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東都大学野球秋季2部リーグ戦・専大3回戦
10月25日(火) 神宮球場
〇東洋大3-1専大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
東洋大 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
専大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
二塁打:小口(一回)
三塁打:松本渉(一回)
石上祐、柿本、野澤、○岩崎(2勝)、渡邊、一條ー廣岡、後藤聖
・打者成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (指) | 松本渉(営4=龍谷大平安) | 2 | 1 | 0 |
打指 | 大髙(営3=上訴学院) | 1 | 0 | 0 | |
打指 | 馬込(法2=桐光学園) | 2 | 0 | 0 | |
2 | (右) | 水谷(営3=龍谷大平安) | 2 | 0 | 1 |
打中 | 橋本吏(総3=花咲徳栄) | 1 | 1 | 0 | |
3 | (遊) | 石上泰(営3=徳島商業) | 2 | 0 | 0 |
4 | (一) | 小口(法4=智弁学園) | 3 | 1 | 0 |
5 | (左) | 矢吹(総4=聖光学院) | 2 | 1 | 1 |
打左 | 秋元(済1=木更津総合) | 2 | 0 | 0 | |
6 | (二) | 宮下(総1=北海) | 2 | 0 | 1 |
打二 | 松本憲(営2=成田) | 1 | 0 | 0 | |
7 | (中) | 左向(営4=智弁学園) | 2 | 0 | 0 |
右 | 宮本(総3=大阪桐蔭) | 1 | 0 | 0 | |
打右 | 楠(法2=佐久長聖) | 1 | 0 | 0 | |
8 | (捕) | 廣岡(総4=拓大紅陵) | 3 | 1 | 0 |
打 | 東小橋川(営4=帝京第三) | 1 | 1 | 0 | |
捕 | 後藤聖(法3=京都学園) | 0 | 0 | 0 | |
9 | (三) | 加藤響(総2=東海大相模) | 4 | 1 | 0 |
計 | 32 | 7 | 3 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 失 | 責 |
石上祐(法3=東洋大牛久) | 3 | 29 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
柿本(営2=東洋大姫路) | 2 | 30 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 |
野澤(総3=龍谷大平安) | 1 1/3 | 30 | 2 | 2 | 1 | 1 | 1 |
岩崎(総2=履正社) | 2/3 | 16 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
渡邊(総4=報徳学園) | 1 | 18 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 |
一條(総2=常総学院) | 1 | 14 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
笑顔でナインに迎えられる小口主将
三塁打を放った松本渉
2点目の適時打を放った矢吹
最後に内野安打で試合を盛り上げた東小橋川
ラストゲーム前夜、杉本監督の退任が発表された。迎えた朝、指揮官は愛弟子を暖かい目で見つめていた。「みんな一緒に野球ができて楽しかった」。最後は、様々な感情を味わった聖地神宮で、勝利を飾り創部100周年を完結させた。
先頭は入替戦以来のスタメンとなった松本渉(営4=龍谷大平安)。初球から打球をライトに運ぶと、俊足を見せつけ三塁へ到達。リードオフマンが最後に思い出の地で大暴れを見せた。続く2番は、松本渉の高校の後輩・水谷(営3=龍谷大平安)。「平安で1点!」とのベンチからの声に応えるように、内野ゴロ間に松本渉がホームイン。出迎えのナインと笑顔のハイタッチを交わした。
朝の神宮にいくら冷たい風が吹こうとも、熱気は収まることはない。なお攻撃は続き、石上泰(営3=徳島商業)が四球を選ぶと、この日が最後の背番号1となる小口(法4=智弁学園)。放った打球は一、二塁間を破り、右翼へと転がる適時二塁打に。小口に見せ場を奪われるわけにはいかない。5番は、副主将・矢吹(総4=聖光学院)。こちらもライトに打球を落とし、その間に小口が生還。昨秋と今春クリーンナップを背負い、仲良しな2人が華あるものに演出する。その後、宮下(総1=北海)の適時打で3点目とした。
