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2023.06.15
サッカー

[男子サッカー] タレント軍団筑波大に3失点も1発を返し意地を見せる

第97回関東大学サッカーリーグ戦1部第7節

6月3日(土) 非公開


東洋大1-3筑波大


〈得点者〉(アシスト) 

90+1分 梅津(山之内)



〈出場メンバー〉

▽GK

川上康平(国4=JFAアカデミー)


▽DF

田頭亮太(国4=東福岡)

稲村隼翔(国3=前橋育英)

徳永祟人(国2=前橋育英)

山之内佑成(国2=JFAアカデミー)


▽MF

清水祐輔(国4=柏U-18)→82分 中山昂大  (国3=大宮U18)

増田鈴太郎(国3=東海大相模)→57分 高橋輝 (国1=大宮U18)

本間洋平(国4=札幌U-18)

新井悠太(国3=前橋育英)→82分 梅津凜太郎 (国3=鹿島Y)


▽FW

小野田龍剛(国4=常葉大橘)→82分 村上力己 (国2=尚志)

石井宏育(国4=横浜FM・Y)→57分 湯之前匡央(国2=柏U-18)



負けている状況でも川上はチームを後ろから鼓舞し続けた


新井は苦戦したが、それでも得意のドリブルは健在だ


※掲載が遅れてしまい、大変申し訳ございません。

関東大学サッカーリーグ(以下、リーグ戦)第7節の相手は現在トップを走る筑波大。2位につけている東洋大は前節で明大に2-0の無失点で勝利し勢いに乗ったものの、立ちはだかる筑波大の壁は高く1-3で敗戦した。


 前日の大雨とは打って変わり晴天のなかでのキックオフ。総得点の半分を3人で生み出している、山崎太新(2年)・内野航太郎(1年)・角昂志郎(3年)のプロ注目トリデンテを中心に攻める筑波大に対し、前半の立ち上がりが重要視された東洋大であったが、2分に筑波大がシュートを放つと、ゴールポストへ当たりゴールの左上に吸い込まれた。イレギュラーな方向に向かったシュートに川上は対応できず早くも先制点を許してしまう。そこから波に乗った筑波大に東洋大は苦戦し、15分には追加点を許す。1度川上が防いだものの、こぼれ球を詰められ、2点目を奪われた。その後東洋大にゴールのチャンスが来るも、上手くボールを運ぶことができずに前半が終了。


 0-2で追う展開となった後半。ハーフタイムでは「冷静に」と井上監督が選手に呼びかけ、巻き返しを計った。しかし47分、筑波大・角の精密なカーブのかかったシュートで失点。0-3と大きく点を離されてしまった東洋大であったが、その後も筑波大がシュートを決めようとしたところを川上が防いだ。そこで「負けているんだぞ」と川上からの声かけ。この声かけが選手達を奮い立たせ、90+1分、梅津がゴールを決める。この1点は選手らの諦めない気持ちの表れであった。その後はお互いにシュートを決めることはなく笛が鳴り、1-3で敗戦となった。


 首位争いに1-3で負ける、悔しい試合になってしまったものの、後半では新井の相手に読まれない俊敏なフェイントからのドリブル突破、川上から選手らへの声かけといったところがよく見られ、後半残りわずかな時間で決めた1点について井上監督は「諦めなかったことは一つの積み上げだと思う。」と振り返った。最後の笛が鳴るまで諦めずに粘ったプレーは次節以降にもつながるだろう。次節は勝ち点の近いチームとの対戦。「負けを恐れたゲームではなく、きちんと勝ち点を積み上げられるゲームにできるように」と語った監督の目からは熱意が伺えた。


