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2021.10.08
硬式野球

[硬式野球] チャンスで快音響かずも九回に執念の猛攻で劇的勝利!

東都大学野球秋季2部リーグ戦・専大1回戦

10月6日(水)  大田スタジアム

○東洋大3-0専大



東洋大
専大


二塁打:佐々木(一回)、矢吹(二回)、加藤響(五、九回)

細野、一條、大宮、○河北(1勝)、羽田野ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(指)松本渉(営3=龍谷大平安)
(中)橋本吏(総2=花咲徳栄)

打中左宮本(総2=大阪桐蔭)
(右)佐々木(営4=帝京)
(一)小口(法3=智弁学園)
(左)矢吹(総3=聖光学院)

走中左向(営3=智弁学園)
(遊)木村(総4=霞ヶ浦)
(二)石上泰(営2=徳島商業)
(三)加藤響(総2=東海大相模)
(捕)後藤聖(法2=京都学園)


32


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総2=東亜学園)48
一條(総1=常総学院)36
野澤(総2=龍谷大平安)16
大宮(法4=鳥取城北)13
河北(営3=浦和学院)19
羽田野(法3=汎愛)12




       3回を被安打1で抑えた細野

 

  適時打を放ちベンチへガッツポーズを見せる加藤


     九回に点を取り盛り上がるベンチ 

       (写真提供:東都ベースボールWeb)


10月とは思えない厳しい日差しの下、何度も迎えたチャンスで毎回ホームベースが遠いなか、九回に執念の猛攻で会場を沸かせた。

 

 立ち上がり140㌔級の球で三者凡退に抑えた先発細野(総2=東亜学園)はニ回、先頭の今里(専大)にフェンス直撃二塁打を許すと、四球や守備妨害で無死満塁のピンチ。しかし7番山内(専大)を139㌔で空振り三振に仕留めるなど、なんとか失点を防ぎ、続く三回も無安打で後続へマウンドを託した。四回から引き継いだこの日最速147㌔の一條(総1=常総学院)は、味方の失策や死球で出塁を許すも、2回無安打の好投。


 一方で一、ニ回とスコアリングポジションに駒を進めるも、無得点のまま迎えた五回。四球や加藤響(総1=東海大相模)の二塁打で1死ニ、三塁の好機を作るも後藤聖の三ゴロで本塁を狙った石上奏(営2=徳島商業)はタッチアウトに。続く六回も、4番小口(法3=智弁学園)が9球粘った末に四球で出塁したが打線はつながらず。七、八回も快音響かず三者凡退で終わった。


 ピンチは打線だけではなかった。八回を任された河北(営3=浦和学院)は、先頭に四球を許すと送りバントで1死二塁。三番を右飛に抑え続く4番今里には申告敬遠を選択した。すると勝負を挑んだ5番にまたも四球を与え2死満塁の大ピンチ。しかし迎える6番外山(専大)をカウント2-2で追い込むと、なんとか中飛に仕留め無失点で切り抜けた。


 この勢いが流れを呼んだのかもしれない。0対0で迎えた最終回、先頭の3番佐々木(営4=帝京)が中飛に倒れても諦めなかった。この日まだ無安打の小口が執念の中前打に加え盗塁を決めると、この日ニ回に二塁打を放っている矢吹(総3=聖光学院)が申告敬遠。今月11日のドラフト会議を控えた木村(総4=霞ヶ浦)との勝負を選んだ。木村は投ゴロも見事進塁打に、さらに7番石上泰の四球で満塁とした。絶好の場面で回ってきたのは五回に二塁打を放っている8番加藤響。初球のボール球を見送り、続く2球目でバットを振り抜いた。打球は見事走者一掃の3点適時二塁打。これが決勝打となり専大1回戦で連勝を収めた。


 前日に今季初白星を挙げただけに、何としてでも勝利をもぎ取りたかったチームは、後一歩のところで踏みとどまりながらも互いに声を掛け合い前を向き続けた。何度もピンチとチャンスを繰り返した末の得点は、今後のナインの起爆剤となるに違いない。



■コメント

 

・杉本監督

(細野は3イニングでしたが)試合を重ねる中で、少しずつ増やしていければいいかなと。

(他の投手陣も無失点で)それはラッキーなことだなと。一條は完璧ですね。野澤と河北についてはラッキーしか言いようがないですね。ひょっとしたらチャンスが減るかも分からないです。今は大宮がいるので、結果的には。あと、昨日投げた渡邊がいて、松澤がいて、あとは岩崎がいて。

(選手に多くの経験を積ますということは)それはすごくいいです。申し訳ないんですけど、入替戦がないから。彼らにとっては、選手にとっては、入替戦って厳しいっていうくらい、入替戦があるからどうしても無理をして、やっぱり限られた選手になってきちゃうんですよ。でも、これだけ使えれば、彼らのリクルートというか、将来的な展望っていうような将来、野球ができるかどうかといったときには、いろんなところで、昨日ちょっと僕、言ったんですけど、ここはもう本当にオーディションですよ。会場だと思ってるんで。オーディション会場にたくさんの選手が立てるということは、僕は絶対的にいいという風には思います。厳しい入替戦があって、勝利に対してシビアになって、そこでの厳しさっていうのも非常に大切ですけど、それはチームとか、ひょっとすると監督に寄せられる評価かなと。本人の評価っていうのを考えると、やっぱり試合出たやつだと思いますので。

(廣岡選手は)廣岡は肩をちょっと痛めているんで。軽いキャッチボールはしてたような気がするんですけど。リーグ戦はどうですかね。間に合うか分からないですけど。

 

・加藤響(総1=東海大相模) 

(最後、劇的な二塁打でした)ベンチの先輩たちからもどんどん行けとずっと言われてきたんで。自分は春のリーグ戦から試合に出させてもらって、思いっきりやれとはずっと言われてたんですけど、それをうまく体現できなくて。こういう大事な場面でチャンスだということだったので。

(打ったのは)インコースまっすぐ。

(狙っていたのか)もうストライクボールは全部いこうというような感じで自分の中では思っていたんで。狙ったというか、反応で打てたという感じですね。

  

・木村(総4=霞ヶ浦)

(ドラフト前ラストゲームでした)やっぱり自分以外のドラフト候補選手の活躍っていうのは、自分のところにたくさん耳に入っているので。その中で自分のプレーというのが、なかなか出せない状況にあるんですけど。今まで、スカウトの目というのはけっこう気にしてた部分があったので、今日は気にしないようにっていう風に思っていたんですけど、思うような結果が出なかったという感じです。

(インコースに攻められていたが)その攻め方をされるのは春からずっと変わっていないので。その攻め方の数はもう何回も経験しているので。インコースに投げやすいというのは、どこのチームも分かっていることだと思うんで、それに対応できなかったっていう部分の実力不足っていうことになるかと思います。

(ドラフトはどのような思いで)アピールできなかったっていう部分については、自分の中では不安でしかないですけど、少しの可能性を信じて、いいドラフトになればなっていう風に思っているので。

(再開後の練習は)コロナになる前もそうだったんですけど、毎週のように実戦練習を行っていたので。実戦慣れ(していない)っていう部分がよく言われているんですけど、そういうことは自分たちにとってはないと思っているので、そこはあまり言い訳できる部分ではないのかなって思います。


TEXT=大塚早百合