Article

記事


2015.05.26
サッカー

[サッカー]2失点の完封負け!ピッチで感じた首位との差

第89回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)

第10節 5月24日(日)  千葉県総合スポーツセンター東総運動場

東洋大0-2日体大


<警告>

13分 高橋宏

84分 徳市 

89分 佐藤


<出場メンバー>

▽GK

沖野泰斗(国4・幕張総合)

▽DF

今井裕基(国4・埼玉栄)

郡司昌弥(国4・柏U-18)

浦上仁騎(国1・大宮Y)

石坂元気(国4・広島Y)

▽MF

飯島樹生(国3・流経大柏)81分→MF徳市寛人(国3・東福岡)

田中舟汰郎(国3・横浜FC・Y)79分→FW佐藤仁紀(国3・武南)

仙頭啓矢(国3・京都橘)

高橋宏季(国1・FC東京U-18)

小山大貴(国4・大宮Y)69 分→MF坂元達裕(国1・前橋育英)

▽FW

遊馬将也(国4・武南)


Image title

郡司のシュートは惜しくも枠を超えた


Image title

前半は守備に追われた高橋宏


Image title

小山大は前線で体を張った


 前期リーグも残り2節。首位日体大との一戦は、前半から相手のペースで試合が展開する。後半は東洋大が攻勢に転じるも、78分と80分に右サイドから立て続けに失点。攻撃的な選手を次々に投入するも得点を挙げられず、首位との差を痛感させられる結果となった。


 内容で圧倒されたわけではない。それでも攻撃の最後の精度、守備の最後の踏ん張り、ほんの小さな差が数字という大きな結果で表れた。

 試合前の円陣、いつも以上に大きな声が響き渡った。首位叩きは昇格への絶対条件、チームの士気はスタンドまでひしひしと伝わってきた。

 しかし前半から主導権を握ったのは日体大だった。シンプルにサイドや裏のスペースを使う相手の攻撃に手を焼き、自陣に押し込まれる時間が続く。さらに相手の激しい球際へのプレスになかなかボールを持たせてもらえない。「前半はミスが多くてあまり攻撃のリズムが作れなかった」と高橋もうなだれた。普段冷静なプレーを見せる選手でさえも、いつもは見せないようなミスが目立った試合だった。「相手のプレッシャーを怖がってしまった」と古川監督も語るように、向かうところ敵なしの日体大を相手に東洋大スタイルは影を潜めた。

 「恐れずに戦おう」。そう監督から送り出されたイレブンは後半、生まれ変わったように輝きを取り戻した。前線に縦パスが通り、ボールが収まるようになるとそこから連動が生まれる。48分には遊馬の落としから田中がシュート。53分にも遊馬のスルーパスに田中が抜け出す。さらにはサイドバックの攻撃参加も増え、得点の匂いが漂いだした。71分にはセットプレーの流れで前線に残っていた郡司がボレーを放つもバーの上。再三、裏のスペースに選手が抜け出すも、リーグ総失点4の日体大の屈強なディフェンスが幾度となく立ちはだかった。すると78分、一瞬の隙を突かれ右サイドから高精度のクロスを挙げられる。ボールはキーパーとディフェンスの間を通過するとファーで待っていた選手に押し込まれ先制を許してしまう。圧倒的な東洋大ペースだった後半が一転、試合の風向きは逆風に変わる。80分にも同じく右サイドからクロスをあげられると中央でヘディングシュートを決められ2失点。攻撃へエネルギーを出したい東洋大だったが、日体大のファウル覚悟の激しい守備に苦戦しゴールへの道筋が描けず。終了のホイッスルが響き渡ると選手は膝に手を突き呆然とするしかなかった。

 押し込まれ続けたわけではなく、とくに後半は自分たちのサッカーをある程度展開できた45分だった。しかし終わってみれば2失点の完封負け。そこにリーグ全勝、首位をひた走る日体大の強さを感じた。「とても痛い」とこの敗戦を表現した監督。ここまで上位陣には勝ち点を取れず、順位は変わらずの4位のまま。ただ勝ち点差だけがひらき、前期リーグはあと1節を残すだけとなった。リーグ戦は一旦中断、チームは土曜から始まるアミノバイタルカップに心を切り替える。4年生にとっては最後の全国大会へつながるチャンス。悲願の全国大会出場なるか、そしてチームに刺激を与えるニューヒーローは現れるのか。舞台は御殿場・時之栖、初夏の決戦が幕を開ける。



