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2022.09.07
硬式野球

[硬式野球]細野131球完投に、3本の本塁打で初戦白星発進!

 東都大学野球秋季2部リーグ戦・東農大1回戦

9月6日(火) 神宮球場

〇東洋大7-2東農大



東洋大
東農大


本塁打:宮下(四回)、加藤響(九回)、水谷(九回)

二塁打:宮下(二回)、後藤聖(四回)


〇細野(1勝)ー後藤聖


・打者成績

打順守備名前
(中)橋本吏(総3=花咲徳栄)
(右)水谷(営3=龍谷大平安)
(遊)石上泰(営3=徳島商業)
(一)小口(法4=智弁学園)
(左)矢吹(総4=聖光学院)

打、左宮本(総3=大阪桐蔭)
(二) 宮下(総1=北海)
(指)花田(総1=大阪桐蔭)
(捕)後藤聖(法3=京都学園)
(三)加藤響(総2=東海大相模)


38


・投手成績

名前球数四死球三振
細野(総3=東亜学園)131


9回131球を投げた細野


八回にはピンチを凌ぎ笑顔を見せた


3点本塁打のきっかけを作った小口主将


悔しい思いをした入替戦から3ヶ月。この思い出の地に東洋大ナインが再び登場した。猛暑の夏を超え進化した彼らは1部昇格を目指し、絶対に負けられない秋の戦いが聖地神宮でスタートさせた。


 試合前には、優勝旗返還が行われ、小口(法4=智弁学園)の力強い宣誓後、始まった初戦。初回からスコアリングポジションに走者を進めるが、打線はつながらない。先発の細野(総3=東亜学園)は初回は三者凡退に抑えるも、二回に変化球が思うように決まらず、先頭は抑えたものの、その後、2四球と中安打で2死満塁のピンチを招く。「ボール球が多くて、打者のみんなは守りにくかったと思う」と、その後レフトへの適時二塁打を放たれ、東農大に2点の先制を許す。


 先制を許し、悪い雰囲気が流れる中、その空気を打破したのは二回に二塁打を放っていた宮下(総1=北海)だった。四回に無死1、3塁のチャンスで打席に入ると、外角の直球を強振。放たれた打球は右中間スタンドへと消えていった。この一打で流れを東洋大へ引き寄せた。


 制球に悩まされていた細野は監督からのアドバイスを受け、三回からスライダーを軸球にしていく投球へと変更し調子は上向きに。三回を三者凡退に抑え、その後も四球やヒットで出塁を許すこともあったが、味方の好守にも支えられスコアボードに0を刻んでいく。五回から七回にかけて東農大打線を無安打に抑えた。


 一方で東洋打線も東農大バッテリーに抑え込まれ、1点差と緊迫したまま終盤へ。八回に先頭で小口(法4=智弁学園)が左中間への二塁打で出塁すると進塁打で、1死三塁と追加点のチャンス。ここで宮下が暴投を誘い込み、小口は迷わずホームへ。大きな追加点とした。


 追加点の直後、細野は無死一、二塁のピンチを迎えるが、次の打者を見逃し三振。なお走者一、二塁で投ゴロをうまく処理し併殺に仕留め、一打逆転という大きな山場を乗り越えた。


 九回に加藤響(総2=東海大相模)水谷(営3=龍谷大平安)にも本塁打が生まれ、さらに3点を追加。味方の援護を受け、笑顔を見せた細野は最終回もマウンドへ向かう。131球を投じ9回2失点の完投勝利。マウンドを一人で守り抜き、白星発進の立役者となり、「終盤になっても投げれたというのが収穫になった」と今後に向けて自信をつけた。


 開幕戦は7対2とし、見事勝利を飾った。今回の勝利の要因は、夏に苦しんだ選手たちが放った本塁打だろう。「3人とも苦しんでる所も見てきてたんで、余計に嬉しい」と後輩の躍動に小口主将は喜びを見せた。投打がかみ合ったことで手にしたこの1勝。今季も目標である「全勝」を達成するため、そして再び1部の舞台に戻るため、東洋大の戦いはここから始まる。



