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平成27年度春季関東学生卓球リーグ戦
5月15日(金) 所沢市民体育館
女子1部リーグ
東洋大0-4中大
●荒井(済2・正智深谷)1-3永田○
●石井(文4・千葉英和)0-3山本○
●川上(文3・真岡女子) ・中本(法3・明秀日立) 0-3口田・三浦○
村山は持ち味のプレーでチームを引っ張る
春季リーグ戦3日目。全日本大会出場など実績を持つ選手を多く擁する中大相手に苦戦する。この日も勝利を手にすることはできず、開幕4連敗となった。
「勝つことは難しい」。試合後、江尻監督はこの言葉を何度も口にした。4戦目も1ゲームも取ることなくストレート負けとなった。しかし、他の1部常連校と比べ戦力の差があることは既に把握済みだ。「練習の成果は出てきている」。江尻監督は勝敗とは別に、選手たちがどのように戦うかを重要視している。それはこの試合でも、垣間見ることができた。
1番手・荒井は果敢に攻めた。2セット目を奪う善戦。ショットが決まらない場面が見られたが、カットマン特有のゆったりとした返しにも必死に食らいついた。ゲームを取れなくても相手とラリーを打ち合うことで多くの経験を得られる。結果は出なかったが、緊張感や試合に臨む姿勢など本戦でしか味わえないものを確実に感じとった。村山も同様に攻め続けた。1セット目は先にセットポイントを取るもデュースに持ち込まれ逆転負け。2セット目、3セット目もリードを奪う場面はあったが、流れをつかみ取ることができなかった。だが、いずれのセットも相手にとって楽な試合展開にはさせなかった。的確なショットと臨機応変な対応で粘りの姿勢を見せ、持ち味を十分に発揮した。「よく戦っている。勝つなら村山。1勝してくれるのでは、と私は密かに思っている」。選手と監督に信頼関係がなければこの言葉は生まれない。エースの戦いに指揮官は手応えを感じている。
1部の舞台でまだ勝利を手にできていない。気持ちを切り替えていても、負け続けることは選手たちにとって、とても苦しいものだ。それでも戦う姿勢を怠ることはない。「何としても個人の1勝がほしい」。その言葉には強い思いが込められていた。
■コメント
・江尻監督
前回1部で戦った時と比べて試合は長く戦えている。勝負ができる一歩手前まできている。自分たちがやりたいことが少しできてきた。相手はユニバーシアード代表や全日本の舞台で戦っている選手たちで勝つのは難しい。レシーブがしっかりできるように練習してきて、ラリーにつながるようにしてきた。3回以上ラリーが続くようになって練習の成果は出てきている。主将はけがをしていて試合に出られないが、練習をサポートしたり選手のケアをしてきてくれた。そのことでチームは一つになれているし、ランクが上がったと思う。今のチームは主将なしでは語れない。なかなか勝ち切れないが、次につながる勝ちにいく姿勢は見せている。前回は初めての舞台で負け続けてきつかったが、今はそれがない。1勝することができれば、チームは変わる。大袈裟かもしれないが、個人の1勝は自分たちにとって優勝と同じくらいの価値がある。何としても個人の1勝がほしい。
・荒井(済2・正智深谷)
昨日は全部攻めてしまってダメだったので今日は2セット目からは突きで粘ってチャンスが来たときだけ攻めるようにした。昨日よりかはよかったが、まだチャンスを決めきれなかったりしているのでそれが負けてしまった原因だと思う。2セット目は途中負けていたが、このまま負けてはいけないと思い、きっちり一本をとりにいこうとした。いつも自分は1セット目で簡単に負けてしまい、2セット目からいい試合ができるようになるので、明日からは戦い方を徹底して1セット目からいいスタートを切れるようにしたい。
TEXT=伊藤拓巳 PHOTO=酒井桃子