コメント

井上監督
ご覧になった通りです、、、。後半の戦い方が最初からできているともう少し良かったのかなと思いますが、特に前半の立ち上がりの15分。相手のファーストアクションでそのまま得点につなげられているところと、同じサイドから同じような形で2失点目。そのような試合の運び方も相手は上手だったのかなと思いますが、我々の隙もあったのかなと。最終的に一点でも返そうということでプレーしました。最後まで諦めずにプレーして一点は取ったけれども、現状でこれが筑波大と東洋大の差かなと思います。(やはり早い時間に失点をすることはゲームプランも狂ってしまうか)1点であればまだ。最初のアクションで点を入れられているというところに少し問題があるかなと思う。(ハーフタイム、冷静にという言葉を繰り返し選手にかけていましたが意図を教えてください)0ー2という状況ですので。後は前半の間に2人イエローカードが出ていたのもあって、なんとかひっくり返そうという中で、激しく戦うことは重要だが余分なファウル、特にイエローをもらっている選手が強引にいってファウルを取られるということがないように。その部分のセルフコントロールはできていたかなと思いますけど、追いかける中で焦ってプレーを選択することではなくてしっかりと状況を見た中で判断できるように、冷静にという言葉をかけましたが、もっと熱く戦っても良いかもしれないですね。(前に勝っても負けても積み上げができるチームにしたいとおっしゃられていた。今日の部分の積み上げは、ファーストアクションで失点しないようにすることと、もう少し熱く戦う部分か)我々の中での積み上げの部分では、試合をひっくり返すことはできなかったが、最後まで一点を返そうという中で、3点目の失点は良くない形で、かつ早い形で決定的な3点目を取られましたけど、そこでギブアップにならずにもう一回ひとつずつ返そうという姿勢で交代選手も含めて、攻撃の形も得点を取れそうな形を作ることができた。最終的にはセットプレーの1点だけだったが、諦めなかったことは一つの積み上げだと思う。でもチャンスの回数ではなくて、得点という部分ではもう少し改善が必要かなと思う。(梅津選手は「点を取って来い」という監督の指示をしっかりとこなして見せた。そこは良かった点か)途中から変化を求めて送り出す選手が点を取ってくれることで、チームは活性化しますし、彼自身も得点がほしかったでしょうし、チームにとってもかなりプラスでしたね。(選手が指示をしっかり遂行してくれるのはうれしいですよね)基本みんな真面目なので。でも言われたことを一生懸命やってくれますけど、それだけじゃなくて、自分で考えたことを表現できる方がさらに良いのかなと思う。そこは言われるがままではなく、自分の考えや判断のもとでプレーしてほしいなと思います。(次節に向けて)試合前に選手たちには、試合前の勝ち点差では相手を追い抜く可能性を十分に持った試合で、モチベーション高くいこうという話をした。しかし、今日の試合はその形は出せなかったので。また、次も勝ち点の近いチームとの対戦になるし、相手から勝ち点差を広げるのか、また追い越していくのか、いずれにしろ連敗をしないようにして。でも負けを恐れたゲームではなく、きちんと勝ち点を積み上げられるゲームにできるように準備したいなと思う。


・新井悠太(国3=前橋育英)
前後半ともに立ち上がり早々に失点してしまって、前半はロングシュートなど惜しいシーンが何回かあったが、決めきれずに流れを持って行かれてしまった。後半も立ち上がりに失点して、そこからはオープンなゲームになって、あまり拮抗した試合展開にはなっていなかったが、そこでも点を決めきれず。最後に一点取ったが追いつくことはできなかった。(梅津選手も投入時3点取れないと勝てないと思っていたと話していたが、2点のビハインドはやはり苦しいところもあるか)前半の内に一点返していれば、もう一点取れば同点で、勢いづくことができてメンタル的にも楽になったと思う。しかし、点が取れずに0ー2の状態で残り45分になってしまった。少し気持ち的には3点が遠く感じたかなと。(できれば前半の内に一点返したかった)そうですね。(明大戦や国士大戦では一対一を制していた印象があったが、今節は2対1の対応を余儀なくされた。厳しいところもあったか)相手が2枚付いてくることもこれから多くなってくるシチュエーションだと思う。そのような場面で、無理矢理自分でこじ開けるのではなくて、仲間を使って剥がしたり、右サイドの空いたスペースを突いていったり。チームスポーツである以上、そう言ったところを上手く利用しながら最後に自分が点を取れたら良いなと思う。(最終的に自分が点を取るシチュエーションは頭の中でイメージしているか)どっちかというと自分はこれまでそんなに得点が多くなかった。今シーズンになって急に点に絡めるようになって来たので、あんまり意識はして無いが、点が取れるのは一番だと思っているし、点が取れなくても仲間に点を取らせることができるプレーを意識している。(国士大戦の時も点を取るまでの過程を大事にしていたという話をしていたが、あの試合の2点で価値観が変わったというのはあるか)ゴールへの意識は強くなったし、より一層この場面で得点が取れそうだなという嗅覚的なものが働くようになって来て、ゴール前の意識が強くなったのかなと思う。(それが明大戦のゴールにつながった)そうですね。(次節に向けて)次も立ち上がりでまずは失点しないように、一週間自分たちで作り上げていって。無失点で終えることで得点は必ずついてくるし、前線の選手が輝けるようにみんなで守備して、みんなで攻撃して勝てるようにしたい。


