Article

記事


2022.11.13
準硬式野球

[準硬式野球] 「1年間のいいプレーが全部出た」投打かみ合い連勝!再び2部へ!

令和4年度東都大学準硬式野球秋季リーグ戦2部3部入替戦3回戦・駒大戦

11月11日(金) 駒沢オリンピック公園総合運動場硬式野球場 

○東洋大10-5駒大



駒大
東洋大×10


本塁打:石川(七回)


丸嶌、大戸、舩津、柴崎ー古源



2部昇格が決まり、マウンドに集まる選手たち


試合直前、円陣で気合いを入れる


試合をつくった先発の丸嶌(左)


七回、本塁打でリードを広げた石川



前々日の勝利でタイに戻した東洋大は、初回から小刻みに得点を重ねていく。投げては、先発・丸嶌(文2=海星)が五回まで1安打の好投。さらに七回、石川(ラ3=沼津東)から本塁打も飛び出し、勝負を決めた。3季ぶりの2部復帰。最高の形で締めくくった。

 

 試合開始前の円陣、「気合い入ってますか!」と杉本(ラ3=一宮)学生監督。「勝っても負けても悔いのないように」と最終決戦に臨んだ。この日の先発も丸嶌。「3年生にいい姿で終わってもらいたい」とマウンドに立った今季のエースは、初回の攻撃を3人で終わらせた。

 

 これでリズムを得た。直後の攻撃、連続死球で1死一、二塁とすると、井田(ラ3=東洋大牛久)が右翼方向への適時打で先制に成功。この1点が流れを引き寄せる。その後も、安打と四死球で走者をためては点を奪い、五回までに4点を加えた。

 

 これに丸嶌も「やるしかない」とギアを上げた。打たせて取る投球で四回まで三者凡退。五回には2死から初安打を許すも、古源(社3=東亜学園)が盗塁を阻止し、5回を15人に抑える文句なしの投球を披露。投打がかみ合い、5点リードで後半へ入る。

 

 六回、先頭打者と続く打者に安打を放たれ、1死一、三塁のピンチを招く。さらに打ち込まれ1点を失い、さらに1死満塁。「いつもだったら弱気だった」という丸嶌は、思い切った投球を見せ、「この秋いちばん成長できたところ」と見事併殺打に仕留めた。

 

 リードを広げたい東洋大は七回、1死一塁から石川。「人生最後の打席になると思って気合いを入れた」と、バットの先に当たった打球は右翼のポール際へ。これが「みんなの思いも乗った」本塁打となった。石川は八回にも2打点を挙げ、八回終了時点で10対2と大きくリードし、最終回の守りにつく。

 

 しかし、簡単には勝たせてくれないのが入替戦。抑えの柴崎(総2=広尾)が四球と安打から3点を返され、2死でこの回9人目の打者を迎えた。2球で追い込むも、粘られること8球目。打ち上がった打球は1塁側・東洋大のベンチ前へ。この邪飛が木村(ラ3=長野西)のグローブの中へ収まり、この瞬間、2部昇格が決まった。

 

 グラウンド上の選手、捕球した木村、ベンチメンバーが一斉にマウンド上へ駆け寄り、歓喜に沸いた。杉本学生監督が「1年間の苦労がすべて吹っ飛ぶかのようだった」と語るように、昨秋の3部降格の悔しさを1年越しに晴らす昇格。それも1敗してからの逆転劇だった。

 

 最後となる試合後のミーティング。冨丘主将が「1部に上がれるように」と、優しい眼差しで後輩たちに声をかけた。丸嶌、柴崎、福田(営2=東洋大姫路)など入替戦出場メンバーも多く残る新チーム。その期待も託して、最後は一本締めで「有終の美」を祝った。



■コメント

・杉本(ラ3=一宮)学生監督

(試合を振り返って)今日は勝っても負けても最終戦、3年生は基本、ここで引退するので。このチームでやるのは最後ということで、勝つことは最優先に考えていたんですけど、勝っても負けても悔いのないようにやろうと臨んで、結果、勝つことができたので最高の締めくくりだったのかなと思います。(初戦で敗れた後、かけた言葉は)はじめは自分たちの野球というよりは、相手を見過ぎてしまっていたので、「ここまでやってきたことを、とにかく最後まで出せるように」という声がけはしました。(昇格が決まった瞬間は)去年の入替戦から采配しているんですけど、その悔しいところから、最後は逆で。この1年間の苦労がすべて吹っ飛ぶかのような、そんな気持ちでした。(下級生へのメッセージは)この代からけっこう下級生、松本、福田、柴崎、丸嶌、小石川とか出ているメンバーが多いので、普通に実力が出せれば2部でも戦う力はあると思うので、春で落とさないように、1部上がれるように頑張ってほしいです。


・冨丘(社3=横浜隼人)主将

(試合を振り返って)もうこの1試合しかなかったので、1年間やってきたことのおさらいといいますか、発表会みたいな感じでやっていこうと声を出したら、本当に1年間のいいプレーが全部出た試合だったのかなと思います。(主将として1年間どうだったか)去年、秋に落ちてから、とりあえず2部に上がって後輩に渡したかったので、そのために厳しいこともいろいろ言ってきましたけど、最終的にはこう2部に上がって、後輩に渡せたのは本当によかったなと思います。(安打も放ったが)最後の試合と決めていたので。最後、悔いなく自分のスイングができたらいいなと思っていたので、その結果がヒットに出たのでよかったなと思います。(下級生へのメッセージは)準硬はめちゃめちゃ厳しいわけではないですし、辞めたければ辞められるんですけど、大学も準硬も両方楽しんでもらえれば2倍楽しいのかなと思うので、最後の学生野球を思い切ってやってほしいです。


・石川(ラ3=沼津東)

(試合を振り返って)負けても勝っても3年生にとっては最後の試合だったので、楽しく終われる形になってよかったと思います。(5打席目は)イニング的にも人生最後の打席になると思って、気合いを入れて入ったら、結果としてホームランという形になりました。(打った瞬間は)バットの先っちょだったので、ライトオーバーかなと思ったんですけど、みんなの思いも乗って、フェンスオーバーできてよかったなと思います。(昇格が決まった瞬間は)去年、降格というのを味わっていたので、何とも言えない感情というか、言葉には表せないいい気持ちでした。(下級生へのメッセージは)下級生も力があるチームだと思うので1部昇格というのを目指して頑張ってもらえればなと思います。


・丸嶌(文2=海星)

(投球を振り返って)1戦目、2戦目とあまりいいピッチングができていなかったので、絶対に勝って、3年生にいい姿で終わってもらいたいと思って入りました。(意識したことは)やるしかないと思っていたので。もう思い切って自分の力を出せば、抑えられると思ったので、そこだけ意識しました。(今季成長できた点は)(登板した)最後(六回)の場面、1アウト満塁で、いつもだったら弱気になって、取りにいって打たれたり、フォアボールだったりしたんですけど、やるしかないという思いでやったら結果、ゲッツーで1点ということで、そこはいちばん成長できたところだと思います。(昇格が決まった瞬間は)春もいいところまでいって悔しい思いをしたので。2部昇格だけを目指してやってきたので、そこが叶ってうれしいです。(来年度への意気込みは)3年生にいい部分を渡してもらったので、そこを引き継いで、自分が引っ張って、1部に上がれるようにやっていきたいです。



■東洋大学準硬式野球部について

公式ホームページ

公式インスタグラム



TEXT/PHOTO=青木智哉