■コメント

・古川監督

上位陣に離される形となり結果的にはとても痛いものになってしまった。選手たちもこの試合の重要性は分かってくれていたし、後半失点するまでは押し気味にゲームができていた。セットプレー絡みで、流れから失点をしてしまいゲームのバランスが崩れてしまった。2失点目のところは、我々がリードあるいは同点の状態なら無かった失点だと思うから致し方ない部分がある。今日の試合に限っては、先制点が重要だったと思う。(後半の指示)前半、相手のプレッシャーを怖がってしまったところがあって、慌ててしまう場面があった。まずは、メンタル的な部分で恐れず戦おうという話をした。前後半通して何回か得点になりそうなチャンスはあったが、相手のディフェンスもしっかりと対応して体を張っていて、相手を褒めなくてはいけない部分もある。やはり、そこで決めきれるか、クロスやラストパスを通せるか、ポイントに入っていけるか、というちょっとしたところだけど、全勝の日体大は毎試合そこをやれている。終わってみれば0―2ということで完敗と言わざるを得ない。(アミノバイタル杯に向けて)しっかり勝ち切って弾みを付けたかったのが率直な気持ち。ただ別の大会でもあるからしっかり準備して、全国大会出場という目標をなんとか達成できるようにしたい。去年、2部の中でも法政大が総理大臣杯でファイナルまで進出し、最終的にはそこで得たことを生かして昇格へとつなげた。我々もそれをいいモデルとして、アミノバイタルカップと総理大臣杯を上昇のきっかけとしたい。


・郡司昌弥(国4・柏U-18)

失点するまではこっちにも決定機が何個かあったが、その中でクロス一本でやられてしまってもったいなかったと思う。(首位の日体大対策は何かあったか)特別やったことはなかったいつも通り。相手の前線の4枚が強くて、収めるのが上手いのでそこには注意していこうとは言っていた。(実際どうだったか)FWの2枚は強かったが、やれないことはないと思った。戦ってみた中で後ろがしっかりしていた。そこは見習わないといけないとは思った。(中断後の前期最後の試合に向けて)まずは、来週のアミノバイタル杯に集中して、そのあとにしっかりリーグ戦を戦えるように頑張っていきたい。(アミノバイタル杯に向けて)全国大会に出られるチャンスは限られているので、なんとか自分たちの代で出たいと思う。


・小山大貴(国4・大宮Y)

絶対に負けられない試合だっただけに、今日の負けは悔しい。チャンスがある中で決めきれなかったのが敗因だと思う。(交代されてから失点したが)その前にもチャンスはあったわけで、それを決めていればもっと楽な試合運びができたと思う。(結果ほど内容の差はないように見えたが)十分やれていたと思う。良くも悪くも結果が全て。いくら内容が良くても負けたら意味がない。(アミノバイタル杯に向けて)良い成績を残して全国大会に行けるよう頑張りたい。


・高橋宏季(国1・FC東京U-18)

攻撃のチャンスが自分たちに多くあった中で、そこで決めきれなかったことがこういう形になってしまった原因だと思う。(相手の守備について)みんなが体を張って守っていて、ボールがラインを割るまでみんなが追いかけていた。そういう部分は見習わなきゃいけないなと思う。(やれた部分は)そんな差はないとは感じた。ただ決めるところで決めてくるのが強いチームだと思った。(自身のプレーは)前半はミスが多くてあまり攻撃のリズムが作れなかった。後半はもう一度切り替えて守備から入ろうという中で、得点にはつながらなかったが攻撃はできた。自分としてはもっと守備の意識もう強くしていかなければと思う(アミノバイタル杯に向けて)別の大会なので切り替えて1つでも多く勝っていきたい。

 


TEXT=吉本一生 PHOTO=村田真奈美


[次回試合予定]

「アミノバイタル」カップ2015 第4回関東大学サッカートーナメント大会兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選

1回戦 5月30日(土) 対東学大 時之栖スポーツセンター裾野グラウンドにて 14:50キックオフ
[次節試合予定]
第11節関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ(前期)
第10節 6月13日(土) 対筑波大 流通経済大学サッカー場にて 11:30キックオフ