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2023.05.23
サッカー

[男子サッカー]東洋の獅子が目覚めた!!小野田2試合ぶりゴール含め3発快勝

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第5節


5月13日(土) 味の素フィールド西が丘


東洋大3-0東国大


〈得点者〉(アシスト) 

51分 増田(石井)

61分  小野田

89分 中山


〈出場メンバー〉

▽GK

川上康平(国4=JFAアカデミー)


▽DF

田頭亮太(国4=東福岡)

稲村隼翔(国3=前橋育英)

徳永祟人(国2=前橋育英)

山之内佑成(国2=JFAアカデミー)


▽MF

清水祐輔(国4=柏U-18)→82分 平田駿佑(国4=徳島Y)

増田鈴太郎(国3=東海大相模)→59分 高橋輝 (国1=大宮U18) 

本間洋平(国4=札幌U-18)

新井悠太(国3=前橋育英)→80分 中山昂大  (国3=大宮U18)


▽FW

小野田龍剛(国4=常葉大橘)→89分  梅津凜太郎 (国3=鹿島Y)

石井宏育(国4=横浜FM・Y)→65分 村上力己  (国2=尚志)


2試合ぶりのゴールを突き刺した小野田(左、白ユニホーム)

チームメートも小野田の得点に喜びを爆発させる



関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第5節の相手は、昨季共に2部から昇格し、普段からライバルとしてお互いを意識している東国大。前節の国士大戦の勝利で勢いに乗っている東洋大は、前半東国大に退場者が出たこともあり、後半一挙3得点を決める。チームの最初の目標であった「最初の5試合を勝ち越す」というミッションを見事に遂行して見せた。


 今節の会場はいつもの大学グラウンドとは違い、味の素フィールド西が丘。東洋大だけでなく、東国大の選手も天然芝でのプレーに試合前の練習から心を躍らせていた。そんな中でキックオフを迎えた試合は、東洋大が序盤からボールを保持し、相手陣内に押し込む。左サイドの新井に積極的にボールを預け攻め込むが、東国大の守備も堅く、なかなか完璧に崩しきることができない。それでも清水がペナルティエリア内の狭いスペースで切り返してチャンスを作るなど、得点の匂いを漂わせていく。雨で滑りやすいピッチだったこともあり、お互いに肉弾戦が激しくなってきた45分、フィフティフィフティのボールを東洋大の選手が蹴りだした際、そのボールを取りにいった東国大の選手のスパイクの裏が膝に接触し、東国大の選手は危険なタックルを行ったことで一発退場に。その後は無事プレーを再開していたが、ヒヤリとさせる場面で前半を終えた。


 後半、相手が人数的に不利な状況で得点がほしい東洋大は、新井の左サイドに加え、先日ザスパ草津群馬に内定を決めた右サイドバック・田頭の攻め上がりを生かした攻撃を展開する。51分、新井がサイドから中央に寄せていくようなドリブルで敵陣に切れ込むと、ゴール前に陣取っていた石井にパス。石井は反転しながら、走りこんできていた増田にボールを落とすと、最後は増田がキッチリと押し込み先制に成功した。流れるようなパスワークで先取点をゲットした勢いは止まらない。61分には田頭のクリアボールを拾った相手に新井が猛プレス。そのままボールを奪うと、相手DFとのラインの駆け引きを始めていた小野田にスルーパスを通す。GKとの一対一に持ち込んだ小野田は、冷静にファーにシュートを叩き込み2点目を奪う。ここ2試合で得点を奪えずに苦しんできたが、ここを決めてこそストライカー!!という場面で男になって見せた。そして今回のゴールショーに最後の花を添えたのは89分、相手GKのロングキックのセカンドボールに、交代で入った村上が反応。裏抜けする中山に完璧なタイミングでパスを通し、中山はファーに打つと見せかけてニアにぶち込み3点目。ゴールラッシュの試合の締めを見事に務め上げた。


 開幕から5試合が経過して、東洋大のサッカーは確実に進化し続けている。田頭も「積極的に裏を取りに行こうという話はあった」と攻撃面で以前に比べて流動性が生まれてきたことを体感。そして何より大きいのは、攻撃陣の決定機を決めきる力が1試合だけでなく、継続的に身についていることだ。エースの小野田もこれまでは決めきれていなかった場面を確実に決めたことは自信につながるだろう。現在の得点ランキング1位は筑波大・内野航太郎の5得点で、小野田は2得点。今からコンスタントに得点を重ねれば追いつくことも十分できる差だ。守備面では、少し危ないシーンもあったものの、2試合連続のクリーンシート達成。そこの部分も井上監督が「GKやDFがしっかりと防いだことは良かったが、そこに至る前のところに問題があったよね」とチームに提言し次節に落ち度を残さない。次の対戦相手は、昨年度リーグ戦王者の明大だ。この大一番を制することが、”東洋旋風”の始まりを告げることになるかもしれない。


