記事
第96回関東大学サッカーリーグ戦(後期)1部第12節 東洋大VS筑波大
8月6日(土) 非公開
東洋大1-2筑波大
〈得点者〉(アシスト)
45分+3分 山之内(本間)
〈出場メンバー〉
▽GK
川上康平(国3=JFAアカデミー)
▽DF
田頭亮太(国3=東福岡)
高橋亮(国4=FC東京U-18)
山之内佑成(国1=JFAアカデミー)
押久保汐音(国4=新潟U-18)
▽MF
小野田龍剛(国3=常葉大附橘)
本間洋平(国3=札幌U-18)→76分 新井悠太 (国2=前橋育英)
瀬畠義成(国4=JFAアカデミー)→80分 清水祐輔 (国3=柏U-18)
伊藤恵亮(国4=矢板中央)→56分 増田鈴太郎 (国2=東海大相模)
▽FW
前田泰良(国4=鹿島Y)
室井彗佑(国4=前橋育英)
ボールを運ぶ前田泰キャプテン
同点弾を記録した新星、山之内
(写真提供:東洋大学体育会サッカー部)
関東大学サッカーリーグ戦(以下、リーグ戦)後期初戦の相手は、前期に逆転勝利を収めた筑波大。早い時間に失点をした東洋大だったが、1年生ルーキーの山之内が頭で同点弾を叩き込み振り出しに。しかし、後半の早い時間にまた失点を喫(きっ)し、万事休す。焦りで上手くリズムに乗れなかった東洋大は公式戦3連敗となった。
前期最終戦の国士大戦、アミノバイタル杯1回戦の専大戦と公式戦での負けが続いている東洋大にとっては、勝って負の連鎖を止めておきたい後期初戦。試合開始直後から東洋大は、ロングボールを相手陣内に放り込み、前線からプレスをかけてボールを奪いにいくが、この日は筑波大に上手くボールを保持され、プレスを無効化されてしまう。そして、8分には相手DFのロングフィードに対して、相手FWと競っていた山之内がタックルを仕掛けたところを、右足でボールを浮かして交わされ、そのままフリーでクロスを上げられてしまう。このクロスを走りこんできた相手の10番がゴールに流し込み失点。この早い時間でのビハインドが、東洋大を苦しめた。その後も、筑波大からボールを奪い、ビルドアップをしようとしているところで即時奪回されたり、パスが合わない事で相手にボールを与えてしまったりで、上手く攻撃を完結することができない。そんな中でも25分には、バイタルエリアで味方からの強めのパスを前田泰が胸トラップし、シュート。しかし、相手GKに防がれゴールならず。このまま終わりかと思われた前半だったが、リーグ戦2戦連続先発出場中のルーキーが意地を見せる。前半アディショナルタイム3分、直前に押久保が、相手DFとの1対1に負けずに上げたクロスから得たCK、これを山之内が強烈に頭で叩き込み、同点に。「前半の失点は僕のミスだったので、自分の力で取り返したかった」と試合後に語った、頼もしい1年生の一発で試合を振り出しに戻し前半を終えた。
前期の筑波大戦では逆転勝利を収めたこともあり、その再現を果たすため2点目を取りに行きたい東洋大だったが、後半開始直後から、CBがつり出されたことで空いたスペースにパスを出され、キーパーと1対1の状況を作られる。しかしここは、川上の好セーブで難を逃れた。50分にも相手陣内でのパスミスからカウンターを食らい、田頭が股抜きで交わされたことで、フリーになった左サイドからグラウンダーのクロスが上がるが、相手FWが合わせられず、失点を回避。後半も悪い流れを断ち切れないでいた東洋大は、55分についにゴールを許してしまう。相手DFが左サイドの裏にボールを配給。そこでボールを受けた相手MFがボールを折り返すと、中央に走りこんでいた相手の10番が再び合わせこの日2点目のゴール、再び筑波大にリードを許す形となった。全体的に東洋大陣内で試合が進み、シュートまで持っていく形が作れないまま試合は終了となり、東洋大は公式戦3連敗と言う形で、後期開幕戦を終えることとなった。
国士大戦以来調子の上がらない東洋大イレブン。好調時には3位まで上げていたリーグ順位も6位まで下がり、去年準優勝を果たした総理大臣杯への出場もアミノバイタル杯の敗退で逃した。しかし、前田泰は「高い強度で、いい準備をしながら練習を行ってきたが、まだまだ足りなかった。次の試合までに更に強度を上げて練習に取り組みたい」と前を向く。調子が良いときだけでは無く、調子の悪いときもチームを応援するのが真のサポーターである。この言葉を胸に刻みながら、リーグ優勝を目指す東洋大の活躍を追っていきたい。
■コメント
・井上監督
