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2022.09.07
硬式野球

[硬式野球] 「神宮で打てたことは自信になった」宮下が3点本塁打で一発逆転!

 東都大学野球秋季2部リーグ戦・東農大1回戦

9月6日(火) 神宮球場

〇東洋大7-2東農大


一発逆転に成功した宮下


3点本塁打と大活躍した


本塁に戻ってきた宮下を4年生が出迎えた


渡しかけていた試合の主導権を奪い返したのは、1年の宮下朝陽(総1=北海)のバットだった。


 先発の細野(総3=東亜学園)が二回に先制されるも、四回、先頭の小口(法4=智弁学園)の中前打と矢吹(総4=聖光学院)が望みをつなげる失策で出塁し、無死一、三塁とチャンスメイク。頼りになる4年生が内野から見守る中、宮下が登場した。


 8月後半から調子を落としていたものの、物怖じすることはなかった。「神宮で、公式戦で打ってなんぼですから」と杉本監督が口にした通り、初めに二塁打を放ち、感覚を掴むと強気な姿勢を崩すことなく、二打席目のバッターボックスに向かう。狙い球を絞り、右方向に狙いを定める。そして、相手投手が投じた外のまっすぐを逃さず、放った打球は神宮の青空へ。その打球は、狙い通りライトスタンドを襲い、見事スタンドイン。拳を大きく掲げ、本塁へ還ってきた宮下を、先に生還した主将と副主将が笑顔で出迎えた。試合をひっくり返すこの逆方向への一発に東洋大ベンチも歓喜に沸き、宮下は仲間から祝福を受けた。


 高校まで北海道で過ごし、今年度から涼しい北の大地から酷暑の埼玉に身を移した。同郷の橋本吏(総3=花咲徳栄)からは「北海道とはレベルが違う暑さだぞ」と言葉を貰い、覚悟はしていたものの、想像以上の暑さに体重は減少。そんな中でもオープン戦でスタメンとして、出場し続けた。「連戦と暑さで全然思うように動けなかった」と埼玉での初めての夏に戸惑いを見せたが、「自分の癖を治す」ことを意識しながら、身体づくりを行い、パワーアップを図った。


 体力が低下し苦しんだ夏だったが、小口主将は「楽しそうにやっている」とうれしそうに宮下を眺めていた。宮下が辛い中でも野球を楽しめているのは、主将のおかげなのだろう。「自分が打てなかった時に声を掛けてくれたり、アドバイスをしてくれてる」と1年に対しても気軽に話しかけてくれるチームリーダーを強く尊敬している。この日、憧れの主将からチャンスを貰い、三塁上から期待の眼差しを受けながら、3点本塁打を放ち、一発逆転に成功。初戦から躍動した。


 「自分も4年になったら小口さんみたいになりたい」。大好きな小口主将と共にプレーできるのもあと1シーズン。背番号1の背中を追い続けながら、宮下の快進撃はまだまだ続いていく。そして小口が有終の美を飾れるように、再び1部昇格に向けて歩き出す。


■コメント

・宮下(総1=北海)

(どういう感覚で入ったか)しっかり狙い球を絞って振っていこうと、シンプルに考えて振れました。(神宮でホームランを打ったことは)初めてです。(神宮で打てたことは自分の中でどのようなものがあるか)自信にもなりましたし、神宮球場でしっかり落ち着いたプレーができたので、そこはよかったかなと思います。(どのように修正してリーグ戦に臨んだか)自分で動画を確認したり、自分がどうなっているかっていう悪いところをしっかり見つけて迎えられたので、徐々に直ってきているかなと思います。(ホームランを打った球は)外のまっすぐです。(どのようなことを意識して)あの一、三塁という場面で右方向を意識してバッティングに入れたんで、それが結果、ホームランになってよかったです。(ユニフォームが小さいことの影響は)ちょっと動きづらいというのはあるんですけど、そこまで気にならなかったです。(この夏取り組んだことは)体力の面で落ちてきていた面もあったので、そこのところを意識しながら、ウエイトからしっかり身体づくりをという風に頑張ってきました。(この夏の暑さは)初めての埼玉の夏は、暑さで体重が落ちてしまってきつかったです。オープン戦は、連戦が続き暑さもあったので全然思うように動けませんでした。(埼玉の夏について橋本吏から貰ったコメントは)りくさんからは北海道とはレベルが違う暑さだぞって言われました(笑)。(宮下選手にとって小口主将は)チャンスの場面でしっかり打って勝負強くて、自分が打てなかった時に声をかけてくれたり、アドバイスをしてくれるので自分も四年生になったら小口さんみたいになりたいです。


TEXT=宮谷美涼 PHOTO =宮谷美涼・青木智哉