■コメント  

・井上監督

結果的には3-0という形でしたが、相手が前半の内に一人少なくなった。その後の戦い方はまずまずかなと。数的優位な状況になってからはまずまず、でも11対11の同数になっている時にも得点のチャンスはあったので、そこを決めきれてたらもっと優位に試合を進められていたと思う。後半に3点優位な状況を生かして、試合を展開しながら点が取れたが、もう少し追加点が取れる場面があった。そして、ある時間帯は数的優位な状態が見えないで、相手にボールを渡し、セットプレーからチャンスや決定機を作られてしまっていた。それをGKやDFがしっかりと防いだことは良かったが、そこに至る前のところに問題があったよね、という話を選手たちにはした。そして逆に我々が数的不利な状況で試合を展開することも十分あり得る。その時どのようにプレーするかも考えよう、ということも話した。それでも数的優位を生かしながら、相手の背後を取れて、得点も取れたことは非常に良かった。(逆に自分たちが数的不利だったら...と考えることに感銘を受けました)今日はラフプレーという形で一発レッドが(東国大に)出ましたけど、ひょっとしたら決定的な得点機会の阻止などで、こちらが先にレッドを受けてということも起こりえること。そういう時に60分間、数的不利の中で戦えるかなというのはみんなもそうだし、自分も含めて選手たちと話した。(試合中カウンターをファウルで止める場面もあった)今日の試合ではイエローは出なかったが、あのプレーでイエローが出ることもある。ファウルでなく相手を止めることを身に着ける必要があるし、ミスしたことに慌ててミスを回収しにいって、ファウルで止めることはマイナスにさらにマイナスを重ねることになってしまう。そうならないようにセルフコントロールをしよう、ということは常々言っていますが、試合になると熱くなってしまうこともあるかなと。でも、毎回の試合で修正を加えて、前進していくことを今年のテーマに掲げている。今日の相手は昨季勝ちきれていなかった相手。昨季の彼らとやった時を上回ろう、前節の国士大戦は勝ったけど、あの試合を上回ることを積み上げていこうという話をしながら毎回取り組もうとはしている。上手く今日は結果に結びついてるが、毎回そうとも行かない。それでも毎試合、結果じゃなくて成果として何かしらの積み上げがあるようにチャレンジしてほしい。(国士大の前まで決定力の課題が多く口にされていた中で、改善してこの結果はかなりポジティブに捉えられるか)最初の5試合で勝ち越そうという中で、2勝2敗だったので今日勝ったことでようやく勝ち星が先行する形になった。ここから昨年度王者(明大)や首位の筑波大と対戦するので、ここからですかね。(明大戦に向けての意気込みを)連盟から処分が下った事で最下位にはなったが、我々より上に居たチームが勝ち点が0になったことで下に居る。しかし、本来は我々より上位のチームであって、練習試合などでもいい試合はできても勝ちきれないことが多い。そこは今日のゲームから何が積み上げられるかを選手たちとチャレンジしながら試合に挑みたい。


・田頭亮太(国4=東福岡)

前半の内に相手が一人少ない状態になって、比較的にいつもの試合よりは楽に進められたかなと思っている。この一週間で積み上げてきたサイドからの攻撃で先制点が取れて、すごくいいペースで試合が進められて、なおかつ、無失点で終われたので良かった。(これまでの試合に比べて、大外にいる田頭選手の内側のスペースから上がる選手の動きが増えた)中断期間で1週空いたときも、積極的に裏を取りに行こうという話はあったので、それを体現できたと思う。(プロ内定後初の試合でプレッシャーのある中しっかり活躍できたことは自信につながるか)そうですね、でもあんまり決まったから気負うということは無かったので、リラックスして試合に臨めた。(法大戦後にリーグ優勝と共に内定を目標に挙げていた。実際に決まって安心感はあるか)そうですね、今はかなり安心しています。(明大戦に向けて)明大は天皇杯でも当たって最後PKで負けてしまった相手。去年の王者でもあり、みんなの気合の入り方も違う。必ず勝てるように頑張っていきたい。


・小野田龍剛(国4=常葉大橘)

前半、厳しい展開だったり失点しそうなシーンもありましたが、そこから耐え抜いて後半いい形で入れて、3-0で勝てて良かったと思います。(ゴールを決めた時考えてたことは)前半の最初にシュートまで抜け出せなかったので、抜け出した時にシュートで終わろうと意識した。それがゴールになったので良かったです。(次の明大戦に向けて)毎年、苦しめられている明治大相手なので、あと2週間良い準備をして次も勝って、また抜けられるようにしていきたいと思います。

[次節試合予定] 

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第6節

5月27日(土) vs明大 明治大学八幡山グラウンド 14:00キックオフ


TEXT=髙橋生沙矢 PHOTO=鈴木真央