を打ち込んだりとかちょっとバッティングフォームを変えたりとか微調整をして入替戦に臨みました。でもその入替戦も負けて2部に落ちたっていうことで逆にこの期間がいい期間だと思って自分のバッティングをもう一度見つめ直していきたいと思います。
ーーリーグ戦と入替戦を終えての収穫は
まずは大学生の球のスピードだったりキレとか、そういうのを他の1年生に比べたら経験できました。あとは神宮だったり大学野球っていうのをいち早く実感できたっていうのは大きな経験だったかなと思います。
ーー大学野球と高校野球で違いを感じたことは何ですか
ピッチャーのスピード感が一番違うかなと思います。
ーー対戦して印象的ピッチャーはどなたでしょう
亜細亜大学の松本投手はやっぱり自分が対戦してきたピッチャーの中でもキレだったり、コントロールだったりが、本当に手も足も出ないって感じだったかなと思います。
ーー東洋大学を選んだ理由を教えてください
東都大学で強いって言ったら東洋とか中央とかあったんですけど2個上の先輩で森下さんが中央大学に行っていて。1年と3年で高校の時に被っていて一緒だったんですけど、引っ張ってもらってばっかりだったので次は自分がプレーして対戦したいなと思ったので東洋大学を選びました。
ーー仲の良い選手はどなたですか
1年生はみんなと仲良くさせてもらってます。先輩だと橋本さん(吏功、総2=花咲徳栄)と仲良くさせてもらっています。
ーー橋本吏選手も昨年1年生の時から試合に出ていましたが
橋本さんも結構緊張してたみたいで、「あんまり気負わなくていいよ、打てなくてもいいから思い切っていけ」というふうに軽い感じの会話の中ですけど言ってもらいました。いいのかなっていうふうに思いながらもそういう気持ちでリーグ戦に臨みました。
ーー緊張するタイプですか
はい。結構緊張します。
ーーでは初出場となった立正1回戦はいかがでしたか
あの時は緊張しすぎて、打席に立って最初にバントのサインが出たんですけど、失敗しちゃって。すごい緊張してました。
ーーだいぶ慣れましたか
そうですね。先輩たちも結構声をかけてくれたりとか、橋本さんとかも「全然打てなくていいよ」とか「気にすんなよ」とか自分が落ち込んでいるときに声を掛けてくれるのですごいありがたくて、その分頑張らないといけないなというのは思いました。
ーー同じセカンドの山本翔(営2=成田)選手に声を掛けてもらったことはありますか
自分が出るってなったときも守備位置とかアドバイスをしてくれたりベンチに戻ったときも声を掛けてくれたり、自分のサポートをしてくれたので本当に感謝しないといけないなと思います。その前まで山本さんがずっと試合に出てたので、山本さんのためにもリーグ戦頑張ろうという気持ちでずっと臨んでました。
ーー監督やコーチからのアドバイスで印象的なことはありますか
監督さんからはもうずっと「打てなくてもいいから思いっきりやれ」っていうふうに言ってくださってたので、その分自分の中でやらなきゃいけないっていうのは意識してたのでもっと自分の持てる力を出せるように秋のリーグ戦は監督さんが言っていたように思い切って自分の良さを出していけたらなと思います。
ーー自身の強みやアピールポイントは
やっぱりバッティングが売りなのでそこの部分でチームに貢献していけたらなと思います。
ーー理想としている選手はいますか
リーグ戦でセカンドを守っていたので、ずっと一緒なんですけどヤクルトの山田哲人選手はずっと理想だと思っています。
ーーこの夏に取り組みたいことは何ですか
ポジションがサードに変わったっていうこともあるので、まずは守備位置に慣れるっていうことですね。試合に出る以上はしっかりと結果を残さないといけないので、周りの人たちよりも多く練習して、バッティングであったり守備であったりをもっと向上させたいです。そして、身体がまだ細いのでウエイトトレーニングや食事をもっと増やしてひと回り大きくなって秋のリーグ戦に臨めたらなって思います。
◇プロフィール◇
加藤響(かとう・ひびき)
生年月日/2002・6・15
身長・体重/180㌢・79㌔
出身/神奈川県
好きな食べ物/寿司(特にサーモン)
好きな球団/横浜DeNAベイスターズ
好きな選手/神里和毅選手(横浜DeNAベイスターズ)
※感染症拡大予防のため、オンラインでの取材をもとに作成しています。
※新型コロナウイルスに羅患された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
◇連続インタビュー一覧◇
8月3日橋本吏功外野手
8月4日後藤聖基捕手
8月5日細野晴希投手
8月6日廣岡隆成捕手
8月7日松澤海渡投手
8月8日羽田野温生投手
8月9日松本渉外野手
8月10日小口仁太郎内野手
8月11日大宮隆寛投手
8月12日瀬川航騎内野手
8月13日木村翔大内野手
8月14日佐々木俊輔外野手