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2022.04.03
硬式野球

[硬式野球] ~いざ覚悟の春、再び聖地神宮へ〜12日間連続インタビュー第2日目・加藤響内野手

昨季リーグ戦では多くの課題を見つけ、この冬レベルアップを図った東洋大ナイン。オープン戦を戦い多くの勝ち星をあげ、確実に自信をつけてきた。今季1部昇格に向けて、磨きをかけた彼らの覚悟の春が始まる。2部の開幕日まで硬式野球部の特集をお届けする。 


(写真提供:東洋大学硬式野球部)


第2日目は、2年目ながら攻撃の要を任されている加藤響(総2=東海大相模)内野手。監督や先輩からの期待も高く、プレッシャーがかかる中、オープン戦では苦しい試合も経験した。リーグ戦に向けて努力を重ねる彼が、チーム内で目指す役割について語った。(取材日・3月15日、聞き手=青木智哉)


――ここまでのオープン戦を振り返っていかがですか

去年と比べて今年はチームも明るく、つながりのあるチームになっているとチーム全体として感じています。 


――個人的にはどうでしょう

一打席一打席の大事さを、今すごく感じていています。打てないこともありますが、これも一つの勉強だと思っていて、野球ノートで自分がどう攻められているとか、どういう球が来たとか、そういうのを記録してリーグ戦で同じ失敗を繰り返さないように、自分なりに工夫しているところです。

 

(写真提供:東洋大学硬式野球部)


 ――以前のインタビューでは冬の期間にウエイトトレーニングや体幹トレーニング、スイングなどの基本的な練習に取り組みたいとおっしゃっていましたが

秋のリーグ戦が終わったところから、2月にまではウエイト、体幹、ゴロ捕球、スイングなど基本的なことをメインに、基礎を固めていこうと自分の中で決めていて、そこはしっかりこなせたかなと思っていて。今オープン戦でほとんどの試合に出場していますが、秋のリーグ戦みたいに後半に疲れが来てバットが振れないとか、疲れで自分のパフォーマンスが落ちるということはだいぶ無くなってきたのかなと。あとは自分の技術、気持ちの持ち方だけなのかなという風には思っています。

 

――以前、課題として挙げていた変化球の捉え方に関して、意識して取り組んだことはありましたか

自分が打てないというよりかは、自分とピッチャーの対戦に対してどの球種を待つとか、そういう自分の打席の中での待ち方とかといった考え方だったのかなという風に感じていて。秋のリーグ戦と今ではちょっと考え方を変えてやってみて、これまで手が出なかったところでもバットが振れるようになって、少しずつミスショットも減ってきているのかなと。自分の中ではそこの感触は悪くはないように思います。

 

――その他、冬の期間で取り組んだことや意識したことはありましたか

秋のリーグ戦ではどうしても自分の思うように身体が動かなかったり、体力というのがまだまだ足りなかったので。冬はとにかくきつくても練習を続けたり、これまで練習していなかった時間帯にやってみたりとかしました。誰よりも練習をしないといけないという思いはあったので、量を増やすわけではないですけど、どういう風に取り組もうとか思って。今、オープン戦が始まってわりと身体の調子はいいので、やってきたことはよかったかなと思います。

 

 ――冬の期間やオープン戦を通して見つかった課題は

もっとチームの中心であることを自覚して、これからも行動であったり、練習であったり、そういうところから意識をもってやっていかなくてはいけないなという風に思いました。自分の思うようにいかない部分もあって、後ろにもいいバッターはたくさんいますし、監督が自分を期待して、使い続けてくださっているんで。その期待に応えなくてはいけませんし、落ち込んでいる暇もないので、とにかく練習してチームを勝たせられるように取り組んでいきたいと思います。

 

 (写真提供:東洋大学硬式野球部)


――この春、先輩になるという意識的な変化はありますか

1年のときは本当についていくというか、あまり自分が自分がという気持ちはなかったんですけど、レギュラーでずっと使ってくださったり、後輩が来たりすることで、もっとチームを引っ張っていくプレーであったり、声掛けをしなくてはということや、すべての面で周りに見られているんだという自覚は芽生えてきています。そういった面では今までとは違って、行動であったり、そういうところを見られている意識を常の持ちながらグラウンドでプレーしています。


