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2021.09.11
サッカー

[男子サッカー]快進撃も全国初Vならず さらなる記録更新来年に

2021年度第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント 決勝

9月5日(日) 味の素フィールド西が丘


東洋大1-2法大



〈得点者〉(アシスト)

11分 梅津凌(神山)



〈出場メンバー〉

▽GK

青木祐太(国4=狭山ヶ丘)


▽DF

中村勇太(国4=鹿島Y)

神山京右(国4=横浜FC・Y)

大森大地(国4=帝京大可児)

田頭亮太(国2=東福岡)


▽MF

梅津凌岳(国4=京都橘)→71分 横山塁(国4=FC東京U-18)

山下勇希(国4=昌平)

前田泰良(国3=鹿島Y)

瀬畠義成(国3=JFAアカデミー)→77分 平川孟人(国4=市立船橋) 

高柳郁弥(国3=大宮Y)


▽FW

佐々木銀士(国3=青森山田)


総理大臣杯を準優勝で締めくくった東洋大


開始まもなく先制点を奪った梅津凌(左)


(写真提供:東洋大学体育会サッカー部)



※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。


 2021年度第45回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント(以下、総理大臣杯)決勝。ここまで破竹の勢いで駒を進め全国優勝まであと一歩と迫った東洋大の相手は、関東リーグ1部でプレーをする強豪法大。試合は梅津凌の活躍もあり前半に先制点を挙げるが、後半のアディショナルタイムに決定打を浴び1-2。惜しくも日本一には届かなかったが、準優勝という成果を収め部に新たな歴史を刻んだ。


 決勝は有観客で行われた。上限1000人という来場制限はあったものの、ゲームはこれまでの無観客試合とは違った雰囲気の中で進行する。まずこの大舞台で試合を動かしたのは東洋大だった。前半11分、右サイドから高柳のクロスに合わせたキャプテン神山。体を張ったプレーで競り勝つと、ファーに流れたボールを梅津凌が「思い切って左足を振り抜いた」とダイレクトに叩き込んで先制点を奪う。これには井上監督からも思わずガッツポーズが飛び出した。しかし依然としてゲームは法大ペース。東洋大は相手に攻め込まれる時間が続く中G K青木を中心に集中した守備でゴールを守り抜く。しかし迎えた41分、クリアミスを見逃さなかった相手M Fにダイレクトシュートを決められここで同点に。試合は1-1で後半に向かう。


 なんとかして点差を戻したい東洋大だったが後半も相手の猛攻に苦しむ展開。57分、左サイドから崩されるとそのままゴール目の前まで攻め込まれ相手のシュートを許す。これには大森、神山、G K青木と3人がかりでブロックし、間一髪のところでゴールを死守する。その後もチーム一丸となって厳しい局面を打破していく中、24分にはF Kのチャンスを獲得。こぼれ球を前田泰が力強く押し込み追加点を狙ったが、相手D Fに弾かれ得点には至らない。流れを変えられないまま相手のプレッシャーに尚も耐え続け、試合はこののまま延長戦にもつれ込むかと思われたアディショナルタイム。東洋大のパスミスから相手にボールを奪われると一気にゴール前まで進撃を許し、絶好の位置でF Kのチャンスを取られてしまう。会場全体に緊張が走る中、相手キッカーが放ったボールはゴールネットを揺らした。残り時間でゲームを巻き返すことはできず、1-2で試合は終了。総力戦でゴールを守り続けた東洋大だったが、最後の最後で攻撃を交わすことができなかった。

 

 日本一の栄冠こそ手にすることはできなかったが、部の出場記録を更新し続けたここまでの躍進ぶりは彼らにとって大きな収穫となったに違いない。井上監督も今大会を通して「選手個々もそうだし、チームとしても非常に成長してくれている」と振り返る。「応援してくれている方々に最後勝利を届けられなかったのは本当に残念」と悔しさをにじませたのは前田泰。それでも「また同じ舞台に返ってこないといけない」と早くも前を向く。全国優勝を目の前にして敗れたチームの心境は計り知れない。しかしこの悔しさはきっと後期リーグ戦、そして悲願の1部昇格に向けての起爆剤となるはず。「謙虚に強かに」。決して驕(おご)らない彼らのプレースタイルは必ずや実を結ぶことだろう。