・稲村隼翔(国3=前橋育英)
入りが久しぶりに酷かったというか。いつもは先制できていたが、相手の首位の力、勢いに飲まれて簡単に前半2失点した後、後半にも自分の簡単なミスで失点してしまったので、前後半の立ち上がりが敗因かなと思う。(1失点目は相手の左サイドのスピードが際立ったが、序盤からあの展開で来られると対応の難しさはあるか)相手の最初の攻撃であれだけ縦に力強くこれるのは首位の力だと思うし、それにしっかり合わせるFWもやっぱり得点王だけあると感じるし、前回明大は倒したが、まだこんなものか。というのを力で分からされた感じがある。(前節の明大と違ったところは)違いは自分たちのことをよく試合を見て分析していたり、筑波大自体、攻撃や守備のやり方が整備されていて、90分通してボールの取りどころがつかめなかったし、逆にどこから攻めていこうかを探りながらの90分だったので、頭を使ったサッカーをしている印象を感じた。(筑波大の10番を止めるのにチームとして苦戦していたが、どのような感想をいだいたか)前線の選手、中盤も合わせてタレントと言われる選手がいて、そのような選手たちに勝っていかないと上には行けないが、まだまだ力の差はあったかなと感じた。でも、チームとしては一対一だけでなくチームとしてその選手を止めに行くことをやって、そこに関してはまだまだの部分もありますが、自信を持って良いところが何個かあった。サッカーは全部が一対一の場面では無いので、自分たちのチーム力を生かして、そう言った選手たちを抑えることで、勝てるようにしたい。(後半の終盤は対応できていた)相手も3点取って余裕があって、無理して前には来なかったので、止めたというよりは相手が前に来なかったのが正しいかなと。(次節に向けて)今節勝って首位に出たかったが、そんなに甘く無いぞと実力の差を見せつけられた感じがしたので。また積み上げて、自分たちの目標の優勝のためには一戦も落とせない。ここからまた勝っていきたい。


・梅津凜太郎 (国3=鹿島Y)
自分は(前半)出ていなかったので言える立場ではないですが、入りはそんなに良くなかった。その中で、攻撃陣が3点取られても、3点、4点と返せるようになれば、DFも楽になるし、もっと点を取れるように普段から練習しなければいけないなと思った。(2点のビハインドという難しい状況の中で、どのような考えをもってピッチに入ったか)とりあえず3点取らないと勝てないなと思ったので、点をとることだけを考えて入りました。(投入の際、井上監督から指示はありましたか)相手の背後を狙えという指示と点を取ってこいということは言われました。(実際本日1得点)結果としては1点取れたが、それ以外はほとんど何もできなかったので、次は点を取って勝てるように頑張りたいと思います。(得点時、梅津選手がいた位置にポジショニングをしていた理由は)普段からニアでそらしてファーで詰める練習をしてきたので、狙い通りの形ではあった。(結構練習で慣れていた形ではあった)そうですね。普段からやって来たことなので、それがたまたまいい形になったかなと思う。(今節、FKはなかなか得点につなげられなかった。それでも得意のセットプレーで1点取れたことは自信になるのでは)チームとしてあの形でセットプレーで取れたのは良いことです。でも、他の得点パターンを増やしていかないとこれから(相手に)研究されると思うので、もっといろいろなバリエーションが必要かなとは思った。(次節に向けて)今回負けてしまったので、次は勝つしかないと思っている。チームとしてここまでいい流れで来れていたので、次勝ってまた流れを取り戻せるようにチーム一丸で頑張りたい。


TEXT=北川未藍 PHOTO=北川未藍、髙橋生沙矢