  ――チーム全体として意識していることは

去年とは違って今年は、試合の中で「こうだったよ」という、自分が感じたことをすぐベンチの中で共有したりだとか、ちょっと違うなって思ったところをすぐみんなで共有していくことをキャプテン中心にやっていこうという方針なので、試合に全員が向かっていっているなという風には感じています。

 

――4年生を中心にまとまっているのですか

そうですね。小口(法4=智弁学園)さん中心に松本(営4=龍谷大平安)さんであったり、こういうことがあったとか、すぐ情報を回してくださって。やはり試合経験が多いので、こういうピッチャーだったらこうだとか、そういったこともアドバイスしてくださっているので、すごくやりやすい環境ではありますし、チームが少しずつ一体になってきている感じはあります。

 

――今のチームの力はどうでしょう

2部に落ちてしまいましたが、2部にいてはいけないチームだと思いますし、先輩たちのプライドとかもあると思います。そういったところでもっと強くならないと2部でも1位になれませんし、また神宮でプレーできないと思うので、もっともっと強くならないといけないと感じています。

 

 ――春季リーグ戦開幕への心境はいかがですか

自分でいっぱいいっぱいなところは正直あって、リーグ戦が近いということはあまり感じていなくて。焦りはありますけど、何かをきっかけに絶対に変われると思うんで、今はもうがむしゃらに頑張っています。


 (写真提供:東洋大学硬式野球部)


――リーグ戦での個人的な目標は

まだ打率3割に到達していないので、打率3割以上、首位打者を目指してやっていきたいという気持ちもありますし、チームがここで一本ほしいというときに打てるバッターになりたいと思います。

 

――リーグ戦ではどのようなプレーがポイントになると思いますか

2部だからといって、そんなにレベルが落ちるというわけでもありませんし、ピッチャーのレベルも1部とそんなに変わらないと感じているので、チャンスのここ一本であったり、首位であったら粘り強く守り続けるだとか、ファインプレーではなく、いかに粘り強く戦い抜けるかが、すごい大事になってくると思います。

 

――松本渉選手らがリーグ戦のキーマンとして加藤響選手の名前を挙げていましたが、いかがですか

松本渉さんはいちばん最初の同じ部屋の先輩で、自分が悩んでいるときに、本当にこの人に話を聞くしかないなと松本さんにお聞きしました。松本さんも1年生のときからずっと試合に出続けていて、いろんなプレッシャーを感じていたとおっしゃっていたので、松本さんのアドバイスがすごく心に響いて。そうやって先輩たちも期待してくださっているので、その分、自分が打って守って走って、チームを勝たせられたらと思います。


――最後に春季リーグ戦への意気込みをお願いします

チームとしてはなんとしても2部で優勝して、入替戦で勝って、1部に行きたいという思いが本当にあって。個人的な目標としては、チームの中心選手として、ここぞという場面でチームを勝たせられるような選手で、春を終えられたらと思います。



◇プロフィール◇

加藤響(かとう・ひびき)

生年月日/2002・6・15

身長・体重/180㌢・79㌔

今年度の目標/単位を取得できるように勉強も頑張る

自身のこのプレーに注目/ここぞというときの一本

冬の期間の思い出/ずっと野球をしてたこと



※オンラインでの取材をもとに作成しています。


◇連続インタビュー一覧◇

第1日目 杉本泰彦監督 「強かなチームに」

4月4日 松本憲信内野手

4月5日 一條力真投手

4月6日 細野晴希投手

4月7日 松澤海渡投手

4月8日 後藤聖基捕手

4月9日 石上泰輝内野手

4月10日 矢吹栄希外野手

4月11日 羽田野温生投手

4月12日 松本渉外野手

4月13日 小口仁太郎主将


◇2部開幕前特別企画◇

4月14日 3年外野手対談〜橋本吏功外野手・水谷祥平外野手・宮本涼太外野手〜

4月15日 ラストイヤーに向けて〜河北将太投手・渡邊友哉投手〜