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第55回関東大学バスケットボール新人戦
6月13日(土)国立代々木競技場第二体育館
東洋大58ー81青学大
12|1Q|13
14|2Q|28
14|3Q|20
18|4Q|20
スタートメンバー
7大野太聖 (文1・市立柏)
28 佐久間澪(済1・東海大相模)
31 榎雄大(済2・市立船橋)
33平孝介(済2・東海大菅生)
35 杉田涼(済1・市立船橋)
大野はガードとしてチームを導く
悪い流れをたつシュートを見せた川上
5位から8位の順位決定戦。相手は1部に所属している格上の青学大。前半は互角の戦いを見せるも、チームの得点源である佐久間が負傷し離脱を余儀なくされる。その穴を埋めるべく川上、大野がチームをけん引していったが力及ばず58対81で敗戦した。
いきなりの悲劇がチームを襲った。3Qの序盤、佐久間がセンターとのリバウンドの取り合いから、相手の下敷きになり負傷してしまう。身体能力の高さを生かした佐久間独自の攻めは、東洋大の支えとなっていた。2Qの途中から小さなミスが続き、相手の勢いに押される。崩れ始めていた中でのエース不在は、さらにチームに窮地に追い込む。しかし、「勝とうという姿勢があった」と大野が振り返るように、残された選手たちの気持ちは切れていなかった。まず「ボールを分配する力があるから、スムーズにオフェンスにつながる」と監督も評価するように、大野がポイントガードとしての役目を全うする。また「佐久間のためにもスリーポイントを頑張ろう」という思いを胸に、川上(済1・市立船橋)はスリーポイントを沈めて暗雲を払しょくした。二人のルーキーのがむしゃらなプレーは、次第にチームを活気づかしていく。さらに新人戦の最上級生として責任を果たすべく、榎は相手のターンオーバーからディフェンスを寄せ付けないシュートを決め、人差し指のパフォーマンスを見せて会場を湧かせる。
だが、1部の壁は厚くシュートの精度、リバウンドの粘りなど徐々に地力の差が表れ、最後は攻めきれずシュートを打つ前にブザー音が無情にも鳴り響いた。
神大戦から始まり、試合経験を積み重ね着実にチーム力をつけてくるも、個々の能力の乏しさが敗因に結びついた結果となった。しかし、まだまだ伸びしろのある若い選手たち。下ばかりは向いていられない。「組み合わせが良かったからベスト8に入れたとは言わせない」。実力が本物であるかどうかを証明するためには、次戦に勝つしかない。
◾︎コメント
・目(さっか)監督
青学大はガードが厳しいと思ったのでオールコートプレイをしていこうとした。今日の試合はディフェンスがきいていた。ターンオーバーが多かったけれど、うちも同じで何でもないターンオーバー、ちょっとでも気をつければ出ないターンオーバーをぼこぼこ出してしまったのがいけなかった。またリバウンドもできていなかった。杉田は1回しか跳べない。うちは1年生が試合に出ることが多く、他大が2回、3回跳ぶ中でそこの経験の差が出た。(2Qの悪い流れを払しょくできなかったのは)やっぱりターンオーバーとリバウンドが取れなくなってしまったから。エリックや杉田にしても何でもないターンオーバーが多すぎる。(次戦に向けて)メンバーが欠けているので、勝てるオーダーを考えていく。
・榎(済2・市立船橋)
岩淵の穴を補うのが大変だった。何もできなかった自分がふがいない。自分がチームをまとめられなかったし、ターンオーバーが多かった。連戦で体力的にきつい中でボール運びのサポートをしてくれた大野には助けられた。(佐久間選手が抜けたときは)佐久間の分まで頑張ろうと。佐久間がいないから流れが悪くなるというのは嫌だった。出られない人が二人いる中で自分のプレッシャーは大きかった。流れに乗り切れなかったのは自分たちのつめの甘さ。全員が自分に弱い。(次戦に向けて)相手は大きいのでリバウンドが勝負のカギになる。岩淵と佐久間がいないから東洋が弱いとは思われたくない。みんなでサポートしながら頑張りたい。
・大野(文1・市立柏)
昨日は入りが悪くて相手に流れを持ってかれてしまったので、今日はディフェンスから自分たちの流れに持っていけたので良かった。スタートのメンバー(佐久間)が一人欠けてしまったけれど、チームに焦りがなくてベンチも含めて、勝とうという姿勢があった。佐久間はオフェンスで1対1とかして決めてきてくれる選手なので、その穴を運動量でカバーしていきたいと思った。(個人的には)2Qぐらいちょっと疲れていたけれど、モードに入って疲れているという感情が無くなったことが良かった。(敗因は)3Qを頑張り切れなかったこと。川上は要所でスリーポイントを決めてくれたので、それが助けになった。あとエリックがリバウンドを取ってくれたので、自分の役割をしっかりやってくれた。(次戦に向けて)周りからは組み合わせが良いからベスト8入ったと言われているけれど、明日慶応に勝って実力があるところを見せていきたい。
・川上(済1・市立船橋)
自分はスタメンじゃないので、ベンチからスタメンを声援で支えたいと思った。試合に出たら、思いっきり自分の得意なリバウンドとスリーポイントシュートをやろうと思った。(佐久間の負傷について)佐久間のためにも、この二つのことを頑張りたいと思った。(自分のプレーは)もう20点以上離れてて、監督からは自分の得意なスリーポイントを打っていけと言われた。狙うというより、ずっと打ち続けていた。これから練習を積み重ねて、ノーマークが多かったので、そこをしっかり決めたい。(ファールについて)二つ目のファールで納得のいかないままベンチに下がってしまい、モチベーションが上がらなかった。(明日に向けて)相手の慶應大も今日負けて、明日勝とうという同じ思いで挑んでくると思うので、それに負けない気持ちで頑張りたい。
TEXT=山下華歩 PHOTO=高橋雪乃、坂口こよみ