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東洋大学野球部を取材する際、どんな状況でも常に変わらないモノが球場にある。
それは、東洋大学應援指導部の皆さんによる声援である。ピンチの時には選手を鼓舞し、チャンスの時には球場を巻き込むほど盛り上げる。この声援は選手たちの支えの一つとなっている。
野球部の絶対的エース細野晴希投手(総4=東亜学園)は応援について「マウンドにいるときによく名前を呼んでもらえて、そのコールは嬉しいですし力になります。毎試合ありがとうございます。」と感謝する。
今回は“声”で選手たちを支える東洋大学應援指導部第42代主将の秦芽吹さんにインタビューを行った。
(写真提供:東洋大学應援指導部)
――應援指導部のスローガンを教えてください
「熱叫」です。誰よりも熱く、だれよりも声を出して応援して、選手の皆さんやお客様にも感動してもらえる応援を目指して活動しています。
――應援指導部はどのような活動をされているのですか
私たちは運動部として活動しています。皆さんに見ていただく機会として、野球部の試合や箱根駅伝での応援活動があります。
また、近年はコロナの影響もあり難しかったのですが、入学式や卒業式など大学の行事にも参加させていただいていました。ほかにも、冬に行われる【鉄紺祭】や【応援団フェスタ】という応援団の祭典などでパフォーマンスを披露しています。
――現在のどれくらいの人数で活動されていますか
現在は新4年生が6名、新3年生が11名、新2年生が12名の計29人で活動しています。
どんな状況でも常に明るく、前向きに声援を送る
――野球応援を見ていると様々な様式の応援があるように思いますが役割などがあるのですか
私たちは3つの部門ごとに分かれて活動しています。
1つめがリーダー部門です。学ランを着て先頭に立って活動しています。
2つめがチアリーダー部門です。応援活動の華としていつも明るく活動しています。
3つめが楽器部門です。応援団内の楽器部門の音楽が応援を盛り上げてくれています。
――全体スローガン「熱叫」で、部門ごとにもスローガンがあるとお聞きしました
リーダー部門は「熱狂」、チアリーダー部門は「熱華」、楽器部門は「熱響」です。
リーダー部門と楽器部門は「ねっきょう」、チアリーダー部門は「ねっか」と読みます。熱く応援することをどの部門でも常に心がけています。
――どのような思いをもったメンバーが集まっているのですか
大学の看板を背負って活動したいという思いや、頑張っている人を応援したい、大学生活を充実させたいといった様々な理由の人たちが集まっています。
応援団の経験がある人もいればない人もいますが、みんな応援に対する想いは一つです。
様々な応援方法で球場のムードを盛り上げる
――活動を通してうれしいと思ったことはありますか
たくさんあります。一番は応援をしていて、終わった後に選手の皆さんや監督さんにお礼を直接言っていただけることです。これはこの活動をしていないと味わえないものですし、とても達成感があって嬉しいです。他にも、試合を見に来られた卒業生の方々にも言っていただけるので観客席の皆さんにも届いているのがわかって嬉しいです。
また、私たちのファンの方にお手紙をいただいたこともありました。他大学の応援団の方との交流もあり、様々な方に自分たちのパフォーマンスを見ていただけるのはとても幸せに思います。
――この活動を通してつらかったことはありますか
これもあります。練習や活動も大変だな、時にはつらいなって思います。しかし、この気持ち以上に嬉しい気持ちや達成感が大きく、仲間もいるため乗り越えられています。
主将として應援指導部を引っ張る秦芽吹さん
――芽吹さん自身の入部のきっかけを教えてください
私は、高校時代に応援団の団長をしておりました。当時、全日本大学駅伝対校選手権での東洋大学應援指導部の先輩方の応援を見て、気迫やテクニックに感銘を受けました。この感動を私自身も見てくれた人に伝えたいと思いましたし、先輩方のようになりたいと思って入部を決めました。
――芽吹さんが語る活動への思い
いま私たちが、先輩方が受け継いできた伝統のタスキを受け継いでいると思うと、とても感動します。そしてそのタスキを途切れさせないようにもっと頑張ろう、良くなろうという責任もあります。この感動や責任が原動力となり、活動に対して本気で取り組めていると思います。
また、応援が力になると選手の皆さんに言っていただけるのはこちらも力になります。試合の中で応援が必要な時って主にピンチの場面だと思うのですが、私たちの応援がピンチを乗り越える勇気や東洋大学の勝利につながると嬉しいです。
――最後に、應援指導部を支えてくださっている皆様・記事を読んでくださった皆様へ
いつも應援指導部を支えてくださっている皆様、ありがとうございます。皆様の温かい声が私たちの活動の支えになっています。今後ともよろしくお願いいたします。
記事を読んでくださった皆様、ありがとうございます。この記事をきっかけに、私たちを知っていただき、東洋大学運動部の皆さんを一緒に応援していただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
自分のために自分で頑張るのは当たり前のことですが、ほかの人のために自分が本気で頑張ることはなかなかできることではないと思います。このような経験ができる應援指導部だからこそ4年間で成し遂げられるものや得られるものがあると思います。この気持ちを忘れずに今後も活動してまいりますので、これからも東洋大学應援指導部をよろしくお願いいたします。
TEXT・PHOTO 成吉葵 取材日=3月27日