Article

記事


2022.05.22
硬式野球

[硬式野球] 投手陣の踏ん張りと橋本吏が勝利を後押し 最終週へ弾みをつける

東都大学野球春季2部リーグ戦・拓大3回戦

5月19日(木) 大田スタジアム

〇東洋大3-1拓大



東洋大
拓大×


二塁打:小口(四回)

本塁打:橋本吏(五回)


○渡邊(1勝)、河北、野澤、細野ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(指)松本渉(営4=龍谷大平安)
(右)水谷(営3=龍谷大平安)
(遊)石上泰(営3=徳島商業)
(一)小口(法4=智弁学園)
(左)東小橋川(営4=帝京第三)

大髙(営3=常総学院)

打左矢吹(総4=聖光学院)
(二)宮下(総1=北海)


松本憲(営2=成田)


佐久間(済2=千葉黎明)
(三)加藤響(総2=東海大相模)
(捕)後藤聖(法3=京都学園)
(中)橋本吏(総3=花咲徳栄)

26


・投手成績

名前球数四死球三振
渡邊(総4=報徳学園)62
河北(営4=浦和学院)35
野澤(総3=龍谷大平安)17
細野(総3=東亜学園)35



この日の打点は全て橋本吏のものだった


無死満塁のピンチを凌いだ河北


ピンチを抑え笑顔でベンチに戻る選手たち



前回痛恨の敗戦を喫(きっ)した東洋大ナインはこの日、数多のピンチを乗り越えて踏ん張った投手陣と絶好調の橋本吏(総3=花咲徳栄)のおかげで拓大に競り勝ち4つ目の勝ち点を獲得。2部優勝にさらに近づいた。


 この日は今季初先発の渡邊(総4=報徳学園)が順調に投球を披露するが徐々にボール先行のピッチングをするように。三回にピンチを背負い、なんとか乗り越えたものの、そこまでだった。


 四回、先頭から三者連続出塁を許し、瞬く間に満塁としたところで、マウンドを降りた。そしてこの窮地を任されたのは同学年の河北(営4=浦和学院)。大ピンチに緊張の面持ちを見せたが、「渡邊のミスを自分が救ってやろう」と覚悟を決める。最初に一ゴロで小口(法4=智弁学園)が三塁走者を本塁で刺し、1死満塁。3ボールを与え、グラウンド上には不穏なムードが漂ったが、見事併殺に仕留め、東洋大サイドからは拍手が沸き起こった。


 ピンチを防いだ河北だったが、六回に被弾され「コンディション不足だった」と無念の降板。続く野澤(総3=龍谷大平安)が2死二、三塁と攻められるがなんとか凌ぎ、勝利への望みをつなげる。


 一方の攻撃は二回、大髙(営3=常総学院)の中前打と加藤響(総2=東海大相模)の相手による失策で出塁。すると最近絶好調の橋本吏が「負けられない」と三遊間を抜ける適時打を放ち、2点先制に成功。さらに橋本吏は五回にはスライダーを打ち返し、投手陣を安心させるレフトへの本塁打を放つと、笑顔で仲間に迎えられた。


 七回には3四死球で「打てよ」と小口からの檄を受けた矢吹(総4=聖光学院)が打席へ立つも見逃し三振を喫(きっ)し、追加点を奪いあぐねる。それでも七回からマウンドに立った細野(総3=東亜学園)が無失点で相手打線を抑え、4つ目の勝ち点を手にした。


 試合後、「他チームの力じゃなくて自分たちの力で優勝する」と強い目で語った橋本吏。あと2勝すれば入替戦の切符をつかめる。今季で確実に聖地神宮に戻るために。最終週でも強さを見せつけ、2部優勝だ。




■コメント

・杉本監督

(細野選手が立ち直った理由は)身体のハリ。東洋大あんまり練習しないんでね。だから球数が決まってくるわけですよ。渡邊にしても、ピッタリ3回しか投げられないんですよ。それはそれで仕方ない気がしますけどね。それは野球部としてやっているわけであって、それでピッチャーを抱えるということなので。ただ、こういう風になってきた時に、最後細野3イニングとそれまで他の人となった時に、きっちり3回しか持たないってどういうことよ。河北にしても終盤に持ってきたなと思いますよ。春先は僕はベンチから外れると思っていたんで。そこはあいつの頑張りだろうなと思います。一発食らいましたけど。(無死満塁で登板しましたが)3ー1からよくやりましたね。あんなの見逃されてたらもうね。(橋本吏選手が活躍しましたが)勝負強さというのがありますので。9番から打順を上げてみようかなと思います。でも上げたらダメなこともあるのでね。中軸と9番では攻め方が違いますからね。9番の攻め方されて打ててるのか。何番でも変わらないのかとは分からないですけど。(一條選手は)本当は一條を使いたかったんだけど、三回ずつだったんでね。細野に何があったら一條と。力が溜まってるというふうにしてね。


・橋本吏(総3=花咲徳栄)

(最初のタイムリーは)チェンジアップです。(待ってたのは)球が来ないのが分かっていたので、緩い球をイメージして。(ホームランは)スライダーです。(昨日の負けは)昨日勝ってたらベストだったんですけど、ああいう形で負けてしまって、今日負けられないという思いは全員あったと思うので。ピッチャーも野手と勝利に向かってひつになれたのは良かったのかなと思います。(優勝も見えてきていますが)とりあえず、勝ち続ければ確実に優勝できるので。他チームの力じゃなくて自分たちの力で優勝します。



・小口主将(法4=智弁学園)

「勝ち点4となりましたが)他のチームよりは有利だとは思うんですけど最終戦勝たないと優勝はないんで特に意識していないです。(投手陣の四球が多かったですが)修正していかないといけない所だと思います。自分達が援護出来ていないのも原因の1つだと思うのでもっと楽に投げてもらえるように点を取りたいです。(残塁も多いですが)あと一本が中々出ないです。そう簡単にはいかないです。(次戦に向けて)まず一戦優勝に向けて勝ちに行きます。


・河北(営4=浦和学院)

(今日の調子は)悪くはなかったと思います。(四回の無死満塁で登板しましたが)流石に緊張しました。でもなべのミスを自分が救ってやろうと思って投げました。(四回を振り返って)悪かったけど結果オーライで良かったです。とりあえず、抑えられたことは良かったけど課題も出ました。(四球が多かったですが)多少の疲れはあるのかもしれないですが、言い訳にならないし先発の投手や野手の方が疲れてると思うので、自分は疲れたなんて言えないですし、自分のコンディショニング不足なのでしっかり修正します。(今日を振り返って)リズムが作れなかった分、終盤に悪い流れを作ってしまったし野澤も細野にもしんどい思いをさせたので次は自分がしっかり抑える。(課題は)リズムとテンポとタイミングに尽きる。それと気持ちの問題もあるので次戦に向けて心技体しっかり整えて最終戦に臨みます。


TEXT=宮谷美涼 PHOTO=青木智哉、宮谷美涼