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第20回東京都サッカートーナメント大会 第95回天皇杯本選予選学生系の部予備予選3回戦
6月27日(土) 東洋大学朝霞グラウンド
東洋大2-1日体大
<得点者>
44分 遊馬
70分 佐藤
<警告>
15分 沖野
<出場メンバー>
▽GK
沖野泰斗(国4・幕張総合)
▽DF
石坂元気(国4・広島Y)
郡司昌弥(国4・柏U-18)
瀧澤修平(ラ4・東洋大牛久)
長谷川優希(国4・帝京)
▽MF
徳市寛人(国3・東福岡)
小山北斗(国4・帝京)→MF高橋宏季(国1・FC東京U-18)
坂元達裕(国1・前橋育英)
田中舟汰郎(国3・横浜FC・Y)
▽FW
佐藤仁紀(国3・武南)81分→FW小山大貴(国4・大宮Y)
遊馬将也(国4・武南)
追加点を決め、アシストをした遊馬に駆け寄る佐藤
攻撃にリズムをもたらす小山北
長谷川は攻守に躍動した
天皇杯予備予選の3回戦はリーグ戦で惜敗を喫した日体大となった。44分に遊馬のゴールで先制に成功すると、70分にも佐藤が追加点を挙げる。終了間際に1点を返されるものの、このままリードを保ち勝利。次戦に駒を進めた。
約1か月振りの顔合わせとなった日体大との一戦。前回対戦時にはスタメンとしてピッチに立てなかった選手たちが躍動した。開始15分、沖野と交錯した相手選手が救急車で運ばれるアクシデントが起きる。試合は15分の中断を挟み再開されたが、動揺からか相手にボールを保持される時間が続く。それでもカウンターを中心にチャンスを作ると44分、遊馬が競り合いの中で相手からファールを受け、FKを獲得する。するとキッカーの小山北が「狙っていた」という頭脳プレーを仕掛ける。ゴール前に直接クロスを上げず、左サイドの長谷川にパスを供給。ボールを受けたフリーの長谷川がバイタルエリアまで駆け上がり、クロスをあげる。それをファーサイドで待つ遊馬が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。遊馬も「ボールが出たときは見えなかった」と言うように、味方をも欺くトリックプレーで大事な先制点を奪った。
後半も相手に攻め込まれる時間が続くが、アミノバイタル杯以降スタメンに定着した小山北と徳市のボランチコンビが攻撃の芽を摘み決定機を作らせない。すると70分、小山北が右サイドでフリーの田中にパスを出すと、田中が一気にドリブルを仕掛ける。相手DFに一度は防がれるもこぼれ球を遊馬が拾い、PA内左で待つ佐藤にボールを配給。佐藤は冷静にコースを狙ったシュートを決め、追加点を奪った。終了間際に1点を返されるもこのまま試合は終了し、2対1で日体大を下した。
アミノバイタル杯以降、激しいスタメン争いが繰り広げられる。古川監督や選手たちが試合後、「大きかった」と語った先制点は小山北と長谷川から生み出された。2人ともリーグ戦では出場機会は多くなかった。それでも練習からアピールを続け、限られたチャンスで結果を残しチームに大きく貢献し続けている。さらに、小山北とコンビを組む徳市も2人と同様の立場だ。徳市のボールを奪取する能力はチームの守備に安定感をもたらせており、小山北も「守備では助けられている」と語る。それでもチームの成長のため古川監督は更なる競争を促した。次なる相手は格上の1部のチームとの対戦となる。成長を続ける東洋大イレブンは臆することなく立ち向かう。
■コメント
・古川監督
2部リーグで11連勝と過去にない前期を11連勝で終えたチームなので、我々としては同じリーグのチームにしっかり良い相手と戦って勝つことで総理大臣杯に繋がっていくと思い臨んだ。(今回勝った要因は)拮抗したゲームになるとは思っていた。その中でやはり先制点をどっちが取るかということが非常にゲームの勝敗を左右すると予想していた。(中断の影響は)救急車を呼ぶようほどの衝突だったのでだったので、我々の方が特にキーパーの沖野は相手をけがをさせてしまったという動揺は少なからずあったと思うし、難しかったなというのは正直なところ。もちろん彼の無事は祈るが我々は今できる個人個人のベストなプレーを集中してやるしかないと切り替えてやろうと。一瞬の隙ではないがリスタートのところでスタートを早く進めて先制点を取れたことは我々にとって大きいところだったとも思う。(ポジション争いについて)スタメンとして出ていなくても、スタメンとそん色ないようなそういう選手が何人かいる。何人かけが人が出た時でもこちらの方としてもパニックにならずに済む。チームの総合力を維持するためにも大事なところ。もっともっと出てきて、誰にしようかと悩ますぐらいの感じで出てきてくれればありがたいと思う。安定感に欠ける選手が居ればそこに安定感をもたらしてくれるだろうと期待をこめて起用している。