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第102回 関東学生陸上競技対校選手権大会
2023年5月11日(木)~14日(日)
相模原ギオンスタジアム
1日目
男子1部 110mH 予選
4組 3着+4
1組 西山兼人 6着 14''82 (風 -1.4)
4組 大谷高史 6着 15''00 (風 -1.9)
男子1部 400m 予選
5組 2着+6
1組 新垣颯斗 3着 48''34
4組 萩原拓斗 4着 48''41
5組 臼木隼哉 4着 48''00 q 準決勝進出
男子1部 100m 予選
5組 2着+6
2組 (風 +3.4)中村彰太 1着 10''12 Q 準決勝進出
3組 (風 +2.7) 柳田大輝 1着 10''15 Q 準決勝進出
5組 (風 +2.9)成島陽紀 2着 10''21 Q 準決勝進出
女子1部 1500m 予選
3組 3着+3
1組 渋谷菜絵 5着 4'28''40 q 決勝進出
2組 萩原結 5着 4'29''20
男子1部 1500m 予選
2組 5着+2
1組 石川心 6着 3'52''27 q 決勝進出
2組 奥山輝 4着 3'56''64 Q 決勝進出
田中純 5着 3'56''73 Q 決勝進出
男子1部 4×100mR 予選
2組 3着+2
1組 安齋由一郎
大石凌功 2着 39''65 Q 決勝進出
中村彰太
舘野峻輝
男子1部 400m 準決勝
2組 3着+2
2組 臼木隼哉 7着 49''68
女子1部 10000m 決勝
中才茉子 3位 34'03''16
立迫望美 8位 34'16''71
男子1部 10000m 決勝
緒方澪那斗 14位 29'04''62
小林亮太 8位 28'43''15
佐藤真優 31位 30'32''42
4×100m予選中村(中央右)→舘野(中央左)へのバトンパス
10000mのラストスパートで後続を振り切る中才
2人で揃って入賞し、喜びを分かち合う立迫(左)と中才(右)
相模原ギオンスタジアムで5月11日から5月14日にかけて開催された、第102回関東学生陸上競技対校選手権大会(以下、関東インカレ)。大雨に見舞われた初日、5月11日。多数の短距離種目の予選が行われる中、この日決勝が行われた女子1部10000mで中才茉子(食2=筑紫女学園)と立迫望美(食4=国分中央)が、輝きを放った。
大雨で中断を挟み、17時30分頃にスタートの号砲が鳴った女子1部10000m。序盤から先頭を引っ張っていた、日体大の山崎りさが抜け出し、そこに反応した大東大のワンジルと共に後続との差を広げていく。東洋大の中才と立迫は3位集団につき、レースを進めた。3位集団は15名程の大集団だったがレースが進むにつれ、徐々に人数が絞られていく。3位集団の後方で勝負を仕掛ける場面を探っていた中才と立迫。ラスト3200mとなったところで、立迫が集団の前へ。本人は「集団の先頭に出されてしまった」と語ったが、この「挑戦」により、さらに集団をふるい落としにかけた。8500m付近で、山崎りさに3位集団が周回遅れにされるが、つられるようにペースアップ。「レースが動いた時に対応出来た」と中才は冷静にラスト勝負に備えることに成功する。激しさを増す3位表彰台への争いに、立迫は離されてしまい集団は5人へ。勝負の命運を左右するラスト1周の鐘がなった。ラスト400mの時点で、集団の2番目の好位置につけていた中才は、ラスト200mで先頭に躍り出る。そのまま後続を振り切り、34分03秒16でフィニッシュ。初の10000mとは思えない素晴らしい走りで、佐藤早也伽以来、東洋大として7年ぶりとなる10000m3位表彰台を掴んだ。立迫もラスト400mで順位を1つ上げ、8位入賞を獲得した。
10000mでダブル入賞も、最終日に行われた5000mでは苦戦した2人は関東インカレを「満足はしていない」と振り返る。「トラックレースで自己ベストを更新し、駅伝で活躍する」と目標を掲げた中才。去年苦戦した駅伝で今年こそ入賞へ。チームで同じ目標に向かって東洋大陸上競技部女子長距離部門の挑戦が始まる。
◼️コメント
(5000mを振り返って)目標の2種目入賞には程遠い結果となってしまい、悔しさが残るレースだった。位置取りを上手くできず、スローペースにもたついてしまった。ペースが上がったときに途中までしか流れにのれず、全く体が動いていなかった。自分の弱い部分を感じたレースだった。(10000mを振り返って)ずっと走りたかった10000mを初めて走ることができ嬉しかった。雨の中のレースとなったが集中して冷静に走ることができ、レースが動いたときに対応できた。3位争いになったとき、表彰台にのぼりたいと思いながら思い切ってラストスパートをかけ、勝ち切ることができた。(10000m、3位表彰台という結果はいかがでしたか)初の10000mで大学初の表彰台を経験できたことは自分にとって自信となった。しかし、目標タイムには程遠く、ギリギリでしか3位になれず、上との差を感じた。上のレベルで戦えるように、さらに上を目指して力をつけていきたいと思った。(今大会の位置づけ)去年の関カレは体調を合わせられず、緊張もしてしまって悔しくて情けない結果となってしまった。本当に悔しかったので、この1年間はあのときの悔しさを思い返しながら過ごしてきた。今年は1年越しの思いをもって少しでもリベンジしたいと思い、関カレという舞台を楽しむ気持ちでこの大会に臨めた。