※感染症拡大予防のため、現地での取材を行わず映像をもとに作成しています。


◼︎コメント

・井上監督

この総理大臣杯は部としては2度目の出場。初の決勝進出ということで、この大会通して非常にタフな戦い方を続けながらよく勝ち上がってきているなと思っているが、決勝の相手が1部の法政さんということで、難しいゲームになるということはある程度想像していた。立ち上がりいい形で先制をしたが、前半の終わりにもったいない自分たちのミスから同点に追いつかれたというところから、後半はかなり一方的に攻められる時間帯が長かった。我慢強くなんとか延長戦に持ち込んでっていう展開だったが、最後の最後で見事なフリーキックを決められてゲームが終わってしまったなという形。非常に厳しいコンディションの中でよく戦った思う。(優勝にはあと一歩届かなかったが、ここまでの躍進ぶりについては)この大会を通して選手個々もそうだし、チームとしても非常に成長してくれているなとポジティブな印象を受けている。もちろんスタートから出ているメンバーもそうだし、交代で入ってリズムを変えたり、ゲームを占めたり、試合を決定付けたりだとかっていうこともできているので、チーム全体の底上げとしても非常に大会を通していい成果が出たんじゃないかと感じている。ただこの大会でそれが終わってしまわないで、後期の戦いにいい流れを持っていきたいというのが今の考え。(後期リーグ戦に向けて)9月に入ってこの短い期間の間で3ゲームあったし、12日からリーグ戦が再開されて、延期のゲームもこの9月中に入ってくるというふうにスケジューリングされている。さらにこの先の3週間で6ゲーム入ってくるというかなりタフな日程。この総理大臣杯でチームとしても全体的に底上げがなされている方向に進みつつあるので、その流れを途切らせないようにしっかりとリーグ戦で結果に結びつけたい。


・梅津凌(国4=京都橘)

前半はこっちがボール持てたシーンもあって、自分たちのペースで進められて先制できたが、前半の最後の方から後半にかけては自分たちの運動量が落ちたっていうのもあって、法政大学さんに主導権握られて進められたっていうのはすごく厳しかったし、僕たちの課題かなと思った。この課題を後期のリーグ戦に繋げていけたら。(自身の先制点について)右サイドからのクロスで左サイドの僕の前が空いていたので、ここにボールがくるだろうなとは思っていて、そこに信じて走り込んだ時にうまいことこぼれ球がきた。思い切って左足を振り抜いたら入ったのですごいよかったかなと思う。(決勝は有観客試合だったが)有観客っていうことで僕たちの先輩も見にきてくださっていたし、すごく応援の方達の、あまり声は出せないので拍手っていう形ですけど、やっぱりそれがいつもの無観客とは違って僕たちの力になっていたと思う。(後期リーグ戦に向けて)関東リーグではまたこの悔しい思いをつなげて、今日の試合で得た課題を改善しながら、来週必ず勝って、そのまま1位で1部昇格につなげられたらなと思う。


・前田泰(国3=鹿島Y)

相手も法政大学さんということでなかなか普段できないような1部のチームと決勝戦を戦うことができて、貴重な経験という中で是が非でも勝とうという思いで臨んだが、最終的に勝ちきれなかったことは悔しい結果。相手が最後喜んでいる姿だったりを見て、来年また自分らが中心となって引っ張って、また同じ舞台に返ってこないといけないなと感じた。(決勝は有観客だったが)後期はリーグ戦有観客っていうのはうちのチームはない予定なので、唯一の有観客試合ということですごい試合前から楽しみではあったが、応援してくれている方々に最後勝利を届けられなかったのは本当に残念。まだまだレベルアップしていかないといけないし足りないなと感じた。(自身のプレーを振り返って)チャンスはいくつかあったものの自分が最後決めきることだったり、F Wやっている分得点という結果でチームに貢献しなければいけない中で、結果を残せなかったことはチームのみんなにも応援してくれる方々にも申し訳ない。複雑な気持ちではあるが、まだまだ自分の力が足りないのでレベルアップしていって、次は自分たちが喜べるように頑張っていかないといけないなと感じている。(後期リーグ戦に向けて)自分たちは2部リーグということで今年は何がなんでも昇格しないといけない。来年1部の舞台で戦うためにもさらに練習から強度を上げて、今は切り替えるのもなかなか難しいかもしれないが、また全員で応援してくれている方々や関係者の方々にいい報告ができるよう頑張っていきたい。




[次節試合予定]

第95回関東大学サッカーリーグ戦(後期)2部第15節

9月12日(日) vs東学大 会場非公表 14:00キックオフ

※ジェイネットTVまたは関東大学サッカー連盟公式Youtubeチャンネルにてライブ配信が予定されています。



TEXT=松本考史