より良いバランスや隙が無いような構成を考えている。選手にとってはチャンスではあると思うし、隙があれば取って変わられるという色んなポジションでチーム内で良い競争が存在している。今後も足良い方が出て控えに回ったらサポートするよというカラッとしたポジション争いをやってくれればありがたい。また今朝もジュニアリーグの方の試合で良いプレーを見せてくれていたのでそれが良い刺激になる。(今後に向けて)天皇杯に出場するというのをもちろん目標にはしたいがまだちょっとそこまで言うには数々の強豪校を倒さないといけない。そこで我々の中で総理大臣杯は大きなモチベ―ジョンになっていてその前に全国大会レベルの相手と1試合でも多く積んだうえで、その上で全国大会に向かいたいという思いもある。ミーティングでもあえてそのことを口にしている。総理大臣杯の全国大会につながっていくように天皇杯の予選も関東の1部とあたれるところまで行きたいし、そこのメンバーに加わらない選手たちも全国の舞台の時にはあわよくば自分がピッチに立つことを虎視眈々と狙っているし。7月の18日のところに向けてしっかり良い準備をして臨みたい。その先の総理大臣杯という全国大会につながっていければなと思う。
・遊馬将也(国4・武南)
リーグ戦で負けているのでそこは良い相手とやることでここで勝って、全国に向けて一歩一歩自分たちもレベルアップしたいなと思って入った試合だったのでそれをしっかり勝てたということが自分たちにとってもプラスになったと思う。(今回勝てた要因は)全員が試合中声掛け合って、相手よりハードワークできたことが1か月前の前期のリーグ戦とは違って相手を上回れたと思っている。それをもっとレベルアップできたらよいと思う。(先制点は)最初ボール出たのは見えなかった。北斗の振っていた足だけが見えたので、これ動いていると思った。相手の選手もそれについてこれなかったので、自分もフリーでブラインドがいたが我慢してしっかり当てて入った点でした。(ご自身のできは)ンドカ・ボニフェイスのような背が高く強い選手は全国に行ったら沢山いると思う。そこのところで自分の良いところをもっともっと出していかないと思う。点を取れたことは良いと思うがもっときつい時にキャプテンとして声をかけたり、前でしっかりボールをキープしたりとやっていかないといけないと思っている。それはしっかりこれからもやっていきたいと思う。(中断があったことについて)ちょっと沖野自身動揺しているのではないかと思っていたが立ち上がりこそ悪かったものの全員で沖野をうまくコントロールできたし全員でメンタル的な部分は動揺せずに自分たちのやれることはやったと思う。あれは今後起こらないと思うが、良い経験としてうまく中断した時は声を掛けあってやっていきたいと思う。(今後に向けて)次1部のチームと試合できるということなので全国を見据えた戦いに絶対なってくると思うのでそういうのを一つ一つ勝っていって良い形で大阪に行けたらと思う。
・小山北斗(国4・帝京)
日体大は2部で全然負けていなかったので、後期につなげるためにも勝つことが大事だと思っていた。ボールは握られていたが我慢してやれた。(守備でも貢献していたが)今のボランチが求められていることだと思う。最後は体力がなくなって戻り切れなくなったことは反省点。(徳市とのコンビは)最近段々わかってきた。あいつはどちらかというと守備っ型なので攻撃面では助けて、逆に守備面では助けてもらっている。(先制点のセットプレーは)前から狙っていた。審判も笛で止めなかったので。よく長谷川が気付いてくれた。感謝です。
・長谷川優希(国4・帝京)
アクシデントもあったが、先制点を取ってチームが落ち着いたので良かった。(自身の左足からチャンスを作れているが)自分の特徴でもある。今日はアシストもできて良かった。(守備に関しては)センターバックの瀧澤と距離感とカバーリングを意識して、間を割られないようにしていた。まだまだやらなければいけないことや、ミスも少なくしていかないと、いつ代えられるかわからない。(次の試合に向けて)個人としてもチームとしてももっと成長して、自分はスタメンで出続けられればいいなと思う。
・佐藤仁紀(国3・武南)
開始15分のアクシデントで集中を切らさず、前半の最後で先制点が取れたのが大きかった。出場時間も多くもらっているので、結果を残そうということを意識している。そこで得点という形で結果が出てていいと思う。(追加点&遊馬とのコンビは)距離だけは縮めようと話している。今日はいい形でボールが来て、あとは決めるだけだった。(次の試合に向けて)時間は空くが、あるわけではない。1部と試合ができるので、いい経験をして、勝利をつかみ取れるようにみんなで頑張りたい。
TEXT=村田真奈美 PHOTO=當麻彰紘