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2021.12.30
アイススケート

[アイスホッケー] インカレ連覇に3冠達成!

第94回日本学生氷上競技選手権大会2021 アイスホッケー ファーストディビジョン(決勝)

12月29日(水) 帯広の森アイスアリーナ

○(優勝)東洋大7ー5明大


[ゴール(アシスト)]  

02:30 久米(福田、小堀)

11:17 武部(久米、宮田)

16:32 阿部(武部、木村)

19:50 小堀

25:10 阿部(中島)

47:13 大友(武部、阿部)

59:36 橋本(武部)


POS背番号名前
GK44佐藤(社2=白樺学園)
GK31中野  (社1=苫小牧東)
DF12福田(社4=日光明峰)
DF8石田(社3=武修館)
FW14久米(社4=駒大苫小牧)
FW27小堀(社4=白樺学園)
FW21宮田(社3=白樺学園)
DF23武部(社3=苫小牧工業)
DF9木村(社1=武修館)
FW10阿部(社3=駒大苫小牧)
FW39中島(社2=駒大苫小牧)
FW41大友(社1=白樺学園)
DF3駒田(社1=日光明峰)
DF22今(社4=武相)
FW19前田(社3=白樺学園)
FW29川岸(社2=八戸工大一)
FW13藤原(社3=武修館)
DF15吉川(社4=武相)
FW18佐曽谷(社2=八戸工大一)
FW45橋本(社2=駒大苫小牧)
FW11山崎  (社1=武修館)




 ついに明大との頂上決戦。学生日本一を決める日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)は決勝戦を迎えた。公式戦では明大にここ2年負けなしも、インカレは17年、18年と連敗中。序盤から点の取り合いとなった一戦は、東洋大がリードを許さず、2大会連続12度目の優勝。見事、インカレ連覇と3冠を達成した。

 

 両チームともに落ち着いた立ち上がりを見せる。しかし、アタッキングゾーンでプレーするのは東洋大。ここまでの試合と変わらず、攻めの姿勢で押していく。2分半、いきなり試合が動いた。PP(パワープレー)のチャンスで、FW小堀(社4=白樺学園)、DF福田(社4=日光明峰)のアシストをFW久米(社4=駒大苫小牧)が強烈なシュート。この試合で引退となる4年生の連携で大きな先制点を奪った。その後もアタッキングゾーンで攻撃を続けるが、10分42秒、東洋大ゴール付近でのフェイスオフからパックを運ばれ、同点に追いつかれてしまう。それでも40秒後、DF武部(社3=駒大苫小牧)が相手GK裏のルーズパックを押し込み、すかさず勝ち越し。しかし直後、ゴール右からうまく狙われ、再び振り出しに戻される。この状況でも流れを渡さない東洋大。16分半、PP(パワープレー)からFW阿部(社3=駒大苫小牧)が勝ち越しシュートを決めると、ピリオド終了間際、FW小堀が貴重な追加点を挙げる。中盤に2度も追いつかれたが、最初の20分を2点リードで終えた。

 

 第1ピリオドの勢いそのままに突き放したい東洋大だが、いきなり詰め寄られることに。開始20秒、一気にゴールまで走り込まれると、あっという間に失点。東洋大リードは変わらないものの、痛い立ち上がりとなってしまう。波に乗り始めた明大は、アタッキングゾーンで長く攻撃。しかしながら、5分、ゴール前にこぼれたFW中島(社2=駒大苫小牧)のシュートをFW阿部が決め、再び2点差とした。その後、惜しいシュートが何本も見られるも、得点には結びつかない。11分手前、ノーマークの相手が抜け出すと、2人がフリーシュートを打てる状況に持ち込まれる。それを冷静に決められ、1点差。ピリオド後半には、PP(パワープレー)でシュート攻勢をかける場面もつくるが、チャンスは生かせない。得点差を縮められたまま、運命の最終ピリオドへ向かうことになった。

 

 逃げ切りたい東洋大にとって、立ち上がりが重要となる。しかし、東洋大のスピードに慣れてきた明大も食らいついていき、立て続けにシュートを放たれる。これを必死のディフェンスで耐えると、7分手前にPP(パワープレー)を迎え、このチャンスを逃さない。FW中島がこぼれたパックを正面の相手GKからずらしてシュート。再び2点差とする。ただ、明大の粘りはここでも見られ、2分後のゴールで詰め寄られる。残り10分を切り、攻防戦はより激しさを増していく。両チームともにゴール前にパックを集め、シュートまで持っていくも、互いのGKが得点を許さない。残り1分半となったところで、明大のタイムアウト。そして残り1分、相手がGKを上げ、6人での攻撃を開始する。直後、強烈なシュートをFW久米がブロックすると、東洋大サイドは大盛り上がり。残り24秒には、アタッキングゾーンへ流れたパックにFW橋本(社2=駒大苫小牧)が追いつき、無人のゴールに流し込む。この2点リードを守り抜いて、歓喜の瞬間へ。ブザーが鳴り響くと、ベンチにいた選手がヘルメットとスティックを投げ捨て、リンクに飛び出す。そして、GK佐藤(社2=白樺学園)の元へ駆け寄り、優勝の喜びをかみしめた。


 どちらが勝ってもおかしくない戦いだった。シュート数を見ると、第2、第3ピリオドはともに同数である。第1ピリオドから常に先行していた東洋大の攻撃力、詰め寄られても崩れない東洋大の精神力が、この栄冠につながったのであろう。チームで掲げていた「3冠」(秩父宮杯、リーグ戦、インカレでの優勝)という目標を無敗で成し遂げた。そして、昨年の中止をはさんだ「連覇」の達成。まさに「常勝東洋」の時代である。また、ベストFWに久米と小堀、同DFに木村(社1=武修館)、同GKに佐藤が選出され、DF武部が最優秀選手賞を受賞した。表彰式を終え、選手とマネージャー、コーチ陣がリンク上で喜びを分かち合う。このチームでは最後の時間。会場に明るい声が響いていた。



※ 新型コロナウイルス感染症への対策により、現地での取材は行わず、配信をもとに作成しています。 


TEXT=青木智哉