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第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走
10月10日(月・祝) 出雲大社正面鳥居前〜出雲ドーム
総合9位 東洋大 2:13'35(45.1km)
1区(8.0km)児玉悠輔 23'31(13位通過・区間13位)
2区(5.8km)甲木康博 16'03(10位通過・区間7位)
3区(8.5km)石田洸介 24'38(10位通過・区間9位)
4区(6.2km)佐藤真優 19'05(10位通過・区間11位)
5区(6.4km)前田義弘 19'53(9位通過・区間9位)
6区(10.2km)吉田周 30'25(9位・区間8位)
スタート 1区・児玉
第1中継所 2区・甲木(左)→3区・石田
石田はエース区間で前を追う
3年の主任も務める4区・佐藤
第5中継所 5区・前田(奥)→6区・吉田
9位でフィニッシュした吉田
3年ぶりにファンや関係者の応援に包まれ開催された
学生三大駅伝の幕開けを告げるを第34回出雲全日本大学選抜駅伝競走(以下、出雲)を終えた。三大駅伝に初出場となる甲木(総2=城西大城西)と吉田(総2=広島国際学院)の2人の出走や、2年生エース石田(総2=東農大二)の初のエース区間起用など新しいことに挑戦し、攻めたオーダーで挑んだ今大会。1区で出遅れると、その流れを変えられず結果は9位。個々に課題が残る悔しいレースとなった。
1区は序盤から中大の選手がしかけて独走。その影響で後ろの集団もペースが上がり、中盤以降苦しい表情を浮かべていた児玉(済4=東北)は、終盤に集団から離されてしまう。「序盤先頭について行き、つっこみすぎてしまい失速してしまった」と、トップと59秒差をつけられ13位に沈んだ。2区では、初の三大駅伝となる甲木(総2=城西大城西)が順位を3つあげ10位に。しかしこの区間は区間新を6人も記録するというハイレベルな戦いとなり、他の有力校との差は広げられてしまう。そして他校のエースが集まった3区。石田(総2=東農大二)は終始、 単独走となってしまい、区間9位。本来の力が出せなかった。初のエース区間は、本人が「惨敗だった」と語るように悔しい結果となった。4区の佐藤(総3=東洋大牛久)、5区で順位を1つ上げた主将前田(済4=東洋大牛久)でも悪い流れを止められず最終区6区へ。こちらも初の三大駅伝となる吉田(総2=広島国際学院)は「単独走ができず、前半で足を使ってしまったことで後半のペースダウンが生じた。」と、流れに飲まれ、9位に終わった。3年生エースの松山(総3=学法石川)や、去年の出雲駅伝で4区2位の九嶋(済3=小林)、今年の関東インカレ1500mで4位入賞した及川(総4=一関学院)らを欠いたのが響き、駅伝シーズンの初戦は厳しいスタートとなった。
今シーズンの東洋大は、2月に行われた実業団ハーフで松山が学生歴代2位タイの1時間0分43秒のタイムを出し、5月の関東インカレでは1500m,5000m,10000m,ハーフマラソン全てで入賞者を出し、6月の男鹿駅伝での優勝、8月の北海道マラソンで柏(済4=豊川)のMGC獲得や清野(済4=喜多方)と村上(工3=北見緑陵)の好走など、好成績を収めていた。
決してこの出雲のような結果で終わるチームでは無いはずだ。
「次戦の第54回全日本大学駅伝対校選手権大会(以下、全日本)では勝負していけるように挑みたい」と酒井監督。出雲で上がった反省を生かし、全日本、箱根でのリベンジを誓った。
・酒井監督
(レース全体を振り返って)序盤の1区から出遅れてしまい、悪い流れのままレースを進め、立て直すことができなかった。(区間オーダーの意図は)経験者と初出場者〔2年生〕との融合だった。(今回見つかった課題は)流れに乗れなかった時の対応について。(次戦に向けて)前回大会はシード権を逃す結果となった。次戦の全日本ではシード権確保のみならず、勝負していけるように挑みたい。
・1区 児玉悠輔(済4=東北)
(今大会は)全日本、箱根へ向けた挑戦のレースだった。(レースを振り返って)序盤先頭について行き、突っ込みすぎてしまい序盤から失速、ブレーキしてしまった。後ろの区間のみんなに走りにくい位置で渡してしまい、とても不甲斐ない。(今回のレースで見えた課題は)ハイペースで入っても余力を持った走り、動きが固くならないようにすること。(全日本に向けて)どの区間にも限らず今回の走りを反省し、区間賞、区間上位の走りをする。