この日は7番に左向(営4=智弁学園)、そして二回には、廣岡(総4=拓大紅陵)が右安打を放ち、後輩にたくましい背中を見せつける。その後は代打で、学年問わず多くの選手が登場。聖地神宮で、名残惜しい4年と最後の野球を楽しむ。
一方で最終戦の先発は、石上祐(法3=東洋大牛久)。三回までパーフェクトピッチングで順調な滑り出しを見せる。八回には渡邊(総4=報徳学園)が学生最後のマウンドで無失点。この日は計6人でマウンドを守り、1失点に抑えた。
九回には、守備中にはベンチでメガホンを持ち、攻撃では一塁で仲間の活躍を鼓舞してきた東小橋川(営4=帝京第三)が初の打席へ。打球はセカンドへ向かうも、ヘッドスライディングで内野安打となり、一塁コーチャーを務めた同期の松本渉とグータッチ。常に笑顔を貫いてきたムードメーカーの一打に、ベンチは大盛り上がりを見せ、東小橋川は自身の活躍に目を輝かせた。
小口世代の最後は笑顔の勝利で、東洋大硬式野球部の100年目は幕を閉じた。大好きな野球をする地が神宮ではなくとも、彼らが一生懸命プレーする姿はとても眩しかった。最後まで夢は叶わずとも、ここまでめいっぱい走り続けた。小口主将、あなたが作ったチームのもとで、活躍する選手たちはとても輝いていましたよ。東洋大の戦士たちのこれからの行く先が光り輝いていることを願って。
夢を何度も見せてくれてありがとう。小口世代、さようなら。
■コメント
・杉本監督
(選手から花束をもらった気持ちは)それはもうありがたいです。僕の責任としてはチームをもう一度1部に上げて、みんなで1部でやろうと言う気持ちだったんですけど。申し訳ないなという気持ちと、みんなで一緒に野球ができて楽しかったなと思いますね。(5年間で2度優勝もありましたが、一番印象に残っている試合や出来事は)完全にコロナです。チームはやっぱり監督を映し出してる鏡って言われちゃいますけど、僕自身がコロナで「これどうしたら良いんだろうな、チームを選手をどうやって守れば良いのかな」。「むしろ俺たち野球やってる場合かな」って感覚が僕にはありまして。選手にもひょっとしたらその僕の気持ちが移っちゃって選手の方に集中力を欠かしてしまったかなって。正直な話、プロは職業ですし、社会人野球は会社命令ですし、周りの人が亡くなって大変な時に本当に、我々が野球やってる意味ってなんだろうって感じてました。それが一番ですかね。あとはやっぱり、記憶に残る試合・ゲームってあまり記憶に無いので、ここ(神宮)で駒大戦(昨年春の駒大1回戦)で細野の腕にボールが当たったあの瞬間がスローモーションのように覚えています。引き継いで、高橋監督の残して頂いたチームで勝たして頂いて、小口キャプテンとかが僕にとって初めて自分でスカウトした選手で。今年はコロナもありましたけど、春、『圧倒』ってスローガンで1部に駆け上がろうって思いが強かったので、入替戦の負けはショックでしたし、まさか高橋前監督がこんなに早く逝かれるなんて思わなかったので、タラレバですけど生きてるうちに1部に上がりましたと報告したかったと思いますね。(次の監督に期待されることは)非常に面白い戦力を持ってると思いますので、僕はやはり学生野球の難しさって言うのを常々感じてました。次やられる監督は、変えることはたくさんできるようなチームなんじゃないかなって思います。(指導について)僕が求めている、言い続けていることって多分、学生には理解半分できるか、分からないんですけど言い続けなちゃいけないし、それは来た道なので自分のその経験の中からじゃあ、自分が大学の時にこんな考えでこんな行動をした時に本当に違ってたなって、その思いを野球人の先輩として後輩であるみんなに伝える義務があると常に思ってました。ただやはりその伝え方、コミュニケーション能力、言語能力って限界もありますしそれがちゃんと伝わったかどうかはクエスチョンです。野球ですので、結果から見たら僕は1部に上げられなかった監督です。でも、自分たちがやろうとしていたこととか過程、プロセスとかは絶対自信を持ってます。過程を大事にして主体的に物事を考えて、自分が何になりたいかどうなりたいかを考えることが大切です。(今後について)僕は徳島の田舎から出てきて、東洋大学の野球部に入れて頂いて高橋前監督に見出してもらってそこから野球人生もっと言うと人生が大きく変わったので、野球に育ててもらったと本当に思っているのでその感謝の気持ちというか、自分がどれくらいできるか分からないですけど、どんな形でも良いので周りの方に野球界に何か恩返しができれば良いなと思います。
・小口主将(法4=智弁学園)
(監督と4年間一緒にやってきて今どんな気持ちですか)元々キャッチャーをやっていて、その時は試合に出るたびに怒られて。2年でファーストになって、試合で一本が出なくても使ってもらってきて、キャプテンもやらせて頂いて、それで絶対監督を1部に上げて1部でやりたいなって思ったんですけど、上がることは出来なかったので。また社会人に行っても良い報告が出来るように頑張りたいです。(監督から学んだことは)自分で考えてやる、その視線をこれから社会人でも大切にしていきたいです。
TEXT、PHOTO =宮谷美涼