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2022.07.08
サッカー

[男子サッカー] 瀬畠のゴールで先制も拓大に追いつかれドロー

第96回関東大学サッカーリーグ戦(前期)1部第9節 東洋大VS拓大

6月11日(土) 非公開


東洋大1-1拓殖大


〈得点者〉(アシスト) 

22分 瀬畠(田頭)


〈出場メンバー〉

▽GK

川上康平(国3=JFAアカデミー)


▽DF

田頭亮太(国3=東福岡)→90分  梅澤魁翔(国2=大宮U-18) 

高橋亮(国4=FC東京U-18)

稲村隼翔(国2=前橋育英)

押久保汐音(国4=新潟U-18)


▽MF

高柳郁弥(国4=大宮Y)

井上怜(国4=市立船橋)→66分 佐々木銀士(国4=青森山田) 

瀬畠義成(国4=JFAアカデミー) 

伊藤恵亮(国4=矢板中央)→75分 本間洋平(国3=札幌U-18) 


▽FW

前田泰良(国4=鹿島Y)→80分  小野田龍剛(国3=常葉大附橘)

室井彗佑(国4=前橋育英)→75分 新井悠太(国2=前橋育英)


              

滑り込んでボールを奪う松田

 

                  

今季リーグ戦初得点となった瀬畠

(写真提供:東洋大学体育会サッカー部)


※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。


 関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第9節の相手は拓大。筑波大と順大に連勝したいい流れの中で、瀬畠が先制点を取るが後半にPKで失点。16本のシュートで1点しか取ることが出来ず、勝ち点3を逃す結果となった。


 どんよりとした曇り空の中、拓大のキックオフで開始された試合は、序盤から東洋大の激しい攻撃が展開された。試合開始後約30秒ほどで相手のパスミスを奪った瀬畠から室井にロングパスが通り、左サイドでボールを受けた室井がフェイントを仕掛け、相手DFとの1対1を制した勢いのまま、ペナルティーエリアに突入。角度のないところからグラウンダーのクロスを上げるも、相手GKの正面に行ってしまう。3分には相手側のハーフコートの中盤辺りで得たFK時に、前田泰は相手DFの目線が室井から外れた瞬間を狙った、逆を突くパスを室井に送るが、オフサイドの判定。9分にも高橋からのパスを受けた右サイドの田頭が、相手DFラインの裏に走りこむ室井にスルーパス。このパスにラインぎりぎりで追いついた室井が折り返しを上げ、GKに弾かれた先に待ち構えていた伊藤が、ダイレクトボレーを放つも、相手DFの闘志あふれる顔面ブロックで防がれる。次々と訪れるチャンスをものにできなかった東洋大だったが、22分、遂にその時が訪れた。相手FWのプレスをいなしつつ、高橋が中盤に降りてきた前田泰に縦パスを配給。このパスを受けた前田泰はすぐさま右サイドの伊藤にスルーパスを送り、伊藤もサイドからドリブルで仕掛けるフリをしつつ、オーバーラップしてきた田頭にボールを預ける。大外から上がってきた田頭の高速クロスを、ワンバウンドの難しいボールながら、走りこんできた瀬畠が、完璧なタイミングでゴールに突き刺した。その後は特に危ないシーンも無く、ゲームを支配して前半を終わらせた。


 後半になっても東洋大は多彩な攻撃を見せる。後半開始から少し経過した49分、相手のアタッキングサードでのパスをカットしたDFから室井へロングパスが送られ、そのパスの処理を相手DFが空振りしたことで、室井がフリーで独走。最後のシュートは枠を外れてしまったものの、相手守備陣へ、一瞬でも気を抜けばチャンスを作られてしまう恐怖を植え付けた。58分には、相手MFからボールを刈り取った高柳が自陣から相手陣内のバイタルエリアまでボールを運び、ペナルティエリア内の右側に走りこんでいた前田泰にラストパス。右斜め45度から放たれたシュートは、惜しくもポストに当たりゴールとはならなかった。このまま終了まで東洋大ペースで進むと思われたゲームは76分に急展開を見せた。拓大が東洋大のペナルティーボックス付近で小気味良くボールを回し守備陣を翻弄。最終的には、ワンツーのロビングパスで、川上との1対1の状況を作られ、先に相手がボールに触れた後に、川上の体が相手選手と衝突したことでPKを取られてしまう。これを相手のキャプテンに、しっかりと逆と突いて決められ同点に追いつかれた。東洋大は3連勝を目指して度々相手ゴールを脅かすが得点にはつながらず。このままドローで試合終了の笛が鳴った。


