Article

記事


2015.07.22
サッカー

[サッカー]難敵国士大に完封勝利!最高の状態で総理大臣杯へ

第20回東京都サッカートーナメント大会 第95回天皇杯本選予選学生系の部Aブロック代表決定戦

7月18日(土) 法政大城山グラウンド

東洋大1-0国士大


<得点者>

19分 田中


<出場メンバー>

▽GK

沖野泰斗(国4・幕張総合)

▽DF

石坂元気(国4・広島Y)

郡司昌弥(国4・柏U-18)

瀧澤修平(ラ4・東洋大牛久)

長谷川優希(国4・帝京)

▽MF

勝野瑛(国1・浦和Y)

小山北斗(国4・帝京)

坂元達裕(社1・前橋育英)93分→DF今井裕基(国4・埼玉栄)

田中舟汰郎(国3・横浜FC・Y)84分→FW小島正之介(ラ4・常総アイデンティU-18)

▽FW

佐藤仁紀(国3・武南)78分→FW小山大貴(国4・大宮Y)

遊馬将也(国4・武南)


Image title

決勝ゴールを挙げた田中


Image title

郡司を中心としたディフェンスラインが粘りを見せた


 

 天皇杯予選、勝てばJ3町田ゼルビアへの挑戦権を得る国士大戦に挑んだ。アミノバイタル杯で対戦した時と同様に攻め込まれる場面が目立つが、19分に田中が先制点を挙げる。終始ピンチを招くも、虎の子の1点を守り抜き完封勝利を達成した。

 「関東1部首位のチームが本気で勝ちに来る」。古川監督の予測通りに国士大は立ち上がりから攻め立てる。自陣でのプレーが続く中、数少ない攻撃のチャンスが19分に訪れた。沖野のロングボールを中盤がうまく捌くと、右サイドに流れた田中が「バラバラでそろってない」と見るや、相手のディフェンスラインの裏を取り抜け出す。相手GKと一対一になり、右足で冷静にゴール左隅に流し込んだ。ファーストシュートが先制点となった東洋大は、この後徐々にボールを持てるようになった。右サイドの坂元、そして左サイドの田中が先制時と同様にポジションチェンジを繰り返し、相手DFを揺さぶりながら背後を狙う動きを見せる。追加点は奪えなかったものの、試合の流れを変えて見せた。ピンチを迎える場面もあったが、26分には郡司が体を張ってシュートブロックをするなど、気合を見せ無失点で折り返す。

 後半は58分に田中のゴール右上を狙ったシュートがクロスバーに直撃するなど、前半よりもチャンスシーンが増える。しかし、それ以上にゴールを脅かされる場面が目立つ。関東屈指の攻撃陣に再三シュートチャンスを与えてしまうものの、相手のシュートミスに助けられた。守備陣は集中力を切らさず、途中から投入された小山大や小島は時間を使うプレーやハードワークで役割をこなす。最後まで予断を許さない状況が続いたが、チームで田中の挙げた1点を守り抜いた。ホイッスルが鳴った瞬間にピッチに倒れこみガッツポーズを見せる遊馬が、この試合の苦しさを物語っていた。

 公式戦はアミノバイタル杯の平国大戦から8戦無敗。さらに、この天皇杯予選は攻撃の核である仙頭(国3・京都橘)を欠いた状態で計5戦を戦ってきた。その中で慶大や国士大といった強豪校を倒しているという事実が、チームの成長をより強く印象付ける。古川監督も「ここ2シーズン」で積み上げてきたものが形になってきていると語った。

 この絶好調の状態で創部初となる総理大臣杯に臨むことができる。「全部決勝戦」と古川監督が語るように、初戦から全国の舞台でタイトル獲得経験のあるチームとの対戦が待っている。さらに、総理大臣杯後には町田ゼルビアとの一戦が控えており、格上との対戦が続く。しかし、今のチームに恐れるものはない。古川監督も「チャレンジャーとして集中して勝ち上がりたい」と意気込む。東洋大学サッカー部の、創部以来もっとも忙しく、もっとも熱い夏が幕を開けた。


