Article

記事


2015.05.24
水泳

[水泳]ジャパンオープン最終日、課題が浮き彫りに

ジャパンオープン2015(50m)

兼第5回世界ジュニア水泳選手権代表選考会

5月22日(金)~24日(日) 東京辰巳国際水泳場


(3日目・予選)

◆女子200m個人メドレー

3組

7着 露内 2'19"46

4組

5着 山口真 2'18"35

5組

9着 大橋 2'21"23

◆男子200m個人メドレー

4組

1着 萩野 2'01"03

→全体2位で決勝進出

◆女子50m自由形

5組

1着 内田 25"63

→全体1位で決勝進出

◆女子100mバタフライ

2組

1着 藪 1'01"17

◆男子100mバタフライ

5組

1着 三好 53"27

→全体5位で決勝進出

◆女子200m平泳ぎ

1組

DNS 金指

2組

8着 三田村 2'34"92

4組

1着 青木 2'26"66

→全体4位で決勝進出

◆男子200m平泳ぎ

4組

7着 上田 2'19"49

6組

DSQ 毛利

8組

1着 山口観 2'12"03

→全体3位で決勝進出


(3日目・決勝)

◆男子200m個人メドレー

3位 萩野 2'00"04

◆女子50m自由形

1位 内田 25"14

◆男子100mバタフライ

6位 三好 53"14

◆女子200m平泳ぎ

5位 青木 2'26"55

◆男子200m平泳ぎ

6位 山口観 2'11"71


Image title

体調が足を引っ張った萩野


Image title

山口観は持久力不足を課題に挙げた

Image title

天井(JAPAN)、内田も参加した壮行会


 ジャパンオープン最終日、選手たちは思うような結果を残すことができなかった。萩野(JAPAN)、内田(JAPAN)など有力選手を筆頭に、これからの課題を再発見する機会となった。


 「体がきつい」。今日出場したほとんどの選手が口にした言葉だ。大会続きのスケジュールと練習の疲れがたまった体で迎えた最終日、その疲れは顕著に結果として表れた。

 前日、優れない体調を押して泳いだ萩野は、200m個人メドレーに出場。予選から自由形で失速するなどいつもの余裕が見られない。決勝では背泳ぎでリードを奪ったものの平泳ぎから徐々に勢いをなくし、最後は瀬戸(JAPAN)に大差をつけられ3位となった。試合後には体調管理の大切さを課題に挙げ、改めて世界選手権に向けての意欲を示した。同じく日本代表として女子50m自由形を泳いだ内田は、1位を獲得したものの、「これでは世界で戦えない」と自身の泳ぎを振り返る。持久力、スピード、スタートの飛び出しと修正すべき点を指摘し、「世界選手権に向けさらにレベルの底上げが必要」と語った。

 ユニバーシアードを控えた青木(営3・武蔵野)と山口観(営3・志布志)も、レース直後に疲労感を見せる。青木は今回インター突破を視野に入れたレースだったが、不調も重なり思うようなタイムを出せなかった。専門とする女子200m平泳ぎでライバル福留(鹿屋体育大)に敗れ、ユニバーシアードでの対戦をリベンジの機会として見据えている。また、山口観もレース内容には納得していない。予選を全体3位で通過し、決勝での結果に期待がかかったものの結果は6位。「スピードと持久力をつけなければ世界には通用しない」とこれからの課題点を挙げた。

 また、大会後には世界選手権代表選手団壮行会が実施された。競泳をはじめ、飛び込みやシンクロナイズドスイミングなど全ての選手団が顔をそろえ、目標を公言。萩野は複数種目でのメダル獲得を挙げ、また8継でのメダルの期待も語った。

 今回の大会では疲労に悩まされることが多かった選手たちだが、三好(営2・八幡浜)が話したように、「そんな時に出るのが実力」である。いつにも増して持久力と体調管理の重要性が浮き彫りになった今大会。それらを念頭に置きながら、次の大会へつなげていくのが最優先の課題である。


■コメント

・青木(営3・武蔵野)

予選を泳いでみて、感覚よりタイムは良かったがとてもバテてしまった。決勝ではバテることなく最後も上げられたのでレース内容は良かったと思う。インター突破には全く届かなかった。25秒は出したかった。足の引きつけや手の絞り方も本番の後半でももっと意識できるようにしていきたい。(ユニバーシアードに向けて)福留(鹿屋体育大)も200m平泳ぎの代表で、今日は負けてしまったがユニバでは自分の記録を出して、お互いに競い合えるようにしたい。

・内田(JAPAN)

予選よりは決勝の方がうまく泳げたと思う。決勝ではアップを伸ばし、水をつかむ感覚を意識して確認した。世界選手権では50mも100mもこの記録では戦えないと思うので、レベルを底上げしていきたい。これからは持久力とスピードをつけていきたいと思う。もっとスタートから飛び出して、最後まで誰も寄せつけないような泳ぎをしたい。

・萩野(JAPAN)

疲れもあって、最後のフリーまで粘ることができなかった。バタフライは悪くなかったと思うが、今回の結果を含めてヨーロッパに向けて成績につなげていきたい。課題としては体調管理をしっかりすること。これはスタートに立つ以前のことだが、改めて重要性を感じた。日本で最後に行われる大会はこのような結果になってしまったが、まだ強化する時間はある。レースでも練習でも満足できるパフォーマンスをして、世界選手権につなげていく。

・山口観(法3・志布志)

体がきつい。結果としてはこんな感じだろうなという結果になった。練習の一環として出場した大会で、帳尻合わせのような練習でも11秒台で泳いでいるので、これからの連戦で11秒を出し続けることができれば力がついた証拠になる。しかし泳ぎとしてはあまり納得していない。悔いの残るレースになった。今回は前半も後半もうまく泳ぐことを目標にしていた。これからはパワーと持久力をつけていかなければいけないと思う。ユニバが最後ではない。インカレや国体、最後まで気を抜かずにレースをして来年にどれだけ結びつけられるかが今年の課題だと思う。

・三好(営2・八幡浜)

予選よりも決勝の方が良くなかった。インター突破を狙っていたが全く届かなかった。今回はずっと不安続きで、何とか頑張ったがまだまだだった。昨日を経て今日は疲労をとることしか頭になかった。疲労困ぱいだったが、そんな時に出るのが実力だと思う。まだまだ(実力が)足りないと感じた。(インカレに向けて)悔しい思いばかりしているので、インカレこそは良い姿を見せたい。


TEXT=佐田毬絵 PHOTO=青野佳奈、吉谷あかり