■コメント

 ・杉本監督

(初戦で細野がしっかり投げてくれましたが)しっかりかどうかは分からないですけど。どういう風に評価していいのかっていう話をさせてもらったんですけど、そこのところについては初戦だからね。いろいろなこともあるだろうし、夏のオープン戦の最後のソフトバンクのときに、今日のような感じだったんですよ。変化球が全然入らなくて、ソフトバンクに打たれる。結局、何と言うんですかね。器用すぎるんで、いろんな変化球に頼るんだけど、それが入らなかったときに、主軸となる変化球は何なのかというのがあったんで、もうスライダーだけにしろと。カットボールとかカーブとか、同じスライダー系のボールというのが、汚い話、あまり変わらないので。帯に短しなので。それだったら、一つの変化球にしてくれと言いました。(初戦の硬さみたいなものは)硬さというか、本人の感性というのがすごいので、緊張はしているんでしょうけど。うち、こんなに守備いいんです。守備、絶対的にいいんです。でも、独善としているじゃないですか。自分で一生懸命抑えるっていう、その形はオッケーなんですけど、そこはちょっと考え方のバランスが悪いんじゃないかなっていう気がしますね。もっと楽してピッチングすればいいのになって思います。(打たせて取るみたいな)今日みたいな暑い日にね、球数を増やす必要はないだろうし、どういう風な形かは分からないですけど、逆の方向に対して、スタンドに入れる選手は限られてきますので、そうなってきたら、もっと打たせてもいいんじゃないかなっていう。それは守備位置を締めてといったところ。それはチームとしてやらないといけないことなんで、しっかりと投げてくれればいいのかなと思います。(今日は調子よくない中で)そうですね。そういう風なところじゃないですかね。最後のボールぐらいじゃないですか、自分の指に引っかかって投げたボールって。横から見てて、いちばんいいボールだったんじゃないかなっていう。明日もあるので、やっぱりエースなので、明日のことを考えて、最後ちゃんと締めてもらわないと駄目なので。ベンチの方から「明日もある」っていう風に声はかけさせてもらったんだけど。自分の調子っていうところだけではなくて、エースってそのチームの調子、チームの浮き沈みを握っているので、そこが重要なんじゃないかなって思いますけどね。(宮下くんが非常にいい場面で打ってくれました)そうですね。今日、ユニフォーム小さいんで。これ松本渉のユニフォームなので。間に合わなかったんですよね。背番号がこの秋から2番になって、松本が手術して、今はベンチに入ってきているんですけど、松本がつけ番になっているので。みんなにいじられていましたけど、それがよかったのかもしれませんね。(調子はあまり良くなかったか)オープン戦の最後の方は下降気味だったんですけど、神宮で、公式戦で打ってなんぼですから、レギュラーは。

 


・細野(総3=東亜学園)

(どのようなことを意識して初戦に)とにかく負けないようにというか、入りが大事だなって、慎重になったところが。そこまで気負いすぎないようにやれたかなという風には思います。(開幕戦という緊張は)あったんですけど、入替戦を経験して、そういうのには多少慣れたかなという感じはありました。(投球を振り返って)ボール球が多くて、打者のみんなは守りにくかったと思うんですけど、2点取られてからは徐々に修正していけたんで、そこはよかった点かなという風に思います。(抜け気味の変化球の修正は)最初はいろんな変化球を投げていたんですけど、途中から監督さんに1球種に絞った方がいいという話をいただいて、スライダー中心に投げていたっていうのと、調子がいいときは姿勢がいいんですけど、途中でそれに気づいて、姿勢を意識し始めてからはだいぶ戻ってきた感じはありました。(姿勢は足を上げたときか)いや、立ったときの姿勢が、いいときっていうのはバランスいいなって感じているので。(変化球は何回から絞ったか)三回です。(最後のアウトローまっすぐというのは自分の中で決まっていたか)ちょっと際どいところだったんですけど、自分の中ではちょっと力を入れたりとか、結果、三振になってよかったです。(修正後、ストレートの走りがよくなったが)球速がちょっと上がった感じはしました。終盤になっても投げれたというのが収穫になったと思います。(この夏はどのようなことを)ボール球が多かったり、調子の波が激しかったり、入ってからの課題だったんで、夏もその課題を潰せるように取り組んでいました。


・小口主将(法4=智弁学園)

(本塁打が3本も飛び出しました)すごすぎます!3人とも苦しんでる所も見てきてたんで余計に嬉しいです!(細野投手が調子が悪いなか、抑えてくれましたね)悪い中ポンポンと抑えるのがすごいですよね。次は無四球でいってもらいたいと思います。(細野投手に声かけしてましたね)声をかけたくなるような顔をしてます。なんとか僕の声で楽にしてあげたいと思って声をかけてます。(自身も活躍されましたが、振り返って)ここで絶対って時に2本とも打てたんですごく自分の中では良かったんですけど、3本もホームラン打ちやがったんで誰も僕が打ったことは覚えてません(笑)。(明日に向けて)どう攻略するか試合の中ではやく感じとって先制点取れるようにやっていきたいです。


TEXT=成吉葵 PHOTO=宮谷美涼、青木智哉、成吉葵