・2区 甲木康博(総2=城西大城西)
(今大会の位置づけは)比較的フレッシュなメンバーを揃え目標順位3番以内を目指す。(レースを振り返って)自分の走った2区は追い風で区間新が6人出ていてそこで勝負できず流れを作ることが出来なかった。前方と差があり単独走に対する適正や実力不足を感じた。(レースの中で印象的なのは)沿道には沢山の方々が来られ暖かい声援を受けながら走ることができたこと。(課題は)チーム総合9位という事で序盤出遅れてしまうとまだこのチームには立て直すほどの力、主力に変わる存在がなかった。(全日本に向けて)昨年の全日本ではシード落ちし、そこからチームとして今シーズン前半まで悔しさをつなげてきている。そして、今回出雲ではチームの課題に気づくことが出来たのでそこを修正していき、目標である優勝に向かって本気で取り組んでいく。
・3区 石田洸介(総2=東農大二)
(今大会の位置づけは)三大駅伝の初戦でいい流れを作ることと、エース区間で他大学のエースと互角に戦うことだった。(レースを振り返って)1区から流れに乗れず、他の区間も順位を上げることができず、チームとしても個人としても惨敗だった。(レースの中で印象に残ったのは)駅伝は流れが重要だということを再確認した点と流れを変える選手がいなければならない点。(見えた課題は)1区の悪い流れを他の区間でカバーできなかったところ。(全日本に向けて)出雲で失敗したことをプラスに捉え、チームとして足りない部分を吐き出し、優勝を目指して臨みたい。
・4区 佐藤真優(総3=東洋大牛久)
(今大会の位置づけは)フレッシュなメンバーを入れながら3位以内に入って全日本、箱根に弾みをつけるレース。(振り返って)8位より前が見えていなかったので少しでも上げようと思っていたが、空回りしてしまった。(レースの中で印象に残った点は)有観客になり、沿道の応援が格段に増えたと感じ、自分たちが応援していただいていることが目に見えて感じることができたこと。(課題は)出遅れてから巻き返しができなかったこと。(全日本に向けて)今回は惨敗でしたが、全日本はブレず目標は優勝なのでチーム、個人で何ができるのか考えてあと3週間と少しを過ごしたい。
・5区 前田義弘(済4=東洋大牛久)
(今大会の位置づけは)新戦力や攻めた区間オーダーで3位以内に入り、全日本と箱根に向けて勢いをつけること。(振り返って)1区から苦戦を強いられるレースとなった。自分を5区に起用していただいている意味を理解して走った。全日本、箱根に繋がるような東洋大学らしい攻めた走りが体現出来なかったことが個人としても全体としても反省点だと思う。(レースの中で印象に残った点は)逆境にこそ強くないと駅伝では勝てない事と、流れを作り、流れに乗れないと今の学生駅伝では全く通用しないということを身をもって再度、痛感した。(今回のレースで見えた課題は)松山がいない分、一人一人が100%以上の力を出す事がマスト。本来の東洋大学の走りは闘争心溢れる攻めのレース、1秒を一人一人が仲間のために削り出す走りだと思う。そこが今回欠けていたと感じた。(全日本に向けて)自分としてもまだまだ状態が上がりきっていない部分があった。ここから上げていき、全日本に合わせていきたい。沢山の方々からの感謝の気持ちを走りで体現したい。
・6区 吉田周(総2=広島国際学院)
(今大会は)3位以内を目標としていた。(レースを振り返って)チームとしては、1区から出遅れてしまい、それ以降の区間でも巻き返す人がいなかった。個人としては、単独走ができず、前半で足を使ってしまったことで後半のペースダウンが生じた。(レースの中で)沿道での応援のありがたさを感じた。(見えた課題は)誰かがミスをした際に取り返せるようなゲームチェンジャーがこのチームにはまだいないため、そこの人数を増やしていく。(全日本に向けて)出雲9位で感じさせられたことは沢山あったため、そこの反省を活かして全日本では優勝を目指していき、個人としてもチームに貢献できるように準備していきたい。
TEXT=坂庭遥人
PHOTO=高橋生沙矢、宮谷美涼、坂庭遥人