筑波大は非常に戦術的に長けたチームで、その中に個々の能力がある良いチームであることはわかっていたが、前半早い段階に失点。前半終了間際にセットプレーから追いつけたのは、非常に良かった点ではあるが、後半も同じように右サイドからの突破で失点をした。その後中々自分たちの時間を作ることが出来ずに、少し慌ててしまった。精神的にタフなゲームではあったが、勝ち点1を何とか取りたいゲームだったので残念。(選手間同士でパスが合わなかったり、カットされる場面が普段の試合より多かったが、その要因は)全体的に相手が前に対してプレッシャーをかけてきている中で、相手の狙っている目の前にボールを通そうとするアクションが多かったように思う。相手の狙っている背中に、ボールを配給する選択ができない回数が多かったのかなと思う。そして、相手の狙っている前にボールを配給することで、直接的にインターセプトされたり、ボールをコントロールしているところに当てられて、ボールを失う回数が普段より多かった。(次節に向けて)本来の拓大とのゲームが延期になり13日の14節、桐蔭横浜大とのゲームになる。攻撃力が非常にあるチームで、今節も4ー0で勝っているという話も聞いた。今日のように立ち上がりに簡単に失点しないように、出来るだけ、0で抑える時間を長くしながら、今日できなかった、攻撃のコンビネーションを高められるように1週間練習したい。
・山之内佑成(国1=JFAアカデミー)
前半の早い時間に先制されてしまい、ピンチはたくさんあったが、前半の最後に点を決めることが出来て、振り出しまで戻せた。しかし、後半に点をまた決められ、そこからチャンスもあまり作れず悔しい結果だった。(今季リーグ戦初得点への喜びは、またどんな事を意識しながらヘディングしにいったか)とてもうれしかったです。ゴールに関しては、前半の失点が自分のミスからだったので、ここのコーナーで点を決めて、チームを助けることが出来ればいいなと、強い気持ちを持って飛び込みました。(アミノバイタル杯に続く先発出場だが、直近2試合を通じて自信は身に付いたか)前回の試合に続けて試合に出場できたので自信になりました。(ビルドアップが上手くいっていなかった印象が試合を通じてあったが、自分達でもプレーのしずらさは感じていたか)距離感が遠くて、ビルドアップでも苦しい場面があったので、そこをゲーム中でも改善することができれば、変わってきたと思うが、出来なかったので、ビルドアップも上手に行えなかった。そこは次の試合に向けての課題。(次節に向けて)最近勝利が無いので、次は勝利だけを考えて、自分が出来る全てを出して勝利をつかみたい。
・前田泰良(国4=鹿島Y)
後期開幕、そして相手が筑波大学ということで、今の自分たちの立ち位置的に、勝ち点の差もあまりない状況での試合だったが、入りから自分たちの思うように試合が進まず、入りから失点してしまった。それでも前半の最後に、しっかり追いついて立て直せたことは良かったと思う。しかし、最終的に後半に1点入れられて、盛り返せずに勝ちに持っていけなかったのは、これからの課題であり、自分たちが力が無いという事を実感させられた試合になった。(失点後のパスやビルドアップが上手くいっていなかったことに焦りの部分はあったか)焦りもあったし、相手の守備が良かったこともあって、攻撃の糸口が流れの中でつかめず、ズルズル終わってしまった。(アミノバイタルに続いての連敗をしてしまっているチーム状況の中で自分がキャプテンとしてできることは何だと考えるか)アミノで初戦敗退してから、今日の試合まで、日々の練習から良い準備をして、高い強度でやっていこう、ということは自分を含めチームとして目指していたが、改めて、まだまだ足りないなと。次の試合からはまた、切り替えてやってくるので、そこで更に良い準備と高い強度の練習を積み重ねていくことに尽きると思う。(次節に向けて)13日に次節がすぐやってくるので、(勝ち点を)離されないことはもちろん、自分達の価値を示していけるように。また自分達を応援してくれている人に良い報告が出来るように、ピッチの中で示して、勝ち点3を取って次につなげていきたい。
[次節試合予定]
第96回関東大学サッカーリーグ(後期)1部第15節
10月1日(土)vs順天堂大 11:00 キックオフ
会場:ブリオベッカ浦安競技場(千葉)
※8月13日開催予定だった桐蔭横浜大との14節は台風の為、延期となりました。
TEXT=髙橋生沙矢