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2021.11.05
コラム

第759回 プロ野球勝手に授賞式!新人王はダル憧れの道産子ルーキー? 執筆者・大塚早百合

全プロ野球ファンの皆さん!ついにレギュラーシーズンが終了し、6日からクライマックスシリーズが始まりますね。パ・リーグは25年ぶりにオリックス、セ・リーグは6年ぶりにヤクルトが優勝しましたが、なんと両チームとも昨季は最下位だったんですよね。選手もファンも念願の優勝をつかみ取った両チームですが、なんといっても若手の台頭が大きな原動力になったのではないかと私は感じます。オリックスは2年目の宮城投手や紅林選手が大出世し、ヤクルトでも同じく2年目の奥川投手が頭角を現しました。また本塁打数39本で1位タイの4年目村上選手は、22歳とは思えないリーダーシップでチームを引っ張っていました。


それにしても今年は本当にルーキーの活躍が目まぐるしい年でしたね。後半こそ失速したものの大きな注目を集め球界を盛り上げた阪神の佐藤選手、チーム成績は悔しい結果に終わりましたが、リーグ3位の打率.314、打点71、本塁打22で共に8位という成績を残したベイスターズの牧選手、守護神として37セーブを挙げ防御率も脅威の0.86をたたき出したカープの栗林投手など。やはり若い選手が頑張っている姿を見ると、より面白くなるしワクワクしますよね。個人的には同い年の宮城投手や奥川投手たちを見ると自分も頑張ろうという気にさせられます。


さて、というわけでポストシーズンが残っていますが、一足お先に今季の新人王を決定しようと思います!何度も言うようですが、今年は本当にルーキーの活躍が輝かしかったわけですが、私的新人王はなんといっても、強気なハートの持ち主で、謙虚さも忘れない、、その素晴らしさは野球だけではない道産子ゴールデンルーキーの・・・

                                                                             


北海道日本ハムファイターズ・伊藤大海投手です!!五輪でも「追いロジン」で話題になっていましたね。いや、でも彼の良いところをちゃんと知ってほしいんです!と言いましても私は巨人戦ばかり見ていたのでシーズン当初から彼を見続けたわけではないのですが・・・。はじめて伊藤投手を見たのは6月6日、巨人との交流戦。試合が始まる前のインタビューでは「菅野さんより絶対先にマウンドを降りない」と強気なコメントを残し、実際に5回でマウンドを降りた菅野投手に対し7回を被安打2で抑え勝利投手になりました。またDH制のパ・リーグ投手がバッターボックスに立つ姿はとても稀ですが、とても楽しそうに野球少年を彷彿とさせる姿の伊藤投手は、菅野投手との対戦に胸を躍らせ、試合後にSNSで「スライダーみれたのが嬉しすぎて(笑ってしまった)」と明かしているほどでした。そんな素直に野球を楽しみ真剣に戦う若手選手を見たら誰だって応援したくなりますよ!


近年、何か言えばすぐにSNSで叩かれるような時代で、強気な意思表示を避ける人はスポーツ選手に限ることではないですが、「頑張り”たい”」とかどんな言葉にも「~させていただきたい」など、丁寧すぎるおかしな敬語が蔓延しているように感じます。私は小さい頃から父と一緒にアニメ「MAJOR」を見て育ち、小学校5年生からは自身に満ち溢れた言葉とそれに伴う結果をしっかり出すフィギュアスケートの羽生結弦選手を好きになりました。なので、茂野吾郎や羽生選手のような強気な選手が大好きで応援しているし、人として尊敬しています。伊藤投手にはそんな強気な面と、それでも忘れない謙虚さの混じった素敵な魅力があります!なかなか10勝に手が届かないなか、最終戦30日ロッテ戦(ZOZOマリン)で待望の1勝をつかみ取った伊藤投手は、人格もプレーもMVPの最高にかっこいい新人王です!


最後に、伊藤投手の執念のピッチングを感じ取れるお気に入りのシーンを紹介します。

9月15日の西武戦(メットライフ)で先発し、1点差に迫られた5回2死二塁の場面でバッターボックスには山川選手。カウント2-2からバッテリーでサインが合わず、何度も首を振り続け、時にはマウンドに捕手の清水選手を呼ぶなど、あと1アウトを取るための1球にこだわり続けました。その結果見事空振りに仕留めガッツポーズ!SNSでは”手招き”が話題でしたが、私はその行為よりも、「自分の納得のいく自身のある球で、何としてでも打者を抑えるんだ」という気持ちに惚れました・・・!