 「16本シュートを打った中で1点しか取れなかった」と試合後に井上監督が語った通り、今回の試合では久しぶりに決定力不足の課題が見えた東洋大。第6節の桐蔭横浜大との試合以降、毎試合点は奪っており、前節の順大戦や桐蔭横浜大戦では複数得点を記録している。しかし、1点差の試合になった時に最近では、筑波大戦では勝ったものの、法大戦と流経大戦で競り負けてしまっている。点の取り合いになった時に、撃ち負けないチームはトーナメントでも強い。今後のリーグ戦だけではなく、アミノバイタル杯やインカレなどのトーナメントを勝ち抜くためにも、決定力をどのように磨いていくか、そこに着目して今後も東洋大サッカー部を追っていきたい。


■コメント

・井上監督

ある程度相手が前に出てくることが分かっていた上で、辛抱強く守備の時間帯を過ごしながら、カウンターで追加点を狙いにいこうということでやっていたが、最終的にはペナルティーで失点した。しかしそこの点よりも、16本シュートを打った中で1点しか取れなかったことを修正点だととらえている。シュートのシチュエーションまで作りあげている数も形も悪くは無いが、得点に結びついていないことがこれからの課題だと考える。(練習の中で決定力と言う課題を解決するために選手たちに意識させたいことは)決定機を作るところの、練習でやってることを実戦の中で発揮することはできているので、最後にゴールと言う形で終えられるかについては、トレーニングの中での意識の部分と相手があることだが、冷静にきちんとゴールの中に流し込めるか、だと思っている。(次節に向けて)非常に勢いのある東京国際とのゲームで、我々を含めて彼らも2部から1部に昇格した1年目のシーズンで、いいライバル関係にあると思っている。相手の鋭い攻撃をいかに抑えるか、そして今節出た決定力の課題をフォーカスして取り組んで勝ち点を取りに行きたい。


・瀬畠義成(国4=JFAアカデミー)

2連勝と勝ちが続いていた中、チームとしては上位を狙うために勝ち点3を欲していたので、その試合を勝ちきれなかったことは非常に残念。(直前に室井選手の囮の動きからフリーになった瀬畠選手が得点、と言う形だったが、このような得点パターンは普段から練習でも行っていたか)拓大の映像を分析していた中で、マイナスのボールが開いているというのはわかっていた。だから、そこに入っていこうという話をしていた背景があり、自分があそこに飛び込むという形が作れたと思う。(次節に向けて)今日の勝ち点1は非常に悔しかったが、次の試合でより良い結果を出せるように良い準備をしたい。


・高橋亮(国4=FC東京U-18)

相手が技術があるチームと言うのは元々分かっていて、その中で自分たちがどれくらいボールを保持したりできるのかを、試合前から話していた中、前半は上手く進められて、先制点を取り終わらせることが出来たが、後半は相手のペースの時間が長くて、体も疲弊していた。その中で、相手の思うような展開になってしまって、自分たちの押し込まれる時間の増加、更に点が取れない状況も重なってしまい、嫌なムードが続いていた中で失点してしまった。その失点をしてから今までの自分達の課題であった、同点にされた後に、逆転されたり、崩れたりせずに試合を終えられたのはポジティブな面だと思う。(PKの直前にキーパーと1対1の場面を作ってしまったが、なぜこのような状況が起こってしまったと思うか)あのシーンもそうだが、その前にも、相手が自分たちのディフェンディングサードまで侵入してきたときに、プレッシャーにいけないという状況が何度かあって、ボールホルダーへのプレッシャーが甘い、という状況を作ってしまった。後半、このような状況が続いた中で相手をフリーにさせた結果、1本裏をキーパスで取られて、1対1になってしまったと分析している。最終的にはPKだったところもあり、中々難しくはあったが、自分たちの守備の甘さが出てしまったと思う。(次節に向けて)相手も順位が上のチームでそこは気にせず行きたいが、自分たちの力がどれだけ通用するのかも知りたいし、(東国大は)練習試合とかもよくやるチームなので、個人的には負けたくない相手で、簡単な試合ではないがいい準備をして、全員でもう一回勝ち点3を狙えるように頑張っていきたい。


 TEXT=髙橋生沙矢