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2022.05.11
硬式野球

[硬式野球] 専大に意地見せられず初の敗北 「全勝」の夢途絶える

東都大学野球春季2部リーグ戦・専大1回戦

5月10日(火) UDトラックス上尾スタジアム

●東洋大1-2専大



10
専大0000000022
東洋大00000000011


※十回よりタイブレーク

細野、柿本、●河北(1敗)ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(指)松本渉(営4=龍谷大平安)
(右)水谷(営3=龍谷大平安)
(遊)石上泰(営3=徳島商業)
(一)小口(法4=智弁学園)
(左)矢吹(総4=聖光学院)

佐久間(済2=千葉黎明)
(中)橋本吏(総3=花咲徳栄)
(三)加藤響(総2=東海大相模)
(捕)後藤聖(法3=京都学園)

廣岡(総4=拓大紅陵)
(二)松本憲(営2=成田)

宮本(総3=大阪桐蔭)

宮下(総1=北海)


33


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総3=東亜学園)12113
柿本(営2=東洋大姫路)1/3
河北(営4=浦和学院)2/315



タイブレークで2点献上した河北


九回まで投げ切った細野


タイブレークで適時打を放った加藤響


今季大一番の対戦がやってきた。この日はドラフト候補の菊地(専大)とエースの細野(総3=東亜学園)の投げ合いとなり、九回まで互いにゼロ行進。意地と意地のぶつかり合いはタイブレークにまで及んだ。


 チャンスは初回からやってきた。水谷(営3=龍谷大平安)と石上泰(営3=徳島商業)が四球を選ぶと、小口(法4=智弁学園)の進塁打で2死二、三塁に。菊地(専大)の制球が定まらないこの場面で先制点を奪いたい打線だったが、続く矢吹(総4=聖光学院)がフルカウントから見逃し三振を喫し、チャンスの芽を摘まれてしまう。


 先発の細野はボール先行の投球でフルカウントにしつつも、無四球にまとめ上げ、着実にアウトを取っていく。九回の前に「腕が滑る」と呟いたもののなんとか無失点で投げ切った細野。「ボール先行で野手も守りづらくて攻撃しづらかったのかな」と反省しながらも9回141球を投げ、3安打13奪三振。「あのピッチングはなかなか」と杉本監督も太鼓判を押した。


 この細野の快投に応えたい野手陣だが、相手バッテリーと堅い守りに立ちふさがれ、先制のきっかけすら作れない。


 両チームの先発が互いに一歩も譲ることなく、九回までスコアボードに0を並べたこの投手戦は延長戦となりタイブレークへ。最初に柿本(営2=東洋大姫路)がマウンドに立つ間、グラウンドに登場した河北(営4=浦和学院)の表情はこわばっていた。走者二、三塁から登板した河北は犠飛で1点を許すと「自分に不利なカウントにしてしまった」と痛恨の右前打を放たれ、2点目を献上。冷たい夜風が吹くように、東洋大サイドが静まりかえった。


 2点ビハインドとなり、「全勝」の夢をここで終わらせたくない東洋大ナイン。石上泰が相手の隙をつき三塁へ足を進めるも、佐久間(済2=千葉黎明)がバント失敗、橋本吏(総3=花咲徳栄)が飛球で瞬時に2死と追い込まれる。この土壇場で加藤響(総2=東海大相模)の適時中前打でなんとか1点差に詰め寄り、東洋大ベンチには活気が戻ったものの、それは束の間の出来事だった。続く廣岡(総4=拓大紅陵)から振り抜かれたバットは空を切り、勝利への熱い思いは届かず。今季初の敗北に東洋大ナインは頭を下げた。


 「全勝」の夢は5戦目で消えた。「落ち込む暇などない」と河北が語ったように、この負けを引きずらないことが大切である。もう後には引き下がれない。3つ目の勝ち点を得るために、専大に再び勝負を挑む。



■コメント

・杉本監督

(細野のピッチングは完璧でしたか)そうでしたね。それを見殺しにしてしまって申し訳ない。あれ以上のピッチングはなかなかですね。八回、滑りだしたというところだったんですけど、九回までいってもらって、きっちりやってもらったので。(タイブレークのあやのような感じか)結局はあそこで送れなかった。空振りして向こうがやってくれたのにも関わらず、セーフティースクイズで構えた形で送りたかったんですけどね。全然バントが出来なかったと。それだけ菊地(専大)君のボールが魂籠ってたんでしょうね。(1つ負けただけですが)頑張ります。野手がなんとかしてくれるんじゃないかと思いますけど。(菊地選手には手こずったか)ボールは強いというのはあったんですけど、うちのバッターが打てなさすぎた。手も足も出ないというピッチャーじゃないんですよね。バッターが攻め込まれていた。打線の方はバッティングもすごい練習もよかったので(打てたのは)死んだボールでしょうから。生きたボールから打てないと。


・細野(総3=東亜学園)

(今日の投球を振り返って)四球を出さなかったのは良かったんですけど、ボールが先行してしまって、野手も守りづらくて攻撃しづらかったのかなというのは反省です。野手が悪いんじゃなくて、僕もリズムが悪かったかなと思います。(前回からの修正点は)無いです。(菊地選手との対戦は)特別意識はしていなかったですけど、投げてて思ったのはやはりいいピッチャーだなと思いました。(今日の手応えは)最後まで投げられたというのは収穫になりました。(次戦に向けて)明日負けたら相手に勝ち点取られるので、あと2回勝てばいいだけなので、僕はそんなに気にしないで、明日また戦ってほしいなと思います。


・河北(営4=浦和学院)

(今日の調子は)悪くない。(タイブレークの登板は)9回終了時に決まりました。(登板前緊張しているように見えたが)正直緊張はしてました。緊張したとしてもそれをいい方向に持って行けなかったのは自分自身の弱さ。まだ負けてないので明日以降同じ失敗はしない。(マウンドに上がった時の心情は)抑えることしか考えてなかった。だからそれで気負ってしまったのかもしれない。(敗因は)自分に不利なカウントにしてしまったのが敗因あの場面こそ攻めなくてはいけないと思うので、明日は自分から攻めれるように朝から準備をしっかりしていく。(課題は)制球力に尽きると思う。(次戦に向けて)明日は必ず勝つ。今日は全て自分自身の責任1点に留めておけば負けてない試合。やられたらやり返す。落ち込む暇などないと思うので切り替えてチームのために投げて2連勝します。



TEXT/PHOTO=宮谷美涼