(昨季課題に挙げられていた長い距離への対応は)去年から10000mにも挑戦すると決めていたので、自分でジョグの量を増やしたり、プラスで走ったり、春休み期間に母校の合宿に参加させていただいたりした。また、貧血やケガなく継続して走れるように、しっかり食事をとって体を回復させるようにした。(良かった点、悪かった点)2種目を経験でき、初10000mで3位入賞し、関カレを楽しめたことは良かった。しかし、課題の方が多かった。2種目で戦えなかったことや目標タイムに届かなかったこと、5000mのレース展開に対応できなかったことなど、まだまだ課題がたくさん見つかった。 来年は10000mと5000mの両方を走り切る力をつけ、一回りも二回りも強くなってこの舞台に戻ってきたい。(今季の目標は)今季は去年の経験を活かしながら練習や生活、試合を積んでいき、学生トップレベルで戦える力をつけていきたい。駅伝に向けて長い距離をしっかり走れるように、まずはトラックレースて自己ベストを更新し、今年こそは駅伝で活躍して入賞したい。
・立迫望美
(5000mを振り返って )850m付近で接触した時に転倒してしまいました。レースでの転倒は初めてだったので、改めてこのようなハプニングが起きた時にどうするかが大切だと思いました。自分の位置取りの悪さや体幹のなさからそのようなことを引き起こしてしまったと思うので、課題として見直していこうと思います。そのあと追いかけましたが、自分らしい走りは全く出来ませんでした。レース内容としてキツい走りになってしまいましたが、4年目にして初めての声出し応援ありの関東インカレで、「のぞみ!」という応援で最後まで諦めずに1人でも抜こうと走ることが出来ました。応援のありがたさを改めて感じることができたレースになりました。 (10000mを振り返って )関東インカレの10000mは2年目から出場させて頂いており、今回が3度目の挑戦でした。昨年まではボロボロの走りしか出来ず、正直スタート前まですごく怖かったです。でも、練習は今までよりも詰めていたし、ハーフなども経験したので自信を持ってスタートラインに立つことができました。レースプランとしては、最後まで後ろについて粘ってラスト勝負をしようと考えていました。途中まではそれ通りでしたが、後半で集団の先頭に出されてしまいました。今までなら早く後ろにいこうと考えていたと思いますが、このままリズムを崩さずに走ることが大切で、挑戦も必要だと思い引っ張りました。ラスト1000で離れてしまったけどすごくいい経験となりました。ラスト1周の時に9位で、離れてしまっていましたが、とにかく8位に入りたいという思いがあったので、最後まで諦めずにとにかくもがいて走りました。8位という結果に満足はしていませんが、諦めず走って抜けたときはすごく嬉しかったです。 (10000mで中才選手と揃って入賞を達成しましたがいかがでしたか )中才とは一緒に練習をしてきていたので、2人で入賞出来たことはとても嬉しいです。後輩ですが、すごく尊敬していて、見習わないといけないことばかりで、練習ではお互いに引っ張りつつもまずは目標とすべきところだと思っています。次はもっと上の舞台でも2人で入賞出来るように、負けないように頑張ります。 (今大会の位置づけ )ラストの関東インカレだったので、自分の中で順位を狙うという意味で、すごく重視していました。他校のエース級とそろって直接対決できる場はなかなか少ないので、駅伝などを見すえた時に今の東洋の現状を確認する意味でもとにかく入賞したいという気持ちで春のシーズンの中では1番重視している大会でした。 (良かった点、悪かった点 )良かった点は10000mで粘りの走りができて、目標としていた8位入賞ができたこと。悪かった点は、最後のラストスパートというところで見た時にまだまだ対応が全く出来ていないので、スパートまでもっと余裕を持てる体力、持久力と、そこからのペースアップに対応出来るキレやスピードを磨かないといけないと思いました。また、ハプニングに対応する心を身につけていかないといけないところです。 (今季の目標は)最大の目標としては全日本大学女子駅伝での8位入賞です。1年目から関東・全国・富士山、エース区間もアンカーも経験してきているので、その経験を生かして後輩や同級生たちに立迫がいるから安心だと思ってもらえるくらいの存在になりたいです。また、個人の目標としては5000mでの15分台を早く出して、全国の舞台で戦えるくらいの実力、安定した走りをとにかく突き詰めていきたいです。4年生として後輩に走りや競技の面で背中をしっかり見せれるように練習も試合もとにかく全力で頑張ろうと思います。憧れだった鉄紺のユニフォームを着ることができる最後の年なので笑顔で終われるようにしたいです。
・小林亮太(総3=豊川)
(試合を振り返って)今回のレースは十分表彰台を狙える位置にいましたが、残り2000mで離れてしまい非常に勿体ないレースになってしまいました。(今大会の位置づけ)他大学の選手に勝ち、自分の殻を破る目的で走りました。(良かった点、悪かった点)良かった点は最低限入賞をしたことです。 悪かった点は一番大事な残り2000mで粘らなくてはいけないところを離れてしまったことです。(28分台のPBを出しましたがいかがでしたか)自己ベストは出せましたが、他大学の選手は28分30秒を切っているので満足はしていません。(今季の目標は)箱根駅伝総合優勝 個人では区間賞を取ることです。
TEXT=坂庭遥人 PHOTO=北川未藍、近藤結希、坂庭遥人