■コメント

・古川監督

アミノバイタルカップの時には相手の油断もあって次(3回戦)に進出できたと思っているし、今日は関東1部首位のチームが本気で勝ちに来るというのは目に見えていた。その中で勝ってこそ我々も本物の強いチームになっていくという話を選手にして、ゲームに臨んだ。想定していたように圧力も強かったし、何回もピンチがありながら、相手のシュートミスに助けられた部分もあったが、なんとか体を張ったり、一歩寄せることによって勝ち切れたのは大きな自信になる。(自信を持って後ろからのビルドアップを行っていたが)体を見比べてもバトルの部分を押し出して勝負しようとしてもなかなか勝ち目はないんじゃないかという部分はある。その分どこのチームよりもボールを扱えたり、組織でカバーリングしあうというところを意識しながらやっている。ここ2シーズンでハマっている時にはロングボールを入れてセカンドボールを拾う。フリーマンがいるのならしっかりつなぐようにポジショニングやサポートをするという部分を積み上げているので、その整理が選手の中でできてきて、このような結果になってきている。(得点シーンは)うまく(相手が)食いついたところにランニングすることは意識していて、そこにいい形で抜け出せた。何回かゴールチャンスがあって、そういう部分を決めていかないと、勝利はより確実にできない。強豪とやる時は決定機はそんなに作れないと思うが。(守備陣に関しては)今日のゲームから学ばせてもらうことは多いが、関東1部の上位チームとやって完封するというのは難しいこと。その結果に見合う守備力に意識が向いてくるという感じになる。自信になるのでは。(総理大臣杯へ勢いがついたが)もちろん別の大会ですし、1回戦の対戦相手を見ても、ウチにとって見れば全部決勝戦のような対戦になる。ただ短期決戦で4試合しかないので、しっかりした守備の安定があればなんとか少ない確率かもしれないが上位に進んでいくチャンスは狙っていきたい。(監督も楽しみでは)楽しみでもあるし、1回負けたらそこでアウトなので両方ある。大体大は総理大臣杯とインカレの優勝経験もここ数年のところである。一戦ごとにチャレンジャーとして集中して勝ち上がりたい。去年法政が2部でファイナリストになっているのは、我々にも勇気をもらえるデータでもある。関東の代表に恥じない成績やプレーをしていかなきゃいけない。(天皇杯予選は次は町田と対戦だが)Jリーグのチームと対戦するということはこの天皇杯でしかないこと。この機会を得られたということに感謝したい。(会場となる)西が丘は大学サッカーにとって聖地。4年生はこの前のアミノバイタル杯3回戦で初めて西が丘で試合をした選手もいる。(西が丘でやる)機会は天皇杯ぐらいだったので、彼らにも西が丘で試合してほしいということを試合前に言った。彼らもまたやってやろうというスイッチが入った感じがある。対戦相手もさることながら、試合会場というのは我々にとってモチベーションになる。(仙頭の状態は)だいぶ戻ってきて部分合流はいている。全国大会のところにコンディションが合うかぎりぎりのところ。今のチームも十分結果を出してくれているので、彼が戻ってきて入る隙があるのか。仙頭が出れるか出れないかわからないチームが強いチーム。そういう競争力がチームにある。出ている選手も毎試合試験だと思ってやっているのでは。(徳市の状態は)中1日で無理させる必要はないと判断した。代わりに出た勝野もいいパフォーマンスをしてくれた。交代した選手でチーム力が落ちることもあるが、今はよりパワーを与えてくれたりだとか、しっかり仕事をこなしてくれている。(今後に向けて)今年の夏は熱い夏になるという期待もしているし、モチベーションも上がっていく。しっかり夏にいい成果を上げて、後期リーグに何としても巻き返したい。一つ一つの試合が大事になってくるので、まずは総理大臣杯にいいコンディションをもって臨みたい。


・田中舟汰郎(国3・横浜FC・Y)

中盤でいい形で前を向けたので、うまく抜け出して落ち着いて決められた。相手のディフェンスラインがバラバラでそろってないということもあったので、左右に動いて背後を狙うことをチームとしてやろうと試合始まってから言っていた。そこで(坂元と)ポジションチェンジも増えていったが、うまく結果につながったので良かった。(チャンスメイクも多かったが)自分の特徴はドリブルで仕掛けてチャンスを作ったり自分で決めたりすること。今日は1点しか取れなかったが、チャンスはあったので次は突破を生かして得点に絡んでいけたら良い。(今日の勝利は大きなモチベーションとなったのでは)チームとしてどんどん上のステージでやりたいという欲を出していこうと古川監督から言われていたので、総理大臣杯もできたら優勝して、インカレに出たい。天皇杯も東京都予選を勝ち抜いて、Jリーグのチームとやりたいというモチベーションはある。(町田ゼルビアについて)J3のチームということで自分たちよりカテゴリーは上だが、今日みたいにやるべきことをはっきりやろうとすれば勝てない相手じゃない。去年明治もJFLやJ3のチームを倒して天皇杯に出ているので、自分たちにもできると思う。格上だが、そこはチャレンジしたい。(今後に向けて)今日も相手が(シュートを)外してくれたりとかで助けられているのもあるので、そういうミスを一つずつ減らして、総理大臣杯の大体大戦では万全の状態で臨みたい。


TEXT/PHOTO=當麻彰紘


[次回試合予定]

2015年度第39回総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント

2回戦 8月10日(月) 対大体大 ヤンマースタジアム長居にて 15:30キックオフ