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春に悔しさを味わい、今季こそ1部昇格目指して秋を戦い抜いた東洋大の戦士たち。最終カードまで優勝の行方がもつれ込む緊迫した状況の中、頂点をつかめず2部2位と悔しい結果に終わった。この結果を各々どのように受け止め、何を思うのか。12日間にわたって彼らの思いをお届けする。
第7日目は、加藤響(総2=東海大相模)内野手。今季もホットスポットと呼ばれる三塁ポジションをシーズン通して守り抜いた。初本塁打を放ち、打撃面においても日々進化する彼にとって秋はどのようなシーズンだったのか。(取材日・11月26日、聞き手=成吉葵)
――今季を振り返って
春を経験したこともあって、個人的に前半戦は感覚が良かった。しかし、後半戦で戦いが苦しくなってくる頃に自分も調子を落としてしまって貢献できなかったです。
――夏終わりは調子が良かったと
夏は本当に調子が良くて、何かつかんだ感じはありました。そのままシーズン入って、最初は今季はやれるって感覚がありました。実際に開幕戦でホームランを打てて、自信になりました。
――それでは、大学初本塁打を振り返って
打った瞬間の感触は良かったんですけど、打球が少し上がり過ぎた気がしました。打球伸びろ、外野の頭を越してくれって願いながら走っていたので、スタンドに入ってくれて良かったです。ツーストライクに追い込まれてから、バットを短く持って打ちに行った結果で、夏の改良の象徴的な本塁打でもありました。
――後半の失速というのは
夏から秋始めにかけてよかった分、後半に疲労があって自分がしたい動きができないことも多々ありました。また、チームがうまくいかない中で、試行錯誤をした中で、自分で良かったものを崩してしまったのかなって思います。
――春と比べると打撃面での数字に向上が見られましたが
考え方を変えました。外角の球が苦手なので、初球からファールでもいいから振りに行く、外の球の見極めをより意識するという点です。しかし、後半からインコースも攻められて、対応できなかったのでまだまだ考えが甘いなとも思います。
――守備面ではいかがでしたか
1年春から試合に出させていただいて、サードというポジションを早く自分のものにしたいんですけど、打撃と同様に後半で納得いかないプレーがあり、まだまだだと感じました。疲労やチーム状況の過酷さがプレーに影響しているのかなって思います。ただ、今季ミスは減ったので、それは練習の成果が出たのかなって思います。
――今季の中で一番印象に残っている試合は
専大戦も印象に残っているんですけど、東農戦の方が個人的に印象が濃いです。初ホームランを記録した試合でもありますし、自分の状態が良いときにした試合で、個人として理想に近い試合でした。
――最終戦は神宮でした
今季は良いイメージがある球場でしたし、四年生最後ということもあって、モチベーションがないということはなかったです。ただ、専大は自分たちと戦った後に入替戦があるのに自分たちは終わりで、来年も神宮があるかわからないので、ここでもっと試合がしたいというもどかしさがありました。
――春と比べて成長を実感した点は
本塁打を打てて、打撃に春よりかは多少に自信を持てたことです。しかし、最後の展開的に春より頭の中が自分の事とチームの事など考えることが多くあり、全体的に落ち着いていなかったです。
――引退される4年生との思い出は
特に細かいエピソードとかはないんですけど、試合においても私生活においても4年生にたくさんサポートしてもらって、とても野球がやりやすい環境でした。4年生とのエピソードならありすぎるくらいです。
――今季の収穫と反省を教えてください
収穫はバットを短く持ったり、外角の球へのアプローチであったりと今季試すことで得られたものはたくさんありました。逆に、夏終わりから秋始めという風に自分の調整のピークが早すぎたり、後半のスタミナの無さであったりと反省点もたくさんありました。
――それではこの冬に取り組むことは
秋だけでなく、この一年を通して強いチームで核と呼ばれる方々は皆さん体が大きくて、自分と全然違うと感じました。体質的なものももちろんあるとは思うんですけど、変えられないわけではないので今より大きくなりたいと思います。身体作りと並行してスタミナをつけて、春だけでなく来年ずっと最高のパフォーマンスをキープできるようにしたいです。
――最後に、来季への意気込みをお願いします
チームに貢献する。過去最高の数字を残す。ベストナイン獲得。個人的にはこの3つはマストです。
◇プロフィール◇
加藤響(かとう・ひびき)
生年月日/2002・6・15
身長・体重/180㌢・82㌔
一番好きな食べ物/肉(特にハンバーグ)
マイブーム/温泉
◇連続インタビュー一覧◇
12月24日 後藤聖基捕手
12月25日 石上祐介投手
12月26日 細野晴希投手
12月27日 河北将太投手
12月28日 小口仁太郎主将