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2015.05.16
サッカー

[特集:サッカー]前期第2弾 いつも笑顔で~長谷川望実~

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長谷川の笑顔はチームになくてはならないものだ



 「素晴らしい作品には必ず名脇役が存在する」使い古されたフレーズだが、このことはスポーツチームにも言えるだろう。活躍する選手の裏には陰で支えるマネージャーがいる。今、その中心になっているのは太陽のような笑顔が印象的な長谷川望実(ラ4・都立高島)だ。

 

 屈託のない笑顔でサッカー部について語る彼女は誰よりも輝いている。その顔には、まるでサッカーが、東洋大サッカー部が、大好きだと書いてあるかのようだ。しかし、その笑顔の裏には人知れない苦労が幾多もある。

 

 「選手たちが悲しんで辛い思いをしている時は、私も辛い」

 マネージャーも選手と同じ気持ちで試合に臨んでいる。しかし、決定的な違いがある。どんな試合内容であっても、ベンチに返ってくる選手を笑顔で迎えなければいけない。マネージャー陣の中では昨年から一人、最高学年となりチームを支えている。そのような立場の中、決して悲しい顔は選手の前では見せられない。疎ましがられているのではと心配になることもある。それでも、チームのモチベーションを上げなければいけないと力強く語る。自分自身の心と矛盾する表情を作ることは、誰もができることではない。キャプテンの遊馬(国4・武南)も「どんな時でも笑顔で迎えてくれるのはすごいパワーをもらえる」と語るようにその心がけは選手にも伝わっている。

 

 このような難しいマネージャーという仕事を全うしている長谷川を支えているのは選手の笑顔とマネージャーの先輩たちの励ましだ。

 なかなか居ないキャラクターだと自身でも語るが、下級生の選手たちにもいじられる。近い距離で接する彼女には選手たちも良いキャラクターだと口を揃えて言う。しかし、彼女自身もそのいじりに助けられていた。関東大学サッカー連盟にも所属し、リーグ戦の運営側にも回っている。そんな激務をこなす中で、選手たちは「疲れている?大丈夫?」と励ます。彼女が辛いときや落ち込んでいる時はその顔を笑いに変える。「笑わせてくれるのが一番大きい」と長谷川も感謝を寄せる。

 選手たちに加え、彼女を支えている存在がもう一つある。大窪(H25年度社卒)と染谷(H25年度文卒)、マネージャーの先輩二人だ。今でもその存在が一番大きいと語る。嫌なことがあったら電話などで話を聞いてもらい、「のんちゃん(長谷川の愛称)しかできないからがんばってね」と励まさられている。日頃の苦しみなども彼女たちの言葉で忘れることができるのだ。そして、彼女はまたいつもの笑顔でチームに現れる。


 そんな彼女の目標は2部優勝だ。東洋大サッカー部を選んだ理由は2部から1部に上がる瞬間が見たかったから。1年次にも経験をしているが、今度は主役の学年で―。再び、長谷川にその瞬間を見せるため、チームは勝ち点を積み上げる。その裏には長谷川の太陽のような笑顔がこれからも必要だ。Image title

時に、母のような暖かさで選手を見つめる


■長谷川望実(はせがわのぞみ)

H5・12・28

出身/都立高島

血液型/B

趣味/音楽を聞くこと、ライブに行くこと

好きなタイプ/面白い人、笑わせてくれる人


第3回は来週、5月23日(土)に掲載します。

お楽しみに!